2026年5月4日
日穀製粉(長野県長野市)は4月23日、省エネ法に基づくエネルギー管理指定工場である軽井沢工場(同・北佐久郡御代田町)に、自家消費型太陽光発電システムと蓄電システムを導入し、1月より運用開始したと発表した。国の「ストレージパリティ補助金」の交付を受け、3月までに導入手続きを完了。工場の電力使用に伴うCO2排出量を年間で約52t削減する見込みで、エネルギーコスト抑制を進める。
同社は、発電出力98.28kWの自家消費型太陽光発電システムと20.00kWhの蓄電システムを導入した。導入初年度の発電量は約106,800kWhの見込みで、当該施設のエネルギー消費による年間CO2排出量が約52t削減されるとしている。
同社は、省エネ法に基づくエネルギー管理指定工場に分類される製造拠点において、環境保全と資源の効率的な利用などに注力しており、本取り組みはその一環。設備の導入は、国の「ストレージパリティ補助金」を活用し投資効率を高めた。補助金の交付は3月に行われた。
自家消費型の太陽光発電設備・蓄電池の導入を支援する「ストレージパリティ補助金(令和7年度補正)」は、4月9日に公募を開始した。1申請あたりの交付上限額は、太陽光発電設備の2000万円と定置用蓄電池・車載型蓄電池・充放電設備の4000万円を合算した6000万円。公募期間は5月15日正午まで。
日穀製粉は、2030年に向けた環境負荷低減の重点施策として、2020年比で松本工場から発生するそば殻など副産物の18%削減、県内農家との契約栽培拡大による荒廃農地の抑制、県産原料を活用した商品開発による長野県産100%商品の67%増を掲げる。原材料や人材を地元で確保し、地域経済の活性化と資源循環の両立を目指す。
同社は2025年に「松本バイオコークス工場」を新設。そば殻を圧縮・成形して作るバイオ燃料「バイオコークス」の製造・販売など、副産物を資源として活かす取り組みにも注力している。
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2026年5月3日
環境省は4月24日、オンサイトPPA(第三者保有モデル)を活用して、再エネ発電設備などの設備を導入することで複数の建物間で電力融通を行い、平時での省CO2と災害時の避難拠点を両立させる取り組みを支援する補助金の公募を開始した。
計画策定に対し最大1000万円(単年度)、設備導入は3カ年以内・各年度最大3億円を支援する。公募期間は6月9日正午まで。
この補助事業の名称は「令和7年度補正予算・令和8年度予算 民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業」のうち「新手法による電力融通モデル創出事業」。
複数の需要場所間で電力融通を行う設備などを、第三者が設備を保有する(TPO)契約で導入する事業を支援することで建物間・地域内での脱炭素化を図ることを目的としている。
補助の対象は、計画策定と設備導入の2つの事業区分があるが、いずれにおいても事業本体は主に以下のような条件を満たす必要がある。
・自営線で発電場所と複数の需要場所間をつなぎ、電力融通を行うシステムを構築する
・すべての需要場所に対して、調整力強化に資する需要側設備(EV、ヒートポンプを活用した給湯、空調、冷蔵・冷凍庫、コージェネレーション設備など)を導入する
・需要側設備も第三者保有モデルで契約する
・すべての需要側設備を単一のEMS制御下に置き、発電量・需要に応じて、統合的なCO2削減効果を生む
・再エネ発電設備と蓄電池を導入する
・再エネ電力を需要場所内で自家消費し、年間を通して余剰電力を融通先で消費、さらにその余剰を蓄電池に充電し活用する(電力系統に逆潮流しない)
・再エネ発電量とエネルギーマネジメントによる制御実績(電力融通など)とCO2削減実績を記録・集計の上、報告する
・得られる環境価値を需要家に帰属させる
・FIT制度、FIP制度の認定を取得しない
・自己託送を行わない
補助率や補助上限額はそれぞれ以下の通り。
計画策定事業の補助事業期間は単年度で、補助率は3/4、上限は1000万円。
計画策定年度の後、原則設備導入を完了する必要があり、導入できない場合は交付された補助金を返還する必要がある。また、設備導入の際に補助金の交付を受けるためには、設備導入事業に応募し、その年度の要件を満たし採択される必要がある。補助対象経費は人件費、業務費など。
設備等導入事業の補助事業期間は3カ年以内で、補助率は1/2、上限は各年度3億円。ただし、地方公共団体と「災害時における拠点の利用に関する防災協定」を締結していれば補助率が2/3になる。
「TPOモデル計画策定事業」で策定した計画か、これと同等と執行団体が認めた計画などに基づき申請する必要がある。
補助対象設備は以下の通り。
・再生可能エネルギー発電設備
・エネルギーマネジメントに資する設備と設備同士を結ぶ自営線
・熱導管など(自営線地中化のための設備含む)
・受変電設備
・定置用蓄電池
・充放電設備
・充電設備
・車載型蓄電池(電気自動車・プラグインハイブリッド車)
・EMS(エネルギーマネジメントシステム)
・通信・制御機器
・運転制御可能な需要側設備(ヒートポンプを活用した給湯器・空調など調整力強化に資する需要側の設備
コージェネレーション設備など)
・需要側設備の直流受電を可とするための改造費と直流給電設備(直流にするための改造費含む)
また、原則として太陽電池モジュールは2026年度に導入(購入・設置工事)するものに限定されている。なお需要場所にオンサイトで導入する場合は、2026年度に太陽電池モジュールを購入し、2027年度以降に太陽電池モジュールを設置工事するものも対象になる。
事業の執行団体は環境技術普及促進協会(大阪府大阪市)。事業の詳細は公募要領などで確認できる。
第三者保有(Third Party Ownership)モデルとは、需要家以外の第三者が設備を保有する形態を指す。再エネ発電設備の導入においては、オンサイトPPA(Power Purchace Agreement)契約とも呼ばれる。
この事業では、このモデルを活用した複数の建物間・地域内での電力融通モデルの構築により包括的な設備導入とエネルギーマネジメントを行うビジネスモデルを確立させることで、民間企業などが有する工場・施設・営農地などに対して再エネ設備の導入加速と柔軟な需給調整の実現を支援し、総合的な脱炭素化を加速することが期待されている。
これにより民間企業や地域の脱炭素化を着実に進めるとともに、分散型電力システムを構築して地域共生型エネルギー社会の加速化を目指すものだ。
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