2025年6月20日
戸田建設(東京都中央区)は6月13日、系統用蓄電池の運用技術開発を進める方針を明らかにした。2025年度に系統用蓄電池運用システム開発を開始し、2026年度の運用開始を目指す。
同社は現在、長崎県五島市で浮体式洋上風力発電事業を推進している。2026年1月には、8基の発電設備が稼働を開始する予定だ。
5月15日には、イー・ウィンド(長崎県五島市)とともに、2025年度「五島市系統用蓄電池運用技術開発事業」に採択された。これを受けて、系統用蓄電池運用システム開発を始める。
具体的には、再エネの発電予測に基づき蓄電池の充放電を制御するアルゴリズム開発を進め、市場環境や制度変更にも対応させる。今後は、五島市内に設置する系統用蓄電池に同システムを導入し、運用を通じてシステムの有用性を検証する。将来的には、同社とイー・ウィンド、五島市民電力(長崎県五島市)の共同出資で設立したフローティング・ウィンド・アグリゲーション(長崎市五島市)でへの導入も目指す。
九州エリアは、再エネ発電の導入拡大を背景に、出力制御の指令が頻発化する懸念がある。九州電力送配電(福岡県福岡市)は1月に、2025年度の九州本土の出力制御率見込みを発表。九州全体の出力制御率は、再エネ全体で6.1%の見込みだ。このうち太陽光は6.2%、風力は3.7%と予想される。
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2025年6月19日
YKK AP(東京都千代田区)は6月16日、エネルギー庁が実施する「事業者クラス分け評価制度」(2024年度提出分)において、最高評価の優良事業者(Sクラス)を、今年も取得したと発表した。スマートファクトリー化やエネルギーマネジメントシステム導入などを行い、制度が創設された2016年度から10年連続でSランクを取得した。
YKK APは、2024年度に努力目標である「エネルギー原単位の年1.0%低減」を上回る2.1%低減を実現した。
具体的な施策としては、製造拠点において生産設備の更新やスマートファクトリー化、エネルギーマネジメントシステムの導入、照明のLED化、工場建屋の屋根断熱強化などを行った。また太陽光発電設備を積極的に導入し、自家消費として活用する取り組みを進め、2025年3月末時点で再エネ総発電容量は16.2MWとなった。
このほか、2024年10月竣工した「YKK AP30ビル」では、風や光など自然エネルギーを活かしたパッシブデザインを採用しZEBを達成したほか、定期報告書の情報開示制度への参加宣言し、資源エネルギー庁ウェブサイトでの関連情報の公開やアクセス向上に取り組んでいる。
「事業者クラス分け評価制度」は、「エネルギー使用の合理化および非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(省エネ法)に基づき、一定規模以上の事業者を、S・A・B・Cにクラス分けを行う制度。
評価方法は、5年間平均で「エネルギー原単位または平均電気需要最適化評価原単位」を年1.0%以上低減する努力目標と、ベンチマーク目標の2種類がある。
資源エネルギー庁は3月、省エネ法における特定事業者による2023年度実績(2024年度提出)のエネルギー使用状況に基づく省エネ優良者(Sクラス事業者)を公表。Sクラスは前年度から0.7ポイント増の52.7%だった。
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