2025年8月23日
パナソニック エレクトリックワークス社(大阪府門真市)は8月18日、ENEOS Power(東京都千代田区)と共同で、家庭や法人の顧客が設置する蓄電池などの低圧機器を制御し、エネルギー利用の最適化を図るエネルギーマネジメント実証を首都圏で開始すると発表した。小売電気事業者と一般家庭・法人顧客のエネルギーコストの削減効果を検証する。実証期間は2025年8月から2028年3月までの予定。
この実証は、ENEOS太陽光買取サービスを契約中の家庭100軒およびオフィスビルなど法人20軒を対象に実施する。
一般家庭には、パナソニック製蓄電池およびHEMSを設置し、蓄電池、ヒートポンプ給湯機、空調機器などの遠隔制御を行う。法人顧客には、同社製蓄電池およびBEMSを設置し、蓄電池、空調機器、照明などを遠隔制御する。
パナソニック独自のアルゴリズム技術で、蓄電池の充放電などを適切に制御し、HEMS・BEMSを活用した太陽光発電電力の自家消費最大化による再エネ利用率向上を目指す。
さらに、電力市場取引による収益性を検証し、オペレーションを確認する。社会課題の解決および顧客・事業者双方にメリットがある事業の可能性を検証する。
同実証で得られた知見とデータ、長年培ってきた計測・制御技術を合わせることで、今後、小売電気事業者に対しソリューションを展開し、顧客の電気代削減につなげる。
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2025年8月22日
大和ハウス工業(大阪府大阪市)は8月18日、福岡県鞍手町の九州工場内テニスコート跡地で、同社初となる蓄電所「DREAM Storage Battery(ドリームストレージバッテリー)福岡鞍手系統用蓄電所」の開発に着手した。同施設では、系統用蓄電所事業の実用化に向けた実証実験が行われる。
同蓄電所は、パワーエックス(東京都港区)製の系統用蓄電システム「Mega Power 2700A」4台で構成される。PCSの出力は1.9MW、定格容量は9.8 MWh。これは、一般世帯約950世帯の1日分の電力消費に相当する。運転開始は2026年7月頃の予定。
大和ハウスの発表によると、今回の開発は蓄電池ビジネス参入に向けた一環であり、同社がこれまで展開している発電所の設計・施工(EPC)、発電(IPP)、売電(PPS)にとどまらず、実証では運用方法や事業性などを検証するという。同蓄電所の運用により九州エリアの電力系統に接続、また電力市場を通じて、電力エリア内の電力余剰時には充電を行い、不足時には放電することで、電力需給の安定化を図る。
なお、同事業は、経済産業省・資源エネルギー庁の2024年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」の採択を受けている。
2050年カーボンニュートラル実現に向け、日本各地では、再エネの導入が進んでいるが、太陽光や風力などの電源は、季節や天候によって発電量が変動し、発電量が多い時間帯や電力需要の少ない時間帯には余剰電力が発生する。
こうした中、蓄電池の重要性は年々高まっている。一般社団法人日本電機工業会によると、2024年度の国内における系統用蓄電所向けの蓄電池出荷容量は約8GWh規模。過去10年で約83倍にまで拡大している。
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