2026年6月29日
環境省は6月23日、「プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業」について、2025年度補正予算の3次公募と2026年度予算の2次公募を開始した。
同事業は、プラスチック使用量削減につながる資源循環高度化設備や再生可能資源由来素材の製造設備、太陽光発電設備とリチウム蓄電池のリサイクル設備、金属破砕・選別設備の導入支援を目的としたもので、1/3または1/2を上限に補助する。公募期間は7月24日12時(必着)まで。
同事業では、次の5つの事業が補助対象となる。
国内事業所における設備が対象で、導入による効果をまとめた事業報告書の提出などを要件としている。
対象者は、民間企業に加え、一般社団法人・一般財団法人と公益社団法人・公益財団法人なども含まれる。
補助率は、中小企業者に設備を補助する場合は1/2、それ以外に設備を補助する場合は1/3。リースを利用する場合は、貸渡先事業者が中小企業者の場合は1/2。
事業期間は原則、単年度だが、応募時に年度ごとの事業経費を明確に区分した実施計画書を提出することで、最大2カ年度の複数年度事業として認められる場合がある。
同事業では、廃プラスチックについてこれまでリサイクルできなかったものへの量的な拡大、もしくはより高品質な再生素材の供給を目指すために、省CO2型の資源循環高度化設備を導入することで、製造された再生素材の国内資源循環が安定的に見込める事業であること。または、リユースに必要な設備を導入することで、プラスチック使用量削減に資する事業であり、「国内資源循環が安定的に見込める事業」であることが求められる。
このうち「国内資源循環が安定的に見込める事業」とは、補助事業設備で製造した再生素材を最初に利用する「再生素材利用事業者」が、国内にて利用する事業者である場合、もしくは再生素材から製造された製品が国内で流通する場合を指す。なお利用とは、ペレットなどの再生素材を原料として、成形やコンパウンド製造などの加工を行うことを意味する。
補助対象は、廃プラスチックのリサイクルに必要な破袋や破砕、洗浄、脱水、異物除去などの前処理設備、選別と押し出し機などの原料化する設備、リユースに必要な設備や、これら設備に必要な運搬設備、貯留設備などのほか、それらの設備に電源を供給する設備など。
同事業は、生分解性プラスチックを含むバイオマスプラスチックやパルプなど、従来の化石資源由来プラスチックを代替する再生可能資源由来素材の導入拡大を目的としている。そのため、製造された素材の多くが国外に輸出されるなど、国内導入の拡大に寄与しないものは補助対象外となる。
補助対象は、従来の化石資源由来プラスチックを代替するバイオプラスチックなどの再生可能資源由来素材などの製造に係る設備や、その設備の稼働に必要な運搬設備、貯留設備のほか、それらの設備に電源を供給する設備など。
同事業は、太陽光パネルのリサイクルの促進とリサイクルプロセス全体のエネルギー起源CO2の排出抑制を図るため、リサイクル工程におけるガラスやセル、フレームの分離を行い、素材ごとのリサイクルの高度化を図るための設備を導入するもの。
補助対象は、太陽光パネルのリサイクル設備、付随する搬送設備、電源を供給する設備など。
同事業では、リチウム蓄電池のリサイクルの促進とリサイクルプロセス全体のエネルギー起源CO2の排出抑制に向けて、リサイクル工程における、放電、熱処理などの事前処理と破砕・分離・化学処理などにより、有用金属を高純度でリサイクルするための設備の導入を支援する。
補助対象は、リチウム蓄電池のリサイクル設備、付随する搬送設備、電源を供給する設備、発火防止設備など。
同事業の目的は、都市鉱山のリサイクルの促進とリサイクルプロセス全体のエネルギー起源CO2の排出抑制。具体的には、リサイクル工程におけるアルミ、銅などの「金属高度破砕・選別」を行い、素材ごとにリサイクルの高度化を図るための設備導入を補助する。
「金属高度破砕・選別」とは、素材の分離・選別性を向上させる高効率な破砕や、X線などを用いた含有元素等に応じた合金選別、複数センサーを組み合わせた高効率選別など、先進的な技術を用いて従来の破砕・選別よりも回収される素材の量または質を向上させる破砕・選別のこと。
補助対象は、高度なリサイクルを実現するために必要となる、鉄、アルミ、銅、レアメタルなどの金属を素材ごとに分離する金属高度破砕・選別設備と、金属スクラップ溶解炉・焙焼設備(前処理設備、搬送設備など処理ラインに必要な設備を含む)と、それらの設備に電源を供給する設備など。
各事業の詳細は、執行団体である公益財団法人 廃棄物・3R研究財団(JWRF/東京都墨田区)のウェブサイトで確認できる。
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2026年6月28日
クラダシ(東京都品川区)は6月24日、辻・本郷スマートアセット(同・渋谷区)と、系統用蓄電所開発事業に関する匿名組合契約を締結したと発表した。
2025年11月に公表した両社による合弁事業を具体化するもので、まず国内3案件の事業化に着手する。
今回の契約により、両社が共同設立した合同会社「クラダシ・インベストメント」(東京都品川区)を事業主体として、系統用蓄電所の開発・運用業務を行う。
事業スキームには、合同会社(GK)と匿名組合(TK)を組み合わせた「GK-TKスキーム」を採用した。クラダシ・インベストメントがAM契約に基づき各蓄電所の開発・運営実務を担い、辻・本郷スマートアセットが匿名組合員として出資および収益配分を受ける。
合同会社の出資比率は、クラダシが51%、辻・本郷スマートアセットが49%。蓄電所の建設・施工(EPC)はYKエンジニアリング(東京都新宿区)との連携を予定している。
クラダシは、自社運営によるノウハウ蓄積とファンド形式による資金レバレッジを組み合わせることで、単独投資を上回るスピードで蓄電所ポートフォリオの拡大を目指す。
対象となる系統用蓄電所は「埼玉県蓄電所」「岐阜県蓄電所」「熊本県蓄電所」の3案件。いずれも出力2MW・容量8MWhの案件で、合計出力は6MW・合計容量は24MWhとなる。
埼玉県と岐阜県の案件については、それぞれ2026年10月および11月の受電を予定しており、熊本の案件は2027年5月の受電を見込む。3案件を順次稼働させ、早期の収益化につなげる考えだ。
両社は2025年11月、系統用蓄電所の共同開発・運用を目的とした合弁事業の実施に向けて基本合意した。
当時の発表では、2年以内に5件以上の系統用蓄電所を共同開発・運用する方針を掲げたほか、蓄電所投資ファンド組成についても検討するとしていた。
今回の匿名組合契約は、その基本合意を具体的な事業として実行に移すものであり、共同事業スキームが本格的に始動した格好だ。
クラダシは、賞味期限が近い食品や規格外品などを販売するソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」の運営を主力事業とする。一方で近年は、新たな収益基盤の構築に向けて再エネ関連事業への投資を進めている。
2026年2月には、系統用蓄電所開発を手がける合同会社への匿名組合出資を実施した。同社によると、すでに自社による系統用蓄電所の運営も開始しており、開発案件への投資と運営の両面から事業拡大を図っている。
今回の案件は、こうした蓄電池事業への取り組みをさらに前進させるものとなる。今後は辻・本郷スマートアセットとの連携を通じてポートフォリオの拡大を図るとしている。
辻・本郷スマートアセットは、再エネ発電所事業を主力事業の一つに位置付け、太陽光発電所の開発・運営やアセットマネジメントを展開している。あわせて、自家消費型太陽光発電システムの導入支援や家庭用蓄電池「Tesla Powerwall(テスラ・パワーウォール)」の販売・施工にも取り組み、法人・個人向けの再エネソリューションを提供する。
近年は系統用蓄電所分野にも事業領域を広げており、再エネ関連事業で培った知見を生かしながら蓄電池事業の拡大を進めている。
系統用蓄電所は送配電網に直接接続し、電力需給に応じて充放電を行う設備だ。再エネの導入拡大に伴い、出力変動への対応や需給バランスの調整を担うインフラとして重要性が高まっている。
同蓄電所を巡っては、再エネ導入量の増加を背景に事業開発が全国で活発化。需給調整市場や容量市場、卸電力市場など複数の収益機会が期待されることから、電力会社や再エネ事業者に加え、金融機関や異業種企業の参入が相次いでいる。
一方で、系統接続の混雑や設備価格の変動、収益予測の不確実性といった課題も残る。このため、開発事業者と投資家が連携するGK-TKスキームやファンドを活用した資金調達の重要性が高まっている。
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