2026年4月19日
大和製罐(東京都千代田区)、東京電力エナジーパートナー(同・中央区)、九電みらいエナジー(福岡県福岡市)は4月15日、オフサイトフィジカルコーポレートPPAを活用し、神奈川県相模原市の大和製罐東京工場向けに、地熱発電由来の再エネ電力の供給を同月1日に開始したと発表した。この取り組みにより、大和製罐東京工場ではCO2排出量が年間約6,100t削減できる見込みだ。
九電みらいエナジーは、同社が保有する総出力197,500kWの地熱発電所4カ所(大分県2カ所・鹿児島県2カ所)で発電した再エネ電力を、東京電力エナジーパートナーを通じて、大和製罐の東京工場へ供給する。
対象となる発電所は、八丁原発電所および滝上発電所(いずれも大分県九重町)、山川発電所(鹿児島県指宿市)、大霧発電所(鹿児島県霧島市)。サービス開始は4月1日で、契約期間は5年間。
なお、地熱発電を用いたオフサイトコーポレートPPAの導入は製缶業界としては先駆的であり、東京電力エナジーパートナーとしても初めての取り組みとなる。
九電みらいエナジーは2025年6月、東京建物(東京都中央区)、日鉄エンジニアリング(同・品川区)と連携し、不動産業界で初めて地熱発電を活用したオフサイトPPAを、東京建物が所有・管理する都内のオフィスビルに導入している。年間約900MWhの再エネ電力を供給し、CO2排出量削減効果は年間約360tに及ぶ。
地熱発電は天候や時間に左右されず、24時間365日安定した発電・供給が可能で、設備利用率は82%(「国際再生可能エネルギー機関」調べ)と水力・風力・バイオマスなどのそのほかの再エネと比べて高い水準にある。東京建物らは、この安定性に着目し、地熱発電の電力をベース電源とした。
今回の大和製罐も、製造現場におけるベース電力として、電力使用が集中する日中および電力使用が減る夜間に工場で消費する電力の大半を地熱発電由来の電力で賄うことで、製造現場で使用する電力における再エネ比率を底上げし、脱炭素化の推進と操業安定の両立を図るとしている。
大和製罐は、これまでも太陽光発電やバイオマス発電、水力発電といった再エネ由来の電力を導入。このうちバイオマス・水力活用では、オフサイトPPAの仕組みを採用している。
大和製罐東京工場では、屋根形状や耐震要件などの制約により、屋根上太陽光発電設備の大規模な拡張が難しい。このため、需要地の制約を受けにくいオフサイト型フィジカルPPAを採用した。
大和製罐は、中長期の脱炭素化と電力調達の安定化の両立に向け、再エネポートフォリオの多様化を推進してきた。今後も、需要地の制約を踏まえた電源選択とポートフォリオ分散を進め、カーボンニュートラル実現を加速する。
九電みらいエナジーは、太陽光・風力・バイオマス・地熱・水力の5電源を生かし、再エネの普及拡大を進める方針。東京電力エナジーパートナーは、オフサイトPPAなど多様なメニューを通じて顧客の再エネ活用を支援し、カーボンニュートラルへの取り組みを後押しする。
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2026年4月18日
スイスのエネルギー大手Axpo(アクスポ)の日本法人であるAxpo Japan(東京都港区)は4月15日、ネスレ日本(兵庫県神戸市)とグリーン電力供給に関する契約を締結したことを明かした。
1月1日より、ネスレ日本の島田工場(静岡県島田市)に対し、環境価値を付加した特別高圧電力の提供を開始。これにより、年間約5万tの温室効果ガス(GHG)排出削減を見込む。
ネスレ日本は、2050年までにGHG排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」目標を掲げており、その重要策のひとつとして、2023年に姫路工場(兵庫県)、島田工場(静岡県)、霞ヶ浦工場(茨城県)の国内全3拠点で購入電力の再生可能エネルギー100%化を完了させた。
今回のAxpoとの連携は、この2023年に達成された再エネ100%という高い環境水準を継続し、さらに安定的かつ高度なエネルギー管理を実現するための戦略と位置づけ。グローバルな知見を活用したエネルギー調達の最適化と脱炭素化をさらに強化する。
Axpoグループは、欧州を中心に30カ国以上で活動するスイス最大級の再生可能エネルギー事業者だ。同社は太陽光・風力発電事業、企業向けの電力購入契約(PPA)において世界的に高い実績がある。ネスレとAxpoは、これまで10か国以上において戦略的パートナーシップを展開してきた実績がある。
2025年に設立したAxpoジャパンは、日本市場において欧州基準の高度なエネルギー・ソリューションを提供している。今回のネスレ日本との契約においても、単なる電力供給にとどまらず、グローバルな市場知見を活かした価格リスクの管理、透明性の高いグリーン電力の供給スキームを構築することで、ネスレ日本の長期的な環境目標の達成を支援する。
なお、今回の取り組みは、Axpoが日本市場へ参入して以降、初めて締結した小売電気契約となる。
ネスレ日本のような大手製造業にとっては、国内工場における「再エネ100%」を維持し、さらにバリューチェーン全体の環境負荷を下げていくことは継続的な課題となる。特にエネルギー価格の変動が激しい昨今の市場環境では、Axpoのような専門性の高いパートナーとの提携は、環境価値の確保と事業性の両立につながるとみている。
ネスレ日本はコーヒーや「キットカット」などの消費者に近い製品を生産しており、その製造過程で、常にクリーンなエネルギーが使用される体制が持続されることは、消費者に対するブランド価値の向上にも直結する。同社は工場での電力対策を基盤としつつ、原材料調達や物流面を含むサプライチェーン全体での排出削減に注力。2050年のネットゼロ達成に向けた取組を進める。
Axpoジャパンは、今回のネスレ日本との提携をモデルケースとして、日本国内の企業の脱炭素化支援を加速させる。
同社は「日本のエネルギー転換を支援し、持続可能な未来への架け橋となる」ことを目指しており、今後も再生可能エネルギーの供給拡大に向けた投資やサービス展開を強化する。
Axpo西欧・東欧地域及び日本オリジネーション事業部責任者のドメニコ・フランチェスキーノ氏は「Axpo Japanはネスレ日本との協業により、日本におけるAxpo初のグリーン電力の取引を実現しました。本合意は、各国の要件に応じたエネルギーソリューションを提供するAxpoの取り組みを、日本において具体的な取引として形にしたものです。今後も同社とのパートナーシップを大切にしてまいります」とコメントしている。
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