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2026年5月17日

ペロブスカイト太陽電池、BIPV・車載等に商機 40年に12.5GW予測

矢野経済研究所(東京都中野区)は5月8日、タンデム型ペロブスカイト太陽電池(PSC)に関する国内市場調査を実施し、2040年度までの導入見通しや有望用途などをまとめた。

日本国内のペロブスカイト太陽電池(単接合型・タンデム型合計)の累積導入量は、2040年度に12.5GWに達すると予測。導入拡大は既設太陽光設備の更新需要が牽引するとみられ、累積導入量の過半をリプレース需要が占める見通しを示した。

 

FIT更新需要を追い風にPSC市場拡大へ

レポートでは、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、2040年度の国内発電電力量に占める太陽光比率が23〜29%とされたことに加え、PSCの導入目標も約20GWと位置付けられた点を市場拡大の背景として挙げた。

その達成には設置面積の拡大だけでなく、タンデム化による発電効率向上が不可欠と分析。既存の結晶シリコン(Si)太陽電池メーカーでも、自社セルを活用したペロブスカイト/Si型の開発が進んでいるという。

また、日本では固定価格買取制度(FIT)導入後に大量設置された太陽光パネルの更新需要が2032年頃から本格化すると予測している。2040年度の累積導入量12.5GWのうち、リプレース需要は約7.4GW、新規導入は約5.1GWを占める見込みで、既設設備の更新市場がタンデム型PSC普及拡大を支えるとみている。

新規導入と更新市場で技術棲み分け

用途別では、新規導入市場と更新(リプレース)市場で採用される技術が分かれる可能性も示した。重量制限のある建物や壁面、曲面などへの新規設置では、軽量・柔軟性を持つ「ペロブスカイト/ペロブスカイト」や「ペロブスカイト/CIGS」が有望視される。一方、既存の結晶Siモジュールを置き換える更新市場では、既存架台や施工方式を活用しやすいペロブスカイト/Si型が中心になるとした。

 

規制・認証対応が国内メーカーの強みに、住宅・BIPVなどに商機

将来展望では、中国や欧米メーカーとの価格競争リスクにも言及した。海外でも開発・量産投資が進んでおり、将来的には低価格製品が日本市場へ流入する可能性があるという。そのため、日本メーカーには安全基準や耐火基準、環境規制など、日本独自の要件が強い分野で先行採用を進める戦略が重要になると解説している。

具体的な有望分野としては、住宅向けやBIPV(建物一体型太陽光発電)、車載、農地、水上発電などを挙げた。これらの領域は日本独自の規制や認証対応が求められるため、海外メーカーにとって参入障壁になりやすいとみている。

 

「20年耐久追求」は市場機会損失につながるリスクも

一方、日本メーカーの開発姿勢については、「完成された品質」を求める傾向が強いと指摘した。ペロブスカイト/Si型では、ボトムセルである結晶Siが約20年の耐久性を持つのに対し、トップセルのペロブスカイトは現状でその半分程度とされる。各社は20年耐久を目標に開発を進めているものの、その間に一定品質を備えた安価な海外製品が市場を獲得するリスクがあると警鐘を鳴らした。

同レポートはこうした状況を踏まえ、既に実現しつつある「10年程度の耐久性」で成立する市場を先行開拓し、早期に製品投入を進めるべきだと提言。日本のモノづくりに求められる発想転換だとしている。

 

軽量PSC新用途拡大へ、飛行体・壁面用途などの新市場に期待

さらに、結晶Siを用いないペロブスカイト/ペロブスカイト型やペロブスカイト/CIGS型については、軽量性や柔軟性、透明性を生かした新市場への展開にも期待を寄せる。建物の壁面や窓部への設置に加え、HAPS(高高度プラットフォーム)、ドローン、空飛ぶクルマなど飛行体向け電源への応用可能性もあると分析している。

ただし、こうした市場拡大には耐久性向上が不可欠で、特に水分侵入を防ぐバリア技術が課題になるとした。ペロブスカイト層の劣化を抑えるには高性能バリアフィルムが必要だが、必要性能を満たす超ハイバリアフィルムは現時点で市場投入されていないという。このため、PSCメーカーだけでなく、大学・研究機関、フィルムメーカーを含めた連携開発が重要になるとしている。

 

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2026年5月16日

青森県、太陽光発電設備+蓄電池で最大1030万円補助 脱炭素経営を支援

青森県は5月11日、「青森県事業用自家消費型太陽光発電設備等導入支援事業費補助金」の 公募を開始した。

県内の事業者が、県内で自家消費するための太陽光発電設備と、それに付帯する蓄電池を導入する際の工事費・設備費などを対象に、最大1030万円を補助する。

申請受付は12月11日17時まで。交付決定は毎月審査し、第1回目審査への申請締切は6月12日まで。

 

再エネ電気を県内で地産地消する事業であることが必須、中古・リースは対象外

同補助金は、県内事業者がGXや脱炭素施策により競争力を高めることを目的とし、事業用自家消費型太陽光発電設備および蓄電池の導入を支援するもの。国、県、市町村などの他の補助金を受けて行う場合、内容が重複する事業は対象外となる。

補助対象事業は、青森県内に本社や事業拠点のある中小企業者(個人事業主、事業協同組合などを含む)および大企業が、県内において自家消費型の太陽光発電設備やこれに付帯する蓄電池を設置する事業。

県内で発電した電気を、県内の拠点で使用することが必須とされるが、設置場所は以下のいずれかであることが求められる。

・自社の敷地内(屋根や遊休地)に太陽光発電設備を設置し、発電した電力量の50%以上を当該事業者が県内の拠点で自家消費するもの。この場合、県内であれば、発電設備を設置した拠点とは別の事業所や工場でこの電気を使用することはできるが、県外の自社工場や事業所で使用することは認められない。

・自社の敷地外であっても県内の土地に、太陽光発電設備および蓄電池を設置することもできる。この場合は、発電した電力を、自営線により自社の県内の拠点に供給して消費することが必要。

 

その他の要件は以下の通り。

・商用化され、導入実績がある設備であること

・中古設備、リース設備、第三者が所有する設備は対象外とすること

・交付申請時点で、対象設備の購入や設置工事に係る契約書などが発行され、事業に着手していないこと

・法定耐用年数を経過するまで、補助事業により取得した温室効果ガス排出削減効果について、J-クレジット制度への登録を行わないこと

・FITまたはFIPの認定を取得しないこと

・電気事業法に定める接続供給を行わないこと

・太陽光発電設備には、発電電力量などを計測する機器を設置すること

・県の「中小企業等グリーントランスフォーメーション推進事業」によるGX推進アドバイザーの経営戦略策定支援、または国の補助事業による省エネ最適化診断、省エネお助け隊の診断、省エネ診断拡充事業などのいずれかを受けた上で実施する取り組みであること

 

太陽光発電設備設置に最大500万円+蓄電池に最大530万円

補助対象経費は、工事費、設備費、その他の経費。補助単価と補助率は、企業規模や導入設備により以下のように異なる。

1.太陽光発電設備(自家消費型に限る)
・中小企業:出力1kWあたり5万円として計算。上限額は500万円。
・中小企業以外:出力1kWあたり2.5万円として計算。上限額は500万円。
なお出力は、太陽光パネルとパワーコンディショナーの出力の、いずれか小さいほうの値で算出する。

2.上記1.に付帯する蓄電池設備
補助対象経費の1/3以内。補助上限額は530万円または、以下の計算で小さい方の額。
・20kWh以下の場合:容量×14.1万円
・20kWhを超える場合:容量×16万円

補助対象期間は、交付決定日から2027年2月22日まで。 同期間内に、補助対象設備を設置する工事の発注・契約を行い、同設備の引き渡しを受け、代金を全額支払い、実績報告を行うことも要件とされる。

また、 交付決定日より前に発注・契約することや、この期間内で実績報告がなされなかった場合は補助対象外となるため注意が必要。同県は、「不測の事態による工期延長なども十分に考慮し申請すること」と注意を促している。

交付決定の審査は、月1回、6月~12月までの合計7回実施。各回の申請締め切りは以下の通り。

実施時期 申請受付締切日
第1回審査 6月下旬 6月12日(金)
第2回審査 7月下旬 7月10日(金)
第3回審査 8月下旬 8月14日(金)
第4回審査 9月下旬 9月11日(金)
第5回審査 10月下旬 10月9日(金)
第6回審査 11月下旬 11月13日(金)
第7回審査 12月下旬 12月11日(金)

 

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