2026年4月17日
野村乳業(広島県府中町)は4月14日、同・三原市にある製造拠点に、太陽光発電設備を導入し、エネルギーの自給率最大45%を実現する体制を整備したと発表した。この取り組みにより、CO2排出量を年間約31t〜36t削減する見込みだ。
同社は1897年創業の乳業メーカー。2010年頃から発酵技術と腸内環境研究にリソースを集約し、現在は植物乳酸菌の高濃度発酵技術の応用に特化し事業を展開している。消費者の腸内環境を整える「腸活」につながる商品の製造・販売を手がける。
今回、太陽光発電設備を導入した三島市の製造拠点である「マイ・フローラ プラント」では、国内向けの主力商品であるプラントベースの乳酸菌飲料「マイ・フローラ」を製造している。
再エネを活用することで、製造工程におけるエネルギーの安定確保と環境負荷低減を図る考え。工場の年間電力使用量の約40〜45%に相当する電力(約6.5万〜7.4万kWh)を自家発電で賄う。
導入にあたっては、三原市の脱炭素社会推進事業補助金を活用した。同補助金では、市内中小企業事業者の太陽光発電設備、蓄電池、宅配ボックス、高効率空調設備、高効率照明機器などの導入を支援するもので、太陽光発電設備には100万円を上限に補助される。
同社は、2023年度「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定されている。この制度は、経済社会構造の変化に対応して、事業変革や新規事業に挑戦するとともに地域経済や日本経済の成長につながる「モデル」となる中小企業・小規模事業者を表彰するもの。中小企業庁が、隔年で実施している。
海外の乳業メーカー向けに発酵の技術指導および発酵原料を提供しており、植物乳酸菌のヒト臨床試験や腸内フローラ分析などにも注力。食と健康を支える「腸活専門メーカー」を目指す。
野村乳業の事例では市区町村の補助事業が活用されているが、再エネ発電設備や省エネ対策については、中小企業は特に手厚い支援が受けられる。「中小企業経営強化税制」もそのひとつで、太陽光発電設備については同税制の「B類型:収益力強化設備」で調達費用が対象になり、減税措置が受けられる。
即時償却(設備の購入年度に、その取得費用の全額を一括で経費として計上できる税制優遇措置)、または、取得価額の10%の税額控除(資本金3000万円超の法人は7%)のどちらかを選択適用できる。
ただし、発電した電気を自社で使う「自家消費型」であることや、設備を取得する前に「経営力向上計画」を作成し自社の事業を管轄する主務大臣の認定を受けることが要件。
現時点では、この優遇制度の適用期限は2026年度末(2027年3月31日)までとされている。
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2026年4月16日
エコ革(栃木県佐野市)は4月10日、東芝(神奈川県川崎市)および富士アイティ(同・日野市)とともに、系統用蓄電池運用事業を推進する体制を構築し、具体的な運用・収益化モデルを確立したと発表した。
3社は各社の技術や知見を活用し、系統用蓄電池の安定的な管理・運用体制を確立する。今回の連携により、電力市場への参入を目指す蓄電事業者に対し、案件の開発から販売、運用までを一体的に提供する体制を整え、各社の技術高度化と収益拡大を図る。
3社は今回、収益最大化に向け、複合的な運用モデルを構築した。
同モデルは、東芝が有する高度な市場予測アルゴリズムおよびVPP制御技術と、富士アイティのエネルギーマネージメントシステム(EMS)制御技術を統合することで、容量市場・需給調整市場・卸電力市場で「アービトラージ」するという収益モデルだ。
アービトラージとは本来、同一の価値を持つ資産の一時的な価格差を利用し、割安で買って割高で売ることで差益を得る取引手法のこと。主に株式や為替、仮想通貨などの金融市場で用いられる概念だが、卸電力市場などでも応用されている。
3社は、この考え方を適用することで、市場環境に応じた最適運用を行い、収益向上と変動リスクの抑制につなげたい考えだ。
この取り組みにおいて、東芝は蓄電池の稼働制御や電力市場での入札・応札などアグリゲーター機能を担う。富士アイティはEMSおよび蓄電池関連機器の供給・実装、監視を担当。エコ革は系統用蓄電池案件の開発・施工に加え、事業者の開拓や販売、保守管理(O&M)を行う。
今後は同連携に基づき、エコ革が開発・建設する系統用蓄電池について、2029年12月末までに120件の開発を進めるとともに、管理運営体制も整備するとしている。
エコ革は、太陽光発電所の建設を手がけるテクノロジーズ(東京都港区)の関連会社で、これまでも森ビル(東京都港区)が茨城県・群馬県・栃木県・埼玉県で展開中のメガソーラー型営農型太陽光発電所(全6サイト)や、2026年度までに合計30MWの太陽光発電所開発を掲げる東急(同・渋谷区)による開発プロジェクトに携わっている。
富士アイティは、富士電機(東京都品川区)のグループ企業。情報・制御・組込技術をコア技術とし、IoTソリューションや産業システム、現場のシステム・ソフトウェア開発を幅広く手がけている。蓄電池関連では、2021年、ジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE/東京都港区)が茨城県稲敷市で開発した蓄電池併設型太陽光発電所「JRE 稲敷蒲ヶ山太陽光発電所」 を活用した実証に参加。大型蓄電システムの設計・調達・建設(EPC)を担った。
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