2026年5月19日
豊田通商(愛知県名古屋市)は5月14日、RE100に加盟し、2040年までに使用電力を実質再エネ100%に転換する方針を明らかにした。実現に向けて、グループ会社工場への太陽光発電設備導入や、国内外で蓄電池やエネルギーマネジメントの活用、再エネ由来の電気プランおよび非化石証書などの活用などにより、再エネ導入施策を進める。
同社グループは、2021年7月にカーボンニュートラル宣言を公表し、2019年を基準年として、スコープ1・2排出量約80万t-CO2を対象に、2030年までに50%削減、2050年までにカーボンニュートラルを目指すとしていた。
その後、2025年8月にはSBT認定を取得し「ネットゼロ宣言」を公表、削減対象をスコープ1・2に加え、スコープ3排出量まで拡大した。2030年までにスコープ1・2排出量を50%削減、スコープ3排出量を27.5%削減することを掲げ、2050年にバリューチェーン全体でのGHG排出(スコープ1・2・3)を実質ゼロとする目標を策定している。なお、これにより、削減目標の対象となるGHG排出量は、約1.5億t-CO2へと拡大し、排出削減に加え、森林保全や植林、CCSなどによる吸収・除去も活用し、スコープ1・2・3全体でネットゼロ達成を目指す。
今回、RE100に加盟し、事業活動で使用する電力を、2040年までに実質再エネ100%の運用を目指す。RE100加盟にあたっては、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)の支援を受けた。
| イニシアチブ種別 | 目標年 | 対象範囲 | 削減目標 |
| RE100 | 2040年 | 電力使用量 | 100%実質再生可能エネルギー化 |
| SBTi短期目標(1.5℃水準) | 2030年 | スコープ1+2 | 2019年比で50%削減 |
| SBTi短期目標(1.5℃水準) | 2030年 | スコープ3 | 2019年比で27.5%削減 |
| SBTiネットゼロ目標 | 2050年 | スコープ1+2+3 | 実質ネットゼロ達成 |
豊田通商グループのGHG排出削減目標 (出所:豊田通商)
RE100に参加する日本企業は、今回の豊田通商を含めて96社(5月現在)。RE100の参加要件を満たさない企業や自治体などを対象とする「再エネ100宣言 RE Action」 には、自治体を含め380団体が参加している。
2027年3月期から、プライム市場上場企業のうち時価総額3兆円以上の企業を対象に、SSBJ基準に基づくサステナビリティ情報開示の適用が始まる見通しだ。同基準ではスコープ3(サプライチェーン排出量)の開示も求められるため、取引先を含むサプライチェーン全体で排出量把握の要請が強まる。
中小企業が自社事業で使用する電力を再エネに切り替えていく方法は、初期投資の有無、施設が自社所有または賃貸か、敷地の広さなど、各社の条件により複数の選択肢がある。一般的には自家消費型太陽光発電・蓄電池の導入やPPAモデル活用、再エネ由来の電力プラン(環境価値付き)への切り替えなどがある。
工場や事業所の屋根面積・敷地に余裕があり、日中の電力使用量が多い製造業などでは、自家消費型太陽光発電の導入により、電力購入量や電気料金の削減効果を見込みやすい。蓄電池を組み合わせれば、発電電力の自家消費率向上や停電時のBCP対策にもつなげられる。
また、国の補助金や各自治体の補助金を組み合わせることで投資リスクを下げることができる。たとえば、広島県の中小企業である野村乳業(広島県府中町)は、自治体の補助金を活用し、自社の製造拠点への太陽光発電設備導入により、エネルギーの自給率最大45%を実現する体制を整えた。
設備投資など初期費用やメンテナンス費を抑えつつ、すぐに再エネを導入したい企業は、PPAの仕組みを活用する方法がある。中堅の小松印刷グループ(香川県高松市)が、本社紙器工場の屋根上を活用したオンサイトPPAにより、製造工程の電力を再エネに転換した取り組みを紹介している。
テナント入居や賃貸オフィス・賃貸工場で事業を行う企業でも、環境価値付き電力プランへ切り替えることで再エネを調達できる。また自社工場を持つ企業でも、自社が立地する地域に貢献すべく、電力の「地産地消」を行いながら環境価値証書を活用し、再エネ化を図る事例もある。たとえば、自動車部品用メーカーの大手・タカギセイコー(富山県高岡市)が4月に、氷見市にある氷見工場の使用電力を、本社所在地である高岡市由来の実質100%再エネに転換した。同社は、北陸電力の再エネ料金プラン「かがやきGREENRE100」に切り替え、地元のバイオマス発電所由来の再エネを活用した。
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2026年5月18日
東急不動産(東京都渋谷区)、リエネ(同)、三菱電機(同・千代田区)の3社は5月13日、再エネを軸としたエネルギーバリューチェーン高度化推進に向け、協業を開始すると発表した。
不動産と再エネ・蓄電池を一体的に開発・運用できる東急不動産、再エネPPAを強みとする小売電気事業者のリエネ、デジタル基盤「Serendie(セレンディ)」などに基づくエネルギーソリューションを展開する三菱電機の3社が連携。エネルギーバリューチェーンの高度化を通じて、再エネ導入拡大やエネルギー自給率向上、不動産分野におけるGX・DXを推進し、環境先進型の暮らしと産業まちづくりの実現を目指す。
今回の3社連携では、(1)再エネの地産地消を実現する直接供給モデルの構築、(2)需要施設の脱炭素化を実現する24/7カーボンフリーエナジー(CFE)モデルの構築、(3)蓄電池および再エネ電源を活用したエネルギーマネジメント事業の展開、という主に3分野における取り組みを検討している。
世界的なカーボンニュートラルの潮流を背景に、日本でも脱炭素社会の実現に向けて再エネの導入が進む。特に太陽光発電の設備容量は、2012年の固定価格買取制度(FIT制度)開始以降、約10倍に拡大するなど、電力供給構造は大きく変化した。
一方で、再エネ比率の上昇に伴う出力変動の拡大や電力系統の混雑に加え、国際情勢を背景としたエネルギー価格の高騰、自然災害時の停電リスクなどへの対応は喫緊の課題である。
こうした中、発電・系統側では、再エネの発電量予測精度向上や蓄電池を活用した需給調整による系統負荷低減のニーズが高まっている。また、ビルや住宅、工場などに分散する再エネや蓄電池、EV、空調、熱源などの分散型エネルギーリソース(DER)をデジタル技術で統合制御し、需給調整力の創出や電気料金削減、自然災害時のレジリエンス向上につなげる「需要側」の脱炭素・エネマネの重要性も増している。
具体的には、不動産のGX推進や地域内での電力循環の実現に向け、再エネ電源と需要施設を自営線で直接接続する供給スキームや、地域マイクログリッドの構築を検討する。あわせて、蓄電池や需要側の負荷特性を踏まえた需給管理技術を組み合わせることで、再エネの効率的かつ最大限の活用を図る。電力系統への依存度低減と電力の地産地消を通じ、地域における新たな価値創出も目指す。
また、再エネ電源の電力と環境価値を集約し、蓄電池や需給調整を組み合わせた高度運用により、需要施設向けの24/7CFEモデルの構築を推進する。加えて、環境価値とエネルギー価値のリアルタイム制御や、自己託送などを活用した複数拠点間での柔軟なエネルギー融通を通じ、需要施設の脱炭素化ソリューション開発に取り組む。
さらに、系統用蓄電池や太陽光・風力など再エネ由来の発電所のエネルギーリソースを束ね、市場運用を通じて価値最大化を図る統合制御や最適運用の仕組みづくりを進める。その一環として、本事業を担う合弁事業会社の設立も検討している。
3社は今後、3分野で各社のノウハウや技術、人材などの経営資源を活かし、連携を深化させる。将来的には、需要設備における電力・熱の統合制御や、スマートシティ実現に向けた次世代技術の活用も視野に入れる。
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