2026年2月1日
中部電力ミライズ(愛知県名古屋市)は1月27日、台湾の電力サービス事業者である泓徳能源(HD Renewable Energy)傘下の星星電力日本(東京都千代田区)と、系統用蓄電池を活用した電力受給契約を16時〜20時のピーク時間帯について締結したと発表した。夕方のピーク時間帯は電力価格が高騰するリスクを抱えていることを踏まえ、需要家に提供する電気を固定価格で安定的に調達する。
星星電力日本は、同契約に基づき、電力需要のピークのうち16時~20時の時間帯において、泓徳能源グループが保有する系統用蓄電池を運用し、中部電力ミライズへ電気を提供する。中部エリア5カ所において系統用蓄電池(合計容量約4.1万kWh)を設置し、2026年4月以降に稼働開始する予定だ。
設置される5カ所は、愛知県豊橋市、静岡県周智郡森町、三重県伊賀市、岐阜県各務原市、同・垂井町。取引電力の規模は合計1万kWで、総取引電力量は年間約909万kWhを見込む。
なお同契約は、電力の将来的な価格変動リスクを回避するため、あらかじめ調達価格が固定で約定された。
泓徳能源グループは2023年10月より、日本で系統用蓄電池事業に参入し、再エネの普及拡大と電力系統の安定化に貢献してきた。同社グループ傘下の星星電力日本は、国内向けの電力取引事業を展開する。
中部電力ミライズと星星電力日本は今後、さらに系統用蓄電池を活用した取引電力の規模を、累計約30万kWまで拡大することを検討している。
系統用蓄電池は、特定の再生可能エネルギー電源に併設され出力変動を調整する蓄電池と異なり、一般送配電事業者の系統に直接接続し、電力システム全体の需給変動に対応する役割を担う。
再エネ導入拡大に伴い、電力需給の変動に対応する調整力として系統用蓄電池の活用が進んでおり、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が1月20日に公表した2029年度実需給に向けた容量市場メインオークションの約定結果においても複数の系統用蓄電池が落札された。容量市場や需給調整市場への参加、電力取引への活用が進むことで、電力需給運用力や調達手段の多用化において系統用蓄電池の役割が拡大している。
【参考】
・電力広域的運営推進機関―容量市場メインオークション約定結果(対象実需給年度:2029年度)の公表について
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2026年1月31日
GSユアサ(京都府京都市)とSustech(サステック/東京都港区)は1月27日、滋賀県米原市に、GSユアサ製の定置用リチウムイオン電池設備を用いた系統用蓄電所を設置すると発表した。新蓄電所の出力は1.3MWで、容量は4.2MWh。運転開始は2026年9月の予定。
同プロジェクトでは、国産蓄電池メーカーとして蓄電地市場を牽引するGSユアサの知見と、AI技術を活用して再エネや蓄電池を管理する電力運用プラットフォーム「ELIC(エリック)」を開発・運用するSustechの技術を融合させる。サステックの「ELIC」を用いることで、AIによる市場予測や最適な充放電制御・市場運用が可能になる。これにより、市場の状況に応じた運用収益の最大化が期待できるという。
両社は今後、一次調整力に代表される高頻度・長時間運転を実施した場合に蓄電池のセルをはじめとした設備に与える影響の検証や、それらを踏まえた充放電制御の最適化など、系統用リチウムイオン蓄電所の長期利用を見据えながら、同蓄電所を運用していく。
採用されたGSユアサ製リチウムイオン蓄電池は、
コンテナタイプ(W2300×L9400×H2800mm)の蓄電池で、今回はコンテナ2基で構成される。
同蓄電池は、全セルの電圧監視および全モジュールの温度管理による高い安全性を確保するとともに、ファンレス構造の採用により故障率の低減と交換部品点数の大幅な削減を実現する。また、消防危第200号通知に基づく消防危第303号の耐火性収納箱試験に合格しており、重塩害地域や寒冷地にも対応可能な高い環境耐性を備えている。
2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2040年に向けて、国内の再エネ比率をより高めていく方針が示された。
再エネは発電量が天候や時間に応じて変動し、電力需要が少ない場合にはエネルギーの出力抑制が発生するという課題がある。そのため、電力の余剰が見込まれるときに充電し需給逼迫時に放電することで、調整力(バランシング)を担う系統用蓄電所は重要視されている。
GSユアサは、これまで再エネの普及や電力系統の安定化を目的に、産業用蓄電池の導入を推進してきたが、今後、蓄電池が電力インフラの安定維持に果たす役割がさらに重要となると予測。実際の事業運営を通じて、製品開発へのフィードバックや蓄電所運営のノウハウ蓄積を目的に、同事業を開始した。
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