2026年1月27日
富士経済(東京都中央区)は1月22日、社会実装が近づいているペロブスカイト太陽電池(PSC)の主要部材について調査し、その結果をとりまとめ公表した。同太陽電池を構成する主要部材のうち、バリアフィルムの2040年の世界市場は8877億円、TCO基板については5642億円規模に拡大すると予測している。
同調査は、PSCを構成する主要部材7品目(バリアフィルム・TCO基板・ペロブスカイト材・電子輸送材・正孔輸送材・背面電極材・封止材)を対象に、市場動向や参入企業の開発動向、課題などについて分析したもの。
これら主要部材は、PSC市場の普及に伴い成長するものであり、市場の立ち上がりは2025年以降、本格的な成長は2030年以降と見込まれる。中でも、単価の高いバリアフィルムやTCO基板が大きく拡大すると同社は予測する。
将来的には、価格の高い部材のコストダウンが予想されることから、市場は出荷数量ベースと比べて緩やかな伸びになるとしている。
バリアフィルムは、水や酸素に極めて弱いペロブスカイト層を守るために必要な保護フィルムで、極めて高い防水・防湿性能を持つ。PSCは現在、フィルム基板型とより堅牢なガラス基板型の2つのタイプの開発が進められているが、バリアフィルムはフィルム基板型にのみ使用される(そのほかは双方のタイプで使用)。
一般的に多積層であるほどバリア性が高まるが、それに比例してコストも増す。そのため、材料や構成・製造方法などの最適化が課題となっている。将来的には、「現状の半額程度まで価格が下がる」と期待される。
TCO基板は、基材(ガラス/フィルム)上に、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜やITO(酸化インジウムスズ)膜などをコーティングした導電性を持つ基板で、光入射面側の電極として用いられている。PSCの変換効率や耐久性に直結するペロブスカイト太陽電池の「土台」となる材料であり、高い品質が求められる。
ITOの原材料であるインジウムはレアメタルの一種で、現在は、ディスプレイや半導体アプリケーションの需要増などから価格が高騰し、国内外では代替材料の模索が続く。各素材には課題があるものの、安価な代替材料の研究が進むことなどで、TCO基板のコストダウンが期待されると、同社は解説している。
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