2026年5月21日
ウエストホールディングス(広島県広島市)は5月12日、同社初となる特別高圧系統用蓄電所「ウエスト ニュージーランド村系統用蓄電所」(同・安芸高田市)の設置工事が完了し、受電を開始したことを公表した。
日本卸電力取引所での取引から運用を開始する予定で、将来的には発電した電力を夜間利用や地域のBCP拠点としての活用などに活用することも視野に入れる。
受電は4月1日から開始。蓄電所の出力は10.8MW、蓄電容量は34.569MWhで、蓄電池はTMEIC(東京都中央区)社製を採用。アグリゲーターは東芝(神奈川県川崎市)。ウエストHDによると、中国電力管内で受電を開始した蓄電所では最大級となる。
同蓄電所は、保有するメガソーラー「ウエストニュージーランド村ソーラーパーク」内に設置した。このメガソーラーは、2008年8月31日に閉園した「広島ニュージーランド村」の跡地に建設された。太陽電池モジュール38,472枚、出力9,618kWの太陽光発電所として2016年3月に運転を開始。太陽光発電所は固定価格買取制度(FIT制度)に基づき売電を行う。
系統用蓄電池は、電力系統の安定化や再エネの変動緩和・有効活用など、多様な導入効果が期待されており、今後の市場形成が見込まれている。ウエストグループは、2030年度までに、6カ所・770MWhの特別高圧蓄電所を開発する予定で、系統用蓄電池事業の加速に向けて、他社との連携を強化している。
2025年4月には、TMEICと系統用蓄電池事業の開発に向けて業務提携した。ウエストグループは、TMEICが提供する蓄電システムとエネルギーマネジメントシステムを標準採用し、中規模案件(2MW/8MWh)の開発を全国各地20カ所(計160MWh)で展開するとともに、特別高圧等の大規模案件2カ所(計130MWh)について共同で開発を進めていくこととしている。
2025年11月には、東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS/神奈川県川崎市)と、再エネと蓄電池の分野における協業推進を目的に業務提携した。この中で、蓄電池関連事業における協業では、ウエストグループが開発・建設する系統用蓄電所、あるいはFIT太陽光発電所をFIP転換し、発電所に併設した蓄電池を対象に、東芝ESSがアグリゲーターとして運用し、需要家には電⼒と環境価値を提供することとしている。なお、東芝ESSは、4月1日付けで東芝に経営統合された。
さらに、ウエストグループは4月、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と連携し、約70億円規模の系統用蓄電所ファンドの運用を開始した。このファンドは、ウエストグループが開発・建設と保守メンテナンスを担う複数の高圧連系型系統用蓄電所への投資を目的とする。蓄電システムにはTMEIC製を採用し、運用面では東芝がアグリゲーターを務める。
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2026年5月20日
Bluefield Energy(東京都港区)は5月15日、低圧太陽光発電所を対象としたFIP転換向けアグリゲーション支援サービスの提供を開始したと発表した。1件の低圧発電所から利用可能で、導入第1号として、九州エリアで低圧発電所1カ所を運用する個人オーナーが採用した。
取り組みの背景には、低圧電源の売電環境の変化がある。
FIT制度による固定価格での売電から、市場価格に連動したFIP制度への移行が進む一方、低圧案件では発電量予測や需給管理、インバランス対応などの運用負担が課題となっていた。特に、小規模事業者や個人オーナーにとっては、単独でアグリゲーションや市場対応を行うハードルが高く、FIP転換を見送るケースも少なくないと同社は解説する。
同サービスでは、低圧発電所1件からFIP転換に必要なアグリゲーション業務を支援。需給管理や市場対応などを包括的にサポートし、小規模発電事業者でもFIP制度を活用しやすい環境を整える。
第1弾の導入先である九州エリアでは、2026年度の出力制御率が6.9%と全国で最も高くなる見通しだ。同年度には、約12.2億kWh分の発電量に出力抑制が求められる見込みで、発電所オーナーの売電収益や事業計画への影響拡大が懸念されている。
今回導入した個人オーナーも、こうした状況を受け、単独での市場対応負担や運営面への不安から、具体的な対応に踏み出しにくい状況にあったという。
同社サービスについては、必要書類を預けるだけで、申請から各種調整まで一括して任せられる点や、初期費用などの負担がない点を評価したとしている。
Bluefield Energyは2024年11月設立。太陽光発電や蓄電池、併設案件を対象とした電力アグリゲーション事業を展開するほか、請求管理システム「BF Cloud」の開発・提供、再エネ発電所および蓄電所の開発・運用代行などを手がけている。
今後は低圧太陽光を中心とした小規模発電事業者向けにサービス提供を拡大する方針で、FIP転換支援に加え、需給運用や収益最大化支援なども含め、分散型電源の市場活用を後押ししていく考えだ。
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