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2025年9月21日

沖縄電力、初のオフサイトPPA オリオンホテル・戸田建設と契約

沖縄電力(沖縄県浦添市)は9月12日、オリオンホテル(同・本部町)および戸田建設(東京都中央区)と、オフサイトPPA契約を締結したと発表した。年間約1100tのCO2排出量削減効果を見込む。10月より供給を開始する。

 

沖縄電力では初のオフサイトPPA

この取り組みにおいて沖縄電力は、戸田建設の「浦添ロジスティクスセンター」(沖縄県浦添市)の屋根に設置された出力1045kWの太陽光発電設備で発電した再エネ電力を、オリオンホテルが所有・運営する施設「オリオンホテルモトブリゾート&スパ」に供給する。

年間発電量は約170万kWhで、同ホテルの年間電力消費量の約25%が再エネに転換される。

同社は、この契約において同社の電力系統を通じ電力供給するとともに、トラッキング付き非化石証書の割り当てなどを行う。

 

再エネ100%で運用する「浦添ロジスティクスセンター」

浦添ロジスティクスセンターは、戸田建設がオリオンビールの旧本社跡地を取得し2023年3月に竣工・開業したマルチテナント型物流倉庫。鉄骨造4階建てで、梁下有効高5.5mの広い倉庫空間のほか、26台分のトラックバース、ラウンジやコワーキングスペースを備えている。屋上に太陽光発電設備を設置し施設内での電力に使用。不足分はCO2フリー電力を購入することで再エネ100%での運用を実現している。

 

オンサイトPPAなども組み合わせ、脱炭素を促進

今回、沖縄電力初となるオフサイトPPAの取り組みは、同社がゼロエミッションの実現に向けて取り組む「再エネ主力化」の1つ。今後はオフサイトPPAの導入拡大に加え、オンサイトPPA「かりーるーふ」やCO2フリーメニューと組み合わせることで、多様な顧客ニーズに応じた最適な脱炭素ソリューションを提供。再エネの主力化を一層加速させる方針だ。

なお、沖縄電力グループのオンサイトPPA「かりーるーふ」は、初期費用をかけずに太陽光発電設備や蓄電池を導入できる第三者所有モデルで、これまでに2023年2月に豊見城市庁舎、3月に医療法人のもとぶ記念病院ともとぶふくぎの里、6月には沖縄美ら島財団の本部施設とそれぞれオンサイトPPA契約を締結している。

 

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2025年9月20日

東京GXウィークスタート、次世代燃料の生産・利用拡大へ 初の国際会議

経済産業省は9月15日、エネルギー・環境関連の国際会議を集中的に開催する「東京GXウィーク」の一環として、大阪・関西万博と連携し、「持続可能燃料閣僚会議」と「水素閣僚会議」を大阪府で開催した。

今回が初開催となる「持続可能燃料閣僚会議」では、バイオ燃料や水素などの持続可能な燃料(次世代燃料)の生産と利用を、2035年までに少なくても2024年比4倍にする目標が示された。

 

5つの国際会議を開催

経産省は、9月15日から10月10日にかけて、持続可能燃料、水素、カーボンリサイクル、イノベーションの各分野に関して、各国閣僚を含む政府関係者や有識者が議論を行う「東京GXウィーク」を開催する。

開催する5つの会議は次の通り。

・持続可能燃料閣僚会議(9月15日)

・水素閣僚会議(9月15日)

・RD20国際会議(リーダーズ・セッション)(10月3日)

・ICEF(Innovation for Cool Earth Forum)(10月8日、9日)

・カーボンリサイクル産学官国際会議(10月10日)

これから開催する3つの会議は、会場とオンラインのハイブリッド形式で開催する予定。

 

2035年までに4倍の生産・利用を目標に設定、持続可能燃料閣僚会議

今回初めて開催した持続可能燃料閣僚会議は、日本とブラジルが共同議長を務め、34の国・機関が集まった。航空、海運、道路交通、産業など様々な分野において、バイオ燃料、バイオガス、水素、アンモニア、合成燃料や合成メタンなどといった持続可能燃料の生産と利用を拡大していくことの重要性について議論した。また、これに向けた国際協力や官民連携の必要性についても触れ、閣僚会議における議論を踏まえて、共同議長サマリーを発出した。

共同議長サマリーには、持続可能な燃料の生産と利用を2035年までに少なくとも4倍(2024年比)に拡大する目標に対し、ロードマップの策定、公共調達の活用といった様々な政策ツールを通じて、持続可能燃料の需要創出を促進するなど、重要となる取り組みもまとめている。

この会議は、2024年5月の日ブラジル首脳会談において立ち上げた「持続可能な燃料とモビリティのためのイニシアティブ:ISFM(アイスファム)」推進の一環として、また、2025年11月に同国で開催予定のCOP30も見据え、ブラジルと共催した。

また、村瀬 佳史資源エネルギー庁長官立ち会いの下、日独を代表する企業として、川崎重工業(東京都港区)、トヨタ自動車(愛知県豊田市)、関西電力(大阪府大阪市)、独Daimler Truck AG、独Hamburger Hafen und Logistik Aktiengesellschaft(HHLA)の5社間で、日独連携して競争力ある大規模水素サプライチェーンの構築に取り組むための覚書が締結された。水素の国際的な利活用推進を目指すとともに、日本とドイツの需要を合わせた共通の水素製造と出荷拠点の開発など、高い経済性を持つ水素サプライチェーンの構築を目標としている。

 

水素・アンモニアの社会実装も体験、第7回水素閣僚会議

第7回水素閣僚会議は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共催により開催された。国際エネルギー機関(IEA)による「Global Hydrogen Review 2025」の発表会が行われたほか、関係国・機関が、世界的な水素の需要喚起に向けて、「需要創出」をキーワードに、各国の水素政策の進捗共有や政策連携・国際協力の可能性を議論した。

水素利活用の実績確認、需要創出に向けて各国で取り組むべきアクション、実際の市場・投資動向の実態や、燃料アンモニア国際会議との統合などの内容を盛り込んだ議長サマリーを発出した。

会議終了後、参加者は、大阪・関西万博と連携した取り組みとして、日本初となる合成燃料で走行するバスと水素燃料電池船「まほろば」に乗り、また、万博会場では、液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」や、未来の都市パビリオンで水素関連の技術の展示、ガスパビリオンで合成メタンに関する展示を視察した。参加者に、持続可能燃料や水素・アンモニアの社会実装に向けた日本の取り組みを体感してもらった。

 

国際共同研究のあり方を発信、第7回RD20国際会議(リーダーズ・セッション)

クリーンエネルギー分野において世界最先端の技術開発を行うG20の研究機関のリーダーが登壇し、脱炭素化のためのイノベーション創出に向けた国際連携や人材育成について議論を行い、国際共同研究の在り方を発信していく予定。

RD20国際会議では、G20各国・地域の主要な研究機関によるカーボンニュートラルの実現に向けた研究開発やベストプラクティスを交換する機会や、国際共同研究の可能性を探るための機会を参加者に提供している。

今回の会議は、9月30日と10月1日にテクニカルセッション(公開)、10月2日にサイトビジットとワークショップ(非公開)、10月3日にリーダーズセッション(一部公開、一部非公開)が開催される。場所はホテル日航つくば(茨城県つくば市)で、オンラインでも配信する。

 

「GXと安全保障へのイノベーション」がテーマ、ICEF

ICEFは世界のカーボンニュートラル達成に必要なイノベーションに焦点を当てる国際会議。今年は、「GXと安全保障へのイノベーション」というメインテーマの下、カーボンニュートラルとエネルギー安全保障に向けた国際連携、気候変動への適応、水素、再生可能エネルギーなどについて多様な議論を行う。同時に日本企業などの取り組み・成果も発信していく予定。現在、会場とオンラインでの参加者の申し込みを受け付けている。

開催日は10月8日、9日。場所はウェスティンホテル東京(東京都目黒区)で、オンラインでも配信する。

 

会場限定のポスターセッションも、第7回カーボンリサイクル産学官国際会議

カーボンニュートラル実現のキーテクノロジーであるカーボンリサイクルについて、各国が将来的な社会実装に向けた技術開発・実証に取り組むことを確認するとともに、各国間の協力関係を強化すべく議論を行う。当日は、会場限定のポスターセッションやネットワーキングもあわせて実施する。会場とオンラインでの参加者の申し込みを受け付けている。

開催日は10月10日、場所はヒルトン大阪(大阪府大阪市)、オンラインでも配信する。

 

GXの実現に向けた国際連携をリード

地政学リスクの顕在化やAI普及に伴う新たな電力需要などにより、エネルギー政策を巡る環境が不確実性を増す中、ネットゼロに向け、各国の事情に応じた多様な道筋の下での脱炭素・経済成長・エネルギー安全保障を同時に達成するグリーントランスフォーメーション(GX)の重要性が高まっている。経産省は、「東京GXウィーク」の取り組みを通じて、GXの実現に向けた国際連携をリードする考え。

【参考】

・経済産業省―「東京GXウィーク」を開催します

・経済産業省―「持続可能燃料閣僚会議」及び「水素閣僚会議(第7回)」を開催しました

 

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