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2026年3月29日

ペロブスカイト太陽電池×水田ソーラーシェアリングの実証開始 積水化学など

積水ソーラーフィルム(大阪府大阪市)、千葉大学、TERRA(千葉県匝瑳市)、千葉銀行(同・千葉市)、ひまわりグリーンエナジー(同)の5者は3月24日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を用いた水田での営農型太陽光発電設備を千葉大学「柏の葉キャンパス」に設置する取り組みを開始した。

 

ポテンシャルの大きい水田でペロブスカイト太陽電池を活用 レンズ型モジュール、GHG発生量など検証

2050年のカーボンニュートラル実現に向けて再エネ導入拡大が求められる中、設置場所が限られる従来型太陽光発電の課題に対し、農地を活用する営農型太陽光発電が有力な選択肢として注目されている。

こうした中、積水ソーラーフィルムの親会社である積水化学(東京都港区)とTERRAは2024年8月に、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を用いたレンズ型モジュールを千葉県匝瑳市に設置し、検証を進めてきた。

今回の連携では、農地の中でも高いポテンシャルを秘める水田への導入を視野に、実圃場での発電性能や農作物(稲)の成長環境など、フィルム型ペロブスカイト太陽電池ならではの有用なデータの取得や検証を行う。

主な検証内容は以下の通り。

・水田におけるレンズ型モジュール(ペロブスカイト太陽電池)の性能評価の検証

・農作業、農作物(稲)の収穫量・品質への影響の検証

・温室効果ガス(メタン)発生量への影響の検証

同連携においては、積水ソーラーフィルムがフィルム型ペロブスカイト太陽電池の提供・設置仕様の検討、TERRAが発電設備の建設・運用・保守を担当する。

千葉大学は圃場の提供と農作業・農作物への影響評価を行い、千葉銀行は設備導入に係るファイナンス支援と農業経営モデルの事業性を評価する。ひまわりグリーンエナジーは、同モデルの事業性評価に加え、千葉県内の自治体や事業者への普及促進を担う。

検証において、設置したフィルム型ペロブスカイト太陽電池の発電電力は、千葉大学とTERRAによるオンサイト型太陽光発電設備を活用した電力供給契約に基づき、千葉大学が買い取る予定だ。なお、連携に際して、千葉大学コネクト(千葉県千葉市)が各者の仲介を担った。

 

ソーラーシェアリングの拡大を目指した取り組みが進む

5者は同連携を通じて、農地へのフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実装に向けた課題解決を図り、再エネの地産地消への貢献を目指す。

積水化学工業と積水ソーラーフィルムは、同電池の適用拡大を通じて脱炭素社会の実現に貢献する方針。

TERRAは、検証を通じた営農型ペロブスカイト太陽電池の実用化により、自然環境に配慮した営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の全国展開を加速し、地域課題の解決や農業の持続可能性向上につなげる考えだ。

千葉大学は、農業における高温対策やソーラーシェアリングの有用性に関する科学的知見の蓄積を進めるとともに、2040年に向けたRE100達成に向けた取り組みの一環として同検証を位置付ける。

千葉銀行とひまわりグリーンエナジーは、地域一体でのGX実現を見据え、検証を通じて千葉県におけるカーボンニュートラル達成に貢献していく。

他社事例では、2026年2月に出光興産(東京都千代田区)とクリーンエナジージャパン(神奈川県横浜市)が可動式架台・両面受講型太陽光発電で約2MWの水田でのソーラーシェアリングに取り組んでいる事例もある。

 

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2026年3月28日

太陽光発電パネル「架台」に第三者確認義務化か 電気事業法改正案を閣議決定

政府は3月24日、大規模送電線・大規模電源の整備の促進による供給力の確保や、電力の卸取引の活性化、太陽電池発電設備の安全性の向上などに関する措置を講じた「電気事業法の一部を改正する法律案」を閣議決定した。現在開会中である第221回国会に提出する予定。

 

送配電事業者向け、小売電気事業者向け、太陽光発電事業者向けの3本柱

ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化により国際的なエネルギー情勢が変化している。一方、国内ではDXやGXの進展による電力需要の増加が見込まれており、電力の安定供給を確保しエネルギー安全保障を推進することが求められている。

今回の法案は3つの柱で構成される。

1つ目の大規模送電線・大規模電源の整備促進では、経済産業大臣が一般送配電事業者などの地域内送電線などの整備計画や、大規模発電事業者の大規模電源の整備計画を認定し、電力広域的運営推進機関(電力広域機関)が財政投融資などを活用し、整備などに必要な資金の貸付けを行うことを設ける。また、大規模発電事業者が大規模電源を休廃止する際に、一般送配電事業者などと事前に協議を行うことを定める。

2つ目の電気事業の安定的・持続的な発展のための環境整備では、小売電気事業の登録の取消事由として、小売電気事業者が正当な理由がないのに、小売電気事業を一年以上引き続き休止したときなどを追加する。

また、卸電力取引所の多様化を踏まえて、現行の翌日市場(翌日の電力の取引を行う市場)に加えて、今後、安定供給の確保の観点で重要となる中長期市場(翌々日以降の将来の電力の取引を行う市場)や需給調整市場(需給バランスを一致させるために必要な電力(調整力)の取引を行う市場)を開設する各卸電力取引所を経済産業大臣が指定・監督できるものとする。

3つ目の太陽電池発電設備などの安全性の向上では、太陽電池発電設備の設計不備による事故を防止するため、その支持物などについて第三者機関(登録適合性確認機関)による工事前の技術基準への適合性確認の対象とする。

法律案の概要は以下の通り。

 

大規模送電線・大規模電源の整備の促進など

1.大規模送電線(地域内送電線・地域間送電線)の整備の促進など

・経済産業大臣が一般送配電事業者などの地域内送電線などの整備計画を認定し、電力広域的運営推進機関(電力広域機関)が整備などに必要な資金の貸付けを行う(財政投融資などを活用)。

・電力広域機関が行っている一般送配電事業者などに対する地域間送電線などの認定計画に基づく整備などに必要な資金の貸付けの原資を拡充し、財政投融資などを活用できるようにする(財政投融資などを活用)。

・広域での電力取引によって生じる資金(値差収益)を国庫納付することとし、電力広域機関への補助を通じた地域間・地域内送電線の整備などに活用する。値差収益は、卸電力取引所において電気を北海道・東京などの供給エリアを越えて売買するときに発生する差額をいう。

2.大規模電源の整備の促進

・経済産業大臣が大規模発電事業者の大規模電源の整備計画を認定し、電力広域機関が整備などに必要な資金の貸付けを行う(財政投融資などを活用)。

・大規模発電事業者が大規模電源を休廃止する際に、一般送配電事業者などと事前に協議を行うことを定める。

 

電気事業の安定的・持続的な発展のための環境整備

1.小売電気事業の事業環境整備

・小売電気事業の適正化のため、小売電気事業者の登録取消事由に一定期間の休止などを追加する。

2. 電力取引の促進

・現行の翌日市場などを開設する短期卸電力取引所に加えて、中長期市場などを開設する中長期卸電力取引所、需給調整市場などを開設する需給調整卸電力取引所について、経済産業大臣の指定などに関する規定を整備する。

太陽電池発電設備などの安全性の向上

1.太陽電池発電設備の設計不備による事故を防止するため、その支持物などについて第三者機関(登録適合性確認機関)による工事前の技術基準への適合性確認の対象とする。これにより強度などの構造の安全性を高める。

2.製品・施工不良など、設置者のみでは原因究明・再発防止などが困難な場合に、製造・輸入販売事業者、工事業者に必要な協力を求める措置を設ける。


この改正法案の提出に先立ち、自民党は3月23日に公式ウェブサイト上で「太陽光発電パネルの飛散により民家を破損するケースや、発電設備の中核であるPCS(パワーコンディショナー)が発火、下草等に引火して延焼を引き起こす等、大きな事故の発生も多数指摘されている」、「出力の小さい設備は設置者が自ら確認することが義務付けられているが、小規模事業者のうち、義務化された構造計画書の提出率は約7割にとどまっている」と指摘し、「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)の地域共生・規律強化に向けて法的規制の強化・適正化を求める」と主張している。

なお、太陽光発電設備の「支持物に関する基準」は既に存在しており、経産省の現行技術基準省令・解釈ではJIS C 8955に基づく荷重設計や、架台・基礎・接合部の安全確保が求められている。今後の第三者確認制度でも、こうした既存の国内基準群が中核になる可能性がある。

 

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