2026年7月1日
エクソル(東京都港区)は6月24日、京都府福知山市内の自社太陽光発電所での発電した電力を、同市内の公共施設に供給する取り組みを開始すると発表した。7月11日から、地域新電力のたんたんエナジー(京都府福知山市)を通じ、年間発電量約200万kWhの全量を地元で活用する。
この取り組みでは、エクソルが保有する約1.8MWの太陽光発電所で発電した電力を、「特定卸供給」契約に基づき、電力供給を行う地域新電力であるたんたんエナジーを通じて、市民病院・上下水道関連施設を除く市内の公共施設へ供給する。
年間発電量は約200万kWhを見込んでおり、発電した電力すべてを公共施設で活用するという。これにより、地域で発電した電力の地産地消の推進に加え、地産再エネの利用拡大が期待される。
なお、「再生可能エネルギー電気特定卸供給」とは、小売電気事業者が指定した再エネ発電所の電気を、一般送配電事業者が送配電網を通じて、その小売電気事業者に卸供給する仕組み。特定の発電所と供給先を契約上ひも付けることができ、地域で発電した再エネ電力を地域の公共施設などで活用することが可能になる。
再エネの普及が進む一方で、発電された電力の多くは電力系統を通じて広域的に供給されており、発電地域で活用されないケースも少なくない。
エクソルは、2014年から福知山市で自社太陽光発電所を運営してきたが、地域内で活用するまでには至っていなかった。一方、同市では、すでに公共施設へのオンサイトPPA事業や学校への電力供給などが進められており、再エネ活用の環境が整っていた。
今回の連携は、たんたんエナジーが供給を担うことで実現した。発電事業者であるエクソル、地域新電力であるたんたんエナジー、電力の活用先となる福知山市が連携することで、地域で生み出した再エネの有効活用を図る。
また、エクソルは同月15日、福知山市の「三段池公園テニスコート」に太陽光発電設備付き観客席屋根(ソーラーシェルター)と関連電力設備を「企業版ふるさと納税」で寄付することを決定。再エネを軸とした地域との共生・共創の実現を目指し、地域におけるエネルギーの地産地消の推進策の第1弾として取り組むと発表した。
企業版ふるさと納税は、企業が自治体の地方創生事業に寄付をすると、寄付額の最大約9割が法人関係税から軽減される仕組み。
日除け機能と発電機能を兼ね備えた設備により、日陰空間の創出による利用者の快適性向上、熱中症リスク軽減による安全性向上、発電電力の施設内活用によるエネルギー効率の向上を図ることを目的としている。再エネの有効活用したスポーツ施設の新たなモデルケースとして、地域の持続可能なインフラ整備に貢献する。
まずは、7月末までにソーラーシェルターを設置する。太陽光パネル容量は約35.0kW、年間想定発電量は約39,778kWh(一般家庭約10世帯分相当)、年間CO2削減量は約16.5tを見込む。続いて、2027年4月頃を目途に、追加のソーラーシェルターと関連電力設備の整備を進め、発電した電力の活用範囲を広げていく。発電した電力は施設内での自家消費を基本とし、将来的には周辺公共施設への供給も視野に入れ、地域におけるエネルギーの有効活用モデルの構築を目指す。
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2026年6月30日
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は6月24日、2025年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の系統アクセス業務実績を公表した。
「事前相談」「接続検討」「契約申込み」の受付件数はいずれも過去最高を更新した。中でも接続検討は2万8927件、契約申込みは5,211件に達し、いずれも前年度から大幅に増加。電源種別では蓄電池案件が引き続き大半を占め、系統用蓄電所を中心とした開発需要の拡大が鮮明となった。
2025年度に受け付けた接続検討は、前年度の1万4276件から約2倍に増加した。
エリア別では、東京電力パワーグリッド(東京PG/東京都千代田区)が1万2052件と最も多く、東北電力ネットワーク(東北NW/宮城県仙台市)が4,781件、中部電力パワーグリッド(中部PG/愛知県名古屋市)が3,899件、関西電力送配電(大阪府大阪市)が2,728件、九州電力送配電(福岡県福岡市)が2,238件と続いた。
前年度との比較では、東京PGが7,101件増、東北NWが1,972件増、中部PGが2,120件増、関西電力送配電が1,897件増となるなど、大都市圏を中心に大幅な伸びがみられた。
接続検討の回答件数も2万6340件となり、前年度比で1万4608件増加した。回答期間については、標準期間である「3カ月以内に回答した案件」が2万6188件で全体の99.42%を占めた。
一方、3カ月を超過した案件は152件(0.58%)で、主な理由は「特殊検討や検討量の増加」だった。
事前相談は、2021年度以降増加傾向が続いており、2025年度は5万6378件と過去最高を記録した。
発電事業の初期検討から系統連系に向けた契約段階まで案件数が増加しており、再エネや系統用蓄電池を中心とした開発意欲の強さがうかがえる。
接続検討を電源種別でみると、蓄電池案件が2万4880件と全体の約86%を占め、圧倒的多数となった。
太陽光は3,613件(12%)、風力は210件(1%)、一般水力は139件(1%)だった。前年度も蓄電池案件が9544件で67%を占めていたが、2025年度は件数・構成比ともさらに拡大した。
系統用蓄電池は、卸電力市場や需給調整市場、容量市場など複数の市場で収益機会を確保できることから開発計画が相次いでいる。
OCCTOが3月19日に公表した直近(2025年10月~12月)の結果においても、接続検討の受付案件のうち蓄電池が87%を占め、系統利用における蓄電池案件の比重が大きく高まっている実態が明らかとなっている。
今回の集計でも、こうした開発意欲が系統アクセス申請件数の増加という形で表れた。
接続検討に続く契約申込みも、前年度(2,680件)から約2倍に増加し、過去最高を更新した。
エリア別では、東京PGが1,672件で最も多く、東北NW867件、九州電力送配電852件、中部PG587件、関西電力送配電432件、中国電力ネットワーク419件などとなった。
電源種別では蓄電池案件が3,881件で全体の74%を占め、太陽光は1,149件(22%)だった。接続検討だけでなく、実際の契約申込みの段階でも蓄電池案件が主流となっていることがわかる。
契約申込みの回答件数は3,563件。このうち標準期間の「6カ月以内に回答した案件」は3,217件(90.3%)で、6カ月を超過した案件は346件(9.7%)だった。超過理由の約87%は、「申込者側の書類不備」などに起因するものだった。
2025年度第3四半期(2025年10月~12月)における電源種別の受付件数は、全エリアで蓄電池の比率が87%で最も大きかった。次いで、太陽光が12%で続いた。
背景としては、出力制御リスクの回避ニーズや裁定取引・需給調整市場など収益機会の拡大、系統制約下でも参入可能な柔軟性といった要因があるとみられる。
また、蓄電池は、接続検討だけでなく実際の契約申込み段階でも78%を占めた。中でも、東京PG(前年同時期から183件増)・中部PG(同143件増)・関西送配(同85件増)、中国NW(同85件増)、九州送配(同176件増)で増加傾向がみられた。
この結果から単なる検討ベースではなく、事業化フェーズでも蓄電池優位が定着していることが読み取れる。
同期間の契約申込み件は、全エリア合計1,005件だった。エリアごとの内訳は、北海道NW76件、東北NW156件、東京PG205件、中部PG179件、北陸送配37件、関西送配113件、中国NW75件、四国送配23件、九州送配141件、沖縄電力0件。
OCCTOでは、送配電等業務指針第98条の規定を踏まえ、検討期間を6カ月を標準期間として確認している。
契約申込みでは、回答1,005件のうち6カ月超過が94件(9.4%)発生しており、その主因の88%が「申込書不備」とされる。
こうした状況から、案件の種別にかかわらず、初期段階での設計整理や書類精度がリードタイムに影響する構造が改めて浮き彫りになった。
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