2025年11月21日
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN(東京都文京区)は11月19日、太陽光パネル向けの新型透過加飾フィルム「ダブルビューフィルム」を開発したと発表した。発電性能を維持したまま、デザイン性を高めた「景観に優しい」フィルムで、近隣住民とトラブルになりやすいパネル反射に伴う眩しさも軽減されるという。今後、建物の壁面向けなど新フィルムを用いた太陽光パネルの用途拡大を狙う。
ダブルビューフィルムは、光を透過する機能がある太陽光パネル向けのフィルムで、発電効率や耐久性はフィルムを貼らない状態とほぼ同じ。表面へのデザイン印刷が可能なため、無機質で景観を損なうとの批判も少なくない太陽光パネルに様々なデザインを施すことができる。高い意匠性が必要な住宅など建築物の壁面に太陽光パネルを設置する用途も想定する。
また、ダブルビューフィルムを貼ることで、太陽光発電パネルの反射を低減できるといい、近隣住民とのトラブル回避にも役立つという。
2050年のカーボンニュートラル達成に向け、国は太陽光や風力など再生可能エネルギーのさらなる拡大を目指している。再エネの柱である風力発電事業で期待通りに計画が進まない中、太陽光にかかる期待はさらに高まっている。ただ、太陽光には無機質なパネル表面が並ぶことで景観や外観を損なうという課題がある。
TOPPANは同製品がパネル表面の反射も含めたこれらの課題を解決できるという点をアピールし、製品の販売拡大を目指す。同社は「ダブルビューフィルムをオフィスやマンションエントランス、ホテルといった建築内装用途だけではなく、モビリティや家具・家電、産業資材等の幅広い業界に向けて展開したい。太陽光向けは2026年度中の量産化を目指したい」とコメントしている。
無機質な太陽光パネルが与える景観・外観への影響に、配慮しようとする取り組みが始まっている。
屋根一体型太陽光パネルの設置事業などを手掛けるモノクローム(東京都中央区)は6月、祇園祭(会期:2025年7月1日〜31日)において、重要文化財である長刀鉾(なぎなたほこ)の提灯屋台に屋根一体型太陽光パネル「Roof-1」を設置し、提灯屋台の献灯に明かりを灯す取り組みを発表。
アイシン(愛知県刈谷市)は9月、「ネッツトヨタ郡山 安積店」の壁面に、青色に加飾した装飾性の高いパネルを設置し、色調変化や反射光、発電効率などを評価し、デザインや都市景観と調和する同太陽電池の商品モデル確立を実証すると発表した。
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2025年11月20日
不動産事業を展開するエスポア(東京都渋谷区)は11月13日、中国Sigenergy Technologyの日本法人Sigenergy Japan(シグエナジー/同・中央区)と、日本国内における系統用蓄電池事業を中心とした包括基本合意書を締結した。両社は、2026年12月末までに蓄電池発電所約10カ所分に相当する80MWh規模の蓄電池製品の販売・設置を目標に、協業体制を敷く方針。
エスポアは、不動産事業に加え、近年は系統用蓄電池開発など再エネ事業に注力している。シグエナジーは2024年9月の設立以来、AI技術やデジタル制御を組み合わせたエネルギー貯蔵ソリューションを開発や蓄電システム、太陽光インバータ、EV充電器などを主軸とした事業を展開。スタッカブル分散型光+蓄電一体機ソリューションや世界初の実用化型一体化V2Xソリューションなどは国内外で高く評価されている。
80MWh規模の共同販売目標達成に向けては、エスポアの案件開発力・販売チャネルとシグエナジー社の製品供給・技術面の強みを活かし、市場浸透を加速させるとともに、複数の系統用案件の共同展開を行い、プロジェクトごとにスケールメリットを得ながら効率的な導入を進めていく。
また今後は、シグエナジー社製蓄電システムの取り扱いが可能となることから、ラインアップの大幅拡充とともに蓄電池事業の競争力が強化されると、エスポアは協業のメリットを強調する。さらに、シグエナジー社との連携による投資家ネットワーク拡大や販売支援を通じて、蓄電所開発プロジェクトの早期収益化や案件規模の大型化などが図られ、蓄電池事業ポートフォリオが拡充するとしている。
両社は、現在エスポアが開発中の案件を含む10件のプロジェクトについても協業を進める予定で、今後も、全国で複数の蓄電池発電所プロジェクトを展開し、クリーンエネルギーの安定供給と電力インフラの分散化に貢献していく。
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