2025年11月27日
名古屋電機工業(愛知県あま市)は12月から、福岡県内で、道路情報板および道路監視カメラにカルコパイライト太陽電池を活用した実証実験を順次開始する。発電性能の評価とともに、将来的な設備のオフグリッド化を念頭に、実用性を検証する。
同実証では、福岡県大牟田市・京都郡みやこ町・八女市の県内3カ所に設置されている道路情報板・道路監視カメラに、PXP(神奈川県相模原市)製のカルコパイライト太陽電池を設置し、発電量や耐久性、実運用における効果を検証する。
また、同実証は、当該設備の外部電源に依存しない独立電源化(オフグリッド化)を目的としており、単なる発電性能の評価にとどまらず、電源インフラが限定的な場所での使用や、災害など電力供給が断絶された状況を想定し、道路設備が自立的に稼働できるかなども検討する予定。
同実証は、福岡県「ペロブスカイト太陽電池等実証事業補助金」に採択されており、実証の成果は、2026年3月までに結果をとりまとめ報告を行う。また同社は補助金事業の期間終了後も開発や検証を継続し、実用化を目指す方針。
同補助金事業では、同社のほか、九電みらいエナジー(福岡県福岡市)の福岡空港国際線ターミナルビル屋根にカルコパイライト太陽電池を設置する実証や、九州旅客鉄道(JR九州/同)の「博多駅ホーム屋根におけるペロブスカイト太陽電池の発電実証実験」がある。
名古屋電機工業は現在、ペロブスカイトとカルコパイライトを組み合わせた、タンデム型太陽電池の技術検証を進めている。今後は、今回の実証で得た基礎データを、同技術の実用化に活用するとしている。
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2025年11月26日
パナソニック(大阪府門真市)は11月20日、TGオクトパスエナジー(東京都港区)と、東京都の戸建て住宅に住む100世帯を対象に、電力市場価格が安い時間帯へ自動的に電気自動車(EV)の充電時間をシフトする遠隔制御の実証を開始すると発表した。
ユーザーの手を煩わせることなく電気代負担を削減し、電力消費を需要ピークから移す「ピークシフト(上げDR)」の効果を検証する。実証に参加するモニターの募集を始めた。
太陽光発電の比率が高まる昼間や、需要が集中する夕方以降の時間帯など、電力市場価格の上下動が顕著になる中、家庭部門においても、電力使用を電力市場価格の安い時間帯にシフトする「デマンドレスポンス(DR)」が求められている。
そこで、今回の実証では、電力市場価格に応じたEV充電の最適化を通じて、家庭部門におけるピークシフトの可能性とユーザー利便性の両立を検証する。具体的には、パナソニックの戸建てEV所有者向けアプリ「おうちEV充電サービス」を活用し、顧客のライフスタイルを加味した上で、EV充電設備(IoT EVコンセント)を遠隔制御することで、電力市場価格の安い時間に自動でEV充電する。実証期間は2026年3月~5月の3カ月間を予定。
今回の取り組みは、家庭・家電・電力をつなぐスマートエネルギー実証として、両社が協力して実施する。検証項目として、次の3つをあげる。
・電力市場価格が安く、かつ利用者の生活/充電ニーズに沿った時間帯での充電自動制御(遠隔制御のもとEV充電に消費された電力量には特別料金単価を適用)
・利用者の便益(電気代削減、利便性)の評価と電力消費のピークシフト効果の定量分析
・事業としての成立性(ユニット粗利、参加率、運用コストなど)の検証
TGオクトパスエナジーは、モニター(実証対象者)への電力供給、充電スケージュルの策定を担う。パナソニックは、遠隔制御プラットフォーム(機器・システム・アプリ)を提供し、沿革制御を実施する。
TGオクトパスエナジーは、電力プラン「EVオクトパス」の電気需給契約を結ぶ顧客のうち、東京都内の戸建てに住み、EV・EV充電設備を持つ契約者を対象に、モニターの募集を開始した。募集期間は11月21日〜12月15日(予定)。モニターは上限数に達し次第受付を終了する。モニターの要件として、EVコンセントにIoT制御モジュールを組み合わせた「IoT EVコンセント」の設置など、必要となる準備を2026年2月末までに実施することなどがあげられている。
英国・オクトパスエナジーは、2016年から英国で電力小売事業をスタートし、現在、日本を含む8か国で、1000万以上の世帯に再エネ由来の電力を提供している。日本では、2021年に東京ガス(東京都港区)との合弁会社「TGオクトパスエナジー」を設立し、事業を開始した。
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