2026年2月24日
日本電気硝子(滋賀県大津市)は2月17日、滋賀県長浜市の「滋賀高月事業場」の敷地外に太陽光発電設備を新たに設置し、稼働を開始したと明かした。発電した電力は自己託送制度を活用し、同事業場へ供給する。
自己託送制度とは、発電設備や蓄電池などを保有する事業者が、一般送配電事業者の託送供給を利用して、自ら発電・放電した電力を同一法人内の別の需要場所(工場や事業場など)へ供給する仕組みを指す。近年、企業では再エネの自家消費拡大やスコープ2の削減手法として、同制度を活用する動きが広がっている。
同制度は「自家消費」を基本とする仕組みであり、FIT制度の適用を受けた電源をそのまま自己託送に充てることは認められていない。
自己託送を行う事業者は、発電設備を「発電バランシンググループ(発電BG)」、需要場所を「需要バランシンググループ(需要BG)」にそれぞれ属させ、30分単位で発電計画と需要計画を一致させる「計画値同時同量」の義務を負う。
実際の発電量や需要量が計画値と乖離した場合(インバランス)は、一般送配電事業者が系統全体として需給調整を行い、その調整に要した費用がインバランス料金として各バランシンググループに精算される仕組みとなっている。
日本電気硝子が新設した太陽光発電設備の年間発電電力量は、一般家庭約300世帯分の消費電力に相当する約1200MWhとなる。これにより、CO2排出量は年間約500t削減できる見込みだ。
滋賀高月事業場は2023年4月、約5,000枚の太陽光パネルを設けたメガソーラーシステムを設置し、本格稼働を開始した。年間発電電力量は約3700MWhに上る。
製造業では、屋根面積の不足や建屋の構造的制約、敷地余地の限界といった理由から、自家消費型太陽光の導入拡大に課題を抱えるケースは少なくない。日本電気硝子は今回、敷地外設置と自己託送を組み合わせることで、再エネの自社利用拡大を図る。同社は今後も再エネの活用を推進する方針だ。
記事内容へ
2026年2月23日
環境省は2月16日、ESG金融に積極的に取り組む金融機関などや、サステナブル経営に取り組む企業を評価・表彰する、第7回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の受賞者を発表した。
積水化学工業(大阪府大阪市)は注目度の高いペロブスカイト太陽電池の開発に関わる資金調達により「資金調達者部門」で金賞を、伊藤忠商事(東京都港区)と積水ハウス(大阪府大阪市)は「環境サステナブル企業部門」で金賞を受賞した。
「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」は、ESG金融の普及・拡大に向けて、2019年に環境省が創設した。上場企業を対象とした「環境サステナブル企業部門」と、投資家や金融機関、資金調達者を対象とした金融部門である「投資家部門」「間接金融部門」「資金調達者部門」「金融サービス部門」の全5部門を設けている。
第7回の応募では、環境大臣賞として金賞7件、銀賞8件、選定委員長賞として銅賞9件、特別賞4件、テーマ別賞7件を選定し、2月16日に各賞の授与を行った。また、開示充実度が一定の基準を満たしている59社を「環境サステナブル企業」として、開示の改善度合いが高くより一層の発展が期待される5社を「環境開示プログレス企業」として選定した。
また、環境省は、第7回への応募者を対象に、ESGに関する人材開発の状況についてアンケート調査の集計結果を取りまとめ公表した。
受賞者は以下の通り(※カッコ内はサブ部門名)。
金賞:ロベコ・ジャパン(アセットマネージャー部門)
銀賞:ニッセイアセットマネジメント(アセットマネージャー部門)
銅賞:明治安田生命(アセットオーナー部門)
特別賞:公益財団法人自動車リサイクル促進センター(アセットオーナー部門)
金賞:静岡銀行、みずほ銀行
銀賞:肥後銀行、横浜銀行
銅賞:山陰合同銀行
特別賞:福井銀行/福井鋲螺 ※連名受賞
金賞:積水化学工業
銀賞:三菱HCキャピタル
銅賞:中日本高速道路
特別賞:該当なし
金賞:大和証券(証券部門)
銀賞:格付投資情報センター(評価・情報提供部門)
銅賞:みずほ証券(証券部門)
特別賞:サステナブル・ラボ(評価・情報提供部門)
ネット・ゼロ賞:池田泉州リース
ネイチャーポジティブ賞:滋賀銀行
サーキュラーエコノミー賞:大日本印刷
金賞:伊藤忠商事、積水ハウス
銀賞:栗田工業、大和ハウス工業、明治ホールディングス
銅賞:大阪ガス、コニカミノルタ、すかいらーくホールディングス、TOPPANホールディングス、三菱マテリアル
特別賞:三井倉庫ホールディングス
ネット・ゼロ賞:東急不動産ホールディングス、日本郵船
ネイチャーポジティブ賞:ニッスイ
サーキュラーエコノミー賞:LIXIL
積水化学工業は、経営とファイナンスの統合や、GXのハイライトであるペロブスカイトに焦点を当てたシンボリックなファイナンスの事例として、R&Dとグリーンファイナンスを明確に結びつけた革新性が評価され、資金調達者部門の金賞を受賞した。
環境サステナブル企業部門で金賞を受賞した伊藤忠商事は、総合商社として環境関連のリスクや機会を包括的に把握し、成長戦略と同期した資本効率経営や強固なサステナビリティ・ガバナンスを実現していることが評価された。また、同社の天然ゴム事業における自然資本リスクへの対策も特徴的な取り組みとして認められた。
同じく金賞を受賞した積水ハウスは、植栽事業によるネイチャーポジティブへの貢献の定量的評価や、住宅の水平リサイクルに挑戦する「House to House」の取り組みなど、気候変動のみでなくさまざまな環境課題に対して先進的な対応を進めている点が評価された。
間接金融部門では、静岡県内の地域金融機関や自治体、地域産業との連携を深めるとともに、他地域への展開も見据えた具体的な取り組みを進める静岡銀行(静岡県静岡市)と、大企業との積極的な対話や、シップファイナンスやカーボンニュートラル分野において多角的な取り組みを展開する、みずほ銀行(東京都千代田区)が金賞を受賞した。
投資家部門・アセットマネージャー部門では、ロベコ・ジャパン(東京都港区)が、金賞を受賞した。グローバル展開している歴史ある責任投資家として日本と欧州の投資家をつなぐ橋渡し役を担うとともに、日本のサステナブルファイナンス市場の底上げに貢献している点が評価された。
第7回への応募者を対象にしたアンケート調査は、金融機関・企業などにおけるESG関連の人材開発について実態を把握することを目的に、2025年9月16日~10月31日に第7回の応募者を対象に行った。オンライン上またはExcelのフォームへの入力により実施し、金融部門44社、環境サステナブル 企業部門86社、計130社より回答を受領した。
ESGの取り組み実践にあたり、取り組んでいる人材開発の内容は、両部門とも「育成(従業員向けのESG研修など)」が最も多く、「中途採用」が続いた。自組織に最も求められるESG人材は、両部門とも自組織内での推進を担う「リーダー人材」が最も多く、「個別分野の専門人材」が続いた。
自組織に最も求められるESG人材の専門性は、「気候変動」が最も多く、金融部門で52%、環境サステナブル企業部門で43%を占めた。気候変動に次いで最も求められている専門性は、金融部門では「自然・生物多様性」(18%)、環境サステナブル企業部門では「循環経済・サーキュラーエコノミー」(24%)となった。
両部門とも、ESGへの取り組みが新卒・中途採用と人材流出防止の「いずれにも寄与している」と感じている回答が過半数で最も多かった。一方、ESG人材開発における主な課題として、両部門とも「育成を担う人材の不足」を挙げた回答が70%を占め最も多かった。
記事内容へ