2026年4月18日
スイスのエネルギー大手Axpo(アクスポ)の日本法人であるAxpo Japan(東京都港区)は4月15日、ネスレ日本(兵庫県神戸市)とグリーン電力供給に関する契約を締結したことを明かした。
1月1日より、ネスレ日本の島田工場(静岡県島田市)に対し、環境価値を付加した特別高圧電力の提供を開始。これにより、年間約5万tの温室効果ガス(GHG)排出削減を見込む。
ネスレ日本は、2050年までにGHG排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」目標を掲げており、その重要策のひとつとして、2023年に姫路工場(兵庫県)、島田工場(静岡県)、霞ヶ浦工場(茨城県)の国内全3拠点で購入電力の再生可能エネルギー100%化を完了させた。
今回のAxpoとの連携は、この2023年に達成された再エネ100%という高い環境水準を継続し、さらに安定的かつ高度なエネルギー管理を実現するための戦略と位置づけ。グローバルな知見を活用したエネルギー調達の最適化と脱炭素化をさらに強化する。
Axpoグループは、欧州を中心に30カ国以上で活動するスイス最大級の再生可能エネルギー事業者だ。同社は太陽光・風力発電事業、企業向けの電力購入契約(PPA)において世界的に高い実績がある。ネスレとAxpoは、これまで10か国以上において戦略的パートナーシップを展開してきた実績がある。
2025年に設立したAxpoジャパンは、日本市場において欧州基準の高度なエネルギー・ソリューションを提供している。今回のネスレ日本との契約においても、単なる電力供給にとどまらず、グローバルな市場知見を活かした価格リスクの管理、透明性の高いグリーン電力の供給スキームを構築することで、ネスレ日本の長期的な環境目標の達成を支援する。
なお、今回の取り組みは、Axpoが日本市場へ参入して以降、初めて締結した小売電気契約となる。
ネスレ日本のような大手製造業にとっては、国内工場における「再エネ100%」を維持し、さらにバリューチェーン全体の環境負荷を下げていくことは継続的な課題となる。特にエネルギー価格の変動が激しい昨今の市場環境では、Axpoのような専門性の高いパートナーとの提携は、環境価値の確保と事業性の両立につながるとみている。
ネスレ日本はコーヒーや「キットカット」などの消費者に近い製品を生産しており、その製造過程で、常にクリーンなエネルギーが使用される体制が持続されることは、消費者に対するブランド価値の向上にも直結する。同社は工場での電力対策を基盤としつつ、原材料調達や物流面を含むサプライチェーン全体での排出削減に注力。2050年のネットゼロ達成に向けた取組を進める。
Axpoジャパンは、今回のネスレ日本との提携をモデルケースとして、日本国内の企業の脱炭素化支援を加速させる。
同社は「日本のエネルギー転換を支援し、持続可能な未来への架け橋となる」ことを目指しており、今後も再生可能エネルギーの供給拡大に向けた投資やサービス展開を強化する。
Axpo西欧・東欧地域及び日本オリジネーション事業部責任者のドメニコ・フランチェスキーノ氏は「Axpo Japanはネスレ日本との協業により、日本におけるAxpo初のグリーン電力の取引を実現しました。本合意は、各国の要件に応じたエネルギーソリューションを提供するAxpoの取り組みを、日本において具体的な取引として形にしたものです。今後も同社とのパートナーシップを大切にしてまいります」とコメントしている。
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2026年4月17日
野村乳業(広島県府中町)は4月14日、同・三原市にある製造拠点に、太陽光発電設備を導入し、エネルギーの自給率最大45%を実現する体制を整備したと発表した。この取り組みにより、CO2排出量を年間約31t〜36t削減する見込みだ。
同社は1897年創業の乳業メーカー。2010年頃から発酵技術と腸内環境研究にリソースを集約し、現在は植物乳酸菌の高濃度発酵技術の応用に特化し事業を展開している。消費者の腸内環境を整える「腸活」につながる商品の製造・販売を手がける。
今回、太陽光発電設備を導入した三島市の製造拠点である「マイ・フローラ プラント」では、国内向けの主力商品であるプラントベースの乳酸菌飲料「マイ・フローラ」を製造している。
再エネを活用することで、製造工程におけるエネルギーの安定確保と環境負荷低減を図る考え。工場の年間電力使用量の約40〜45%に相当する電力(約6.5万〜7.4万kWh)を自家発電で賄う。
導入にあたっては、三原市の脱炭素社会推進事業補助金を活用した。同補助金では、市内中小企業事業者の太陽光発電設備、蓄電池、宅配ボックス、高効率空調設備、高効率照明機器などの導入を支援するもので、太陽光発電設備には100万円を上限に補助される。
同社は、2023年度「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定されている。この制度は、経済社会構造の変化に対応して、事業変革や新規事業に挑戦するとともに地域経済や日本経済の成長につながる「モデル」となる中小企業・小規模事業者を表彰するもの。中小企業庁が、隔年で実施している。
海外の乳業メーカー向けに発酵の技術指導および発酵原料を提供しており、植物乳酸菌のヒト臨床試験や腸内フローラ分析などにも注力。食と健康を支える「腸活専門メーカー」を目指す。
野村乳業の事例では市区町村の補助事業が活用されているが、再エネ発電設備や省エネ対策については、中小企業は特に手厚い支援が受けられる。「中小企業経営強化税制」もそのひとつで、太陽光発電設備については同税制の「B類型:収益力強化設備」で調達費用が対象になり、減税措置が受けられる。
即時償却(設備の購入年度に、その取得費用の全額を一括で経費として計上できる税制優遇措置)、または、取得価額の10%の税額控除(資本金3000万円超の法人は7%)のどちらかを選択適用できる。
ただし、発電した電気を自社で使う「自家消費型」であることや、設備を取得する前に「経営力向上計画」を作成し自社の事業を管轄する主務大臣の認定を受けることが要件。
現時点では、この優遇制度の適用期限は2026年度末(2027年3月31日)までとされている。
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