2026年3月27日
一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII/東京都中央区)は3月24日、2025年度(補正)として実施する需要家側エネルギーリソースの活用のための環境整備に向けた実証事業(DR補助金)など3事業の募集を開始した。募集締め切りは未定。
対象は以下の3事業。
・業務産業用蓄電システム導入支援事業(対象:PCS合計出力100kW未満の小規模業務産業用蓄電池)
・デマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業
・家庭用蓄電システム導入支援事業
同事業は、DRに活用可能なリソースとしての小規模業務産業用蓄電システム新規導入を対象としたもの。
小規模業務産業用蓄電システムは、以下の要件をすべて満たす蓄電システムであることが求められる。
・事業の実施のために新規で導入される蓄電システム。セル、モジュールなどの一部を更新するものは対象外
・火災予防条例で定める安全基準の対象(20kWhを超える)となる設備
・蓄電池PCSの合計出力が100kW未満の設備
・各種法令などに準拠した設備
・DRに対応可能な設備。なおIoT化関連機器を新たに設置する場合、外部と通信を行うための機器においては「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」における★1(レベル1)取得が必須
・高圧以上の需要側(工場・ビルなど)に設置される設備
・リユース蓄電池を用いる場合は、電動車などの駆動用に使用されたモジュールであること
・蓄電システム購入価格と工事費の合計が目標価格以下であること。2025年度目標価格(設備費+工事費・据付費、税抜)11.9万円/kWh(蓄電容量)
・採用予定の蓄電システムのBMSのメーカーは(過去5年間の実績を含め)国際的に受け入れられた基準等に反していないこと、開発供給の適切性が確保されていることを確認できること
・セキュリティ対策として証憑・説明資料を提出できる設備であること
また蓄電池種別ごとに要求事項も別途ある。
実際の補助額は以下のうち最も低い金額が交付される。
・補助金基準額「蓄電容量(kWh)当たり3.75万円」+「評価による補助増額」で算出される金額
・設計費・設備費・工事費の合計金額に補助率(33%)を乗じた金額
・1申請当たりの補助上限金額1500万円
上記のうち「評価による補助増額」については、以下2点を満たせば、それぞれ蓄電容量(kWh)当たりの金額が0.1万円増額される。
・故障や自然災害など有事の際のレジリエンス確保の観点から以下の2点をともに満たしていること
蓄電システムの早期復旧や原因解明が可能な体制が整えられている
蓄電システムに異常が見つかった場合に備えて、代替する電池システムの主要部品(電池セルなど)を迅速に供給できる拠点が整えられている
・採用予定の蓄電システムの製造、加工、販売等の事業を行う者が、廃棄物処理法上の広域認定において蓄電池関連製品での認定を取得していること
DR拡大に向けたIoT化事業は、電力需給の逼迫や再エネの出力制御といった課題に対応するため、需要家の機器をIoT技術で制御し、電力消費パターンを柔軟に変化させる「デマンドレスポンス(DR)」の実証が主な目的。
対象設備は、高圧以上の需要家側に設置されている蓄電池・空調設備・自家発電設備・生産設備など既存リソースをDR対応可能とするための通信設備やセンサー、EMSといったIoT化関連機器。DRアグリゲーターなどと通信を行うための機器は、「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR制度)」における★1(レベル1)を取得していることが確認できる設備であることが求められる。
補助率は50%、上限額は2000万円。
一般家庭向けの家庭用蓄電システムの普及拡大とDR活用を目的として実施されたもので、一般家庭が住宅用太陽光発電システムと組み合わせて家庭用蓄電システムを導入し、アグリゲーターと連携してDR信号に応答できるものが対象。
令和6年度補正予算の同事業では、家庭用蓄電システムの機器費・工事費などが補助の対象で、個人が単独で申請するのではなく、アグリゲーターや販売事業者などを通じた申請スキームが採用されている。補助額は初期実効容量kWh当たり3.7万円の定額か、設備費と工事費の合計金額の33%を補助する仕組みだった。
なお同事業は2025年7月2日時点で延べ12,586件(約60億円)に対し補助金を交付したことで予算上限に達し、早期終了している。
現在、各事業の公募説明会(東京会場)のエントリーを受け付けている。日程はいずれも3月31日(エントリー締め切りは30日16時)、時間帯を分けてTKPガーデンシティPREMIUM京橋ANNEXホールで行う。
なお今後は名古屋・大阪・福岡での開催も予定している。
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2026年3月26日
パワーエックス(岡山県玉野市)は3月23日、系統用蓄電システムへの中長期的な需要拡大に対応するため、北海道苫小牧市に新工場を開設するとともに、本社工場に大型蓄電システムの製造ラインを増設すると発表した。
これに提携工場を加えた3拠点体制で、2030年に年間7.5GWhの製造体制を構築する。新工場の開設で複数拠点化によるレジリエンス強化と、北海道・東北エリアへの完成品の輸送コストの最適化を図る。
パワーエックスは現在、系統蓄電所や太陽光発電所への併設などの用途で活用される大型蓄電システムなどすべての製品を岡山県玉野市で製造している。日本における再生可能エネルギーの主力電源化が進む中、電力系統の需給安定化に貢献する蓄電システムへの需要は拡大が見込まれている。
こうした市場環境を踏まえ、同社は本社工場、北海道新工場、玉野市内の提携工場を合わせた3拠点体制で、蓄電システムの国内生産を強化する。これにより、3拠点合計の生産能力は2026年の1.2GWhから2030年には7.5GWhへ拡大し、6倍超の増強を見込む。
この体制において、本社工場はマザー工場として製造技術・品質管理の中核を担う。本社工場「Power Base」では、これまで中型蓄電システムと蓄電池型超急速EV充電システムの製造を行ってきたが、新たに大型蓄電システム「Mega Power 2500」(10 ftコンテナ型)の製造ラインを増設する。生産能力は年間800台(約2GWh)。2027年1月の製造開始を予定しており、総事業費は20億円を見込んでいる。
この製造ラインは、既存設備を活用して増設する。同社は、検討中の第二製造棟については2030年以降の稼働を想定している。
北海道苫小牧市の新工場「Power Base Hokkaido」では、2027年6月より大型蓄電システム「Mega Power 2500」(10ftコンテナ型)を製造する。生産能力は年間800台(約2GWh)。総事業費は30億円を見込んでいる。
新工場の敷地面積は25,073m2、延床面積は約8,200m2で、既存建屋5,705m2を改修する。所在地である苫小牧市は、苫小牧港や新千歳空港に隣接し、物流・人員移動の両面で優れた立地条件を備える。また、既存の工場建屋に改修を施すことで短期間での立ち上げが可能となった。建物と土地の取得に関する契約は3月23日付で締結している。
製造ラインは、稼働開始時は1ラインで立ち上げるが、最大2ラインまでの拡張が可能なレイアウトとしている。さらに、同社が開発を進めるコンテナデータセンターについても、混合生産の実施を検討する。
北海道は国内有数の再生可能エネルギーのポテンシャルを有する一方、本格的な導入には蓄電システムをはじめとする調整力の確保が必要となる。
パワーエックスは新工場での蓄電システムの製造・供給を通じて、北海道における再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に向けて、地元企業やパートナーとともに取り組んでいく。
パワーエックスは、⼤型蓄電池や量産型コンテナデータセンターの開発・販売を手がけている。蓄電池の普及と、電力の安定供給を支える技術を通じて、持続可能な未来の実現を目指している。
同社の蓄電システムは、ユーラスエナジーホールディングス(東京都千代田区)や大和ハウス工業(大阪府大阪市)の蓄電池所などで採用されている。また、ニシム電子工業(福岡県福岡市)、丸紅新電力(東京都千代田区)と太陽光併設型蓄電池・系統用蓄電池パッケージ商品の提供を開始している。
蓄電池を活用したコンテナデータセンターの量産に向けては、インターネットイニシアティブ(同)と協業している。
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