2026年4月16日
エコ革(栃木県佐野市)は4月10日、東芝(神奈川県川崎市)および富士アイティ(同・日野市)とともに、系統用蓄電池運用事業を推進する体制を構築し、具体的な運用・収益化モデルを確立したと発表した。
3社は各社の技術や知見を活用し、系統用蓄電池の安定的な管理・運用体制を確立する。今回の連携により、電力市場への参入を目指す蓄電事業者に対し、案件の開発から販売、運用までを一体的に提供する体制を整え、各社の技術高度化と収益拡大を図る。
3社は今回、収益最大化に向け、複合的な運用モデルを構築した。
同モデルは、東芝が有する高度な市場予測アルゴリズムおよびVPP制御技術と、富士アイティのエネルギーマネージメントシステム(EMS)制御技術を統合することで、容量市場・需給調整市場・卸電力市場で「アービトラージ」するという収益モデルだ。
アービトラージとは本来、同一の価値を持つ資産の一時的な価格差を利用し、割安で買って割高で売ることで差益を得る取引手法のこと。主に株式や為替、仮想通貨などの金融市場で用いられる概念だが、卸電力市場などでも応用されている。
3社は、この考え方を適用することで、市場環境に応じた最適運用を行い、収益向上と変動リスクの抑制につなげたい考えだ。
この取り組みにおいて、東芝は蓄電池の稼働制御や電力市場での入札・応札などアグリゲーター機能を担う。富士アイティはEMSおよび蓄電池関連機器の供給・実装、監視を担当。エコ革は系統用蓄電池案件の開発・施工に加え、事業者の開拓や販売、保守管理(O&M)を行う。
今後は同連携に基づき、エコ革が開発・建設する系統用蓄電池について、2029年12月末までに120件の開発を進めるとともに、管理運営体制も整備するとしている。
エコ革は、太陽光発電所の建設を手がけるテクノロジーズ(東京都港区)の関連会社で、これまでも森ビル(東京都港区)が茨城県・群馬県・栃木県・埼玉県で展開中のメガソーラー型営農型太陽光発電所(全6サイト)や、2026年度までに合計30MWの太陽光発電所開発を掲げる東急(同・渋谷区)による開発プロジェクトに携わっている。
富士アイティは、富士電機(東京都品川区)のグループ企業。情報・制御・組込技術をコア技術とし、IoTソリューションや産業システム、現場のシステム・ソフトウェア開発を幅広く手がけている。蓄電池関連では、2021年、ジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE/東京都港区)が茨城県稲敷市で開発した蓄電池併設型太陽光発電所「JRE 稲敷蒲ヶ山太陽光発電所」 を活用した実証に参加。大型蓄電システムの設計・調達・建設(EPC)を担った。
記事内容へ
2026年4月15日
キグナス石油(東京都千代田区)と松尾産業(大阪府大阪市)は4月10日、共同で合弁会社「合同会社M&K Energy」を設立し、系統用蓄電池事業に新規参入すると発表した。
両社は、今後、同事業会社を通じ需給調整市場における実運用などを通じた知見の蓄積を行い、今後の事業展開に向けた収益モデルの確立を進めていく。
「館林蓄電所」5月に稼働、出力2MW・容量8MWh
M&K Energyは5月から、系統用蓄電所「館林蓄電所」(群馬県邑楽郡)の商用運転を開始する。同蓄電所は定格出力2MW、定格容量8MWh。中国・Gotion製リチウムイオン電池を採用した。
系統用蓄電池ビジネスが加速 遊休地の活用策として参入も
近年、再生可能エネルギーの主力電源化に向け、再エネ導入拡大に伴う系統混雑や出力制御の頻発を受け、需給バランスを調整する役割を担う蓄電池へのニーズが高まっている。また、日本国内では容量市場や需給調整市場の整備が進み、系統用蓄電池ビジネスの創出が加速している。
ガソリン、灯油、軽油、重油の販売などを行うキグナスは、系統用蓄電所の地理的に分散した拠点における事業展開の可能性や遊休地の有効活用に期待するほか、「エネルギーの安定供給により地域社会に貢献する」という経営理念に合致するため同事業の検討を進めてきた。
一方の松尾産業は、自動車部品や塗装用顔料などの原材料や研究開発装置などを取り扱う専門商社。同社の再生可能エネルギー分野における知見や、蓄電池システムの選定・構築・運用に関する技術力を生かし事業展開することを検討してきた。
両社は協業し蓄電池を基盤とする新たなエネルギー事業へ参入し、今回の案件を皮切りに、キグナスの事業基盤および顧客ネットワークと、松尾産業の知見や技術力を融合させ、将来的な展開を視野に今後連携を深めていく方針だ。
記事内容へ