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2026年3月16日

窓内側に後付けペロブスカイト太陽電池ユニット 既存ビルZEB化を後押し

三協立山(富山県高岡市)は3月10日、アイシン(愛知県刈谷市)、山下設計(東京都中央区)と共同で、窓の内側に設置できる「内窓設置型ペロブスカイト太陽電池ユニット」を開発したと発表した。既存建物の改修時に導入しやすい太陽光発電設備として、都市部のオフィスビルや商業施設などのZEB化を後押しする。

 

既存建物で再エネ導入余地が少ない企業の実務的な選択肢に

新ユニットは、ペロブスカイト太陽電池パネルを窓の内側に後付けで設置する構造としている。外壁側の施工を伴わないため、足場設置が不要で工期短縮や施工コストの抑制が見込める。

都市部の高層ビルは、屋上など設置可能なスペースが限られ、太陽光発電の導入余地が小さいケースが多い。窓を活用することで、これまで活用できなかった建物の開口部を発電設備として利用できるようになる。

 

発電と断熱を同時に強化

同ユニットは、太陽光発電だけでなく、建物の省エネ性能向上にも寄与する設計となっている。

ユニット内部に断熱材を挿入できる構造とすることで、開口部の断熱性能を向上。さらに日射遮蔽効果により、冷暖房負荷を軽減するという。創エネ(発電)と省エネ(断熱)の両面から、既存建物のZEB化に貢献するとしている。

また、太陽電池パネルを押縁材で挟み込むパネル式構造を採用。パネル交換やメンテナンスを容易にし、長期的な運用コストの低減にもつながる。太陽電池に必要な機器や配線は、ユニット内部に収納する構造としたことで室内の安全性と意匠性を両立した。

 

オフィス・商業施設などで実証予定

今回開発したユニットは、実建物への設置による実証試験を予定しており、発電量や耐久性などを検証する。実証は、中部電力ミライズ(愛知県名古屋市)とローソン(東京都品川区)が締結した基本協定に基づく取り組みの一環として実施される予定だ。

将来的には、オフィスビルや商業施設、公共施設、集合住宅などへの導入を想定している。

 

YKK APは「窓で発電」する建材一体型BIPV開発を推進

ペロブスカイト太陽電池は、薄く軽量で設置場所の自由度が高いことから、建物の窓や外装などに組み込む建材一体型太陽光(BIPV)への活用が期待されている。政府も次世代太陽電池の普及を後押ししており、2040年までにペロブスカイト太陽電池を約20GW導入する目標を掲げるなど、市場拡大に向けた取り組みを進めている。

こうした動きを背景に、企業の脱炭素戦略では、屋上太陽光だけでなく、窓や外装など建物部材を活用した発電設備の導入も重要な選択肢と位置付けられつつある。

建物の内窓を利用したペロブスカイト太陽電池では、YKK AP(東京都千代田区)が、ガラスそのものが太陽電池として機能する建材一体型太陽光発電(BIPV)の開発を推進している。積雪寒冷地向けなどの実証を重ね、実用化を目指す。

 

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2026年3月15日

電取委、予備電源制度ガイドライン改定を建議 応札価格のコスト算出を明確化

電力・ガス取引監視等委員会は3月10日、緊急時に必要な供給力を確保する枠組み「予備電源制度」において、電力広域的運営推進機関が実施した「予備電源募集(応札年度:2025年度)」に係る応札価格を監視した結果を公表した。

監視結果を踏まえ、予備電源制度ガイドラインにおいて、予備電源募集の際の応札価格に、経年改修費(資本的支出)と発電側課金を織り込むことができるように、その改定を経済産業大臣に建議した。

 

追加の供給力として休止電源を維持

今回の監視では一部案件で応札価格の修正が必要となり、制度運用上あいまいだったコスト算入ルールの明確化が課題として浮かんだ。

予備電源制度は、緊急時にも必要な供給力が確保されるよう、一定期間内に稼働(立ち上げ)が可能な休止電源を維持する枠組み。安定電源に区分される火力電源を対象に予備電源の募集を行い、落札した予備電源に対して、休止状態の維持費用を手当てする。

大規模災害による電源の脱落や中長期的な需要増など、容量市場において想定されていない事象により、追加の供給力確保を行う必要が生じた際に、供給力不足を防ぐことが目的としている。

この制度は、2022年3月に生じた東京エリアの電力需給ひっ迫を受けて創設され、2024年から予備電源募集が開始された。電力広域的運営推進機関が、予備電源の調達などのプロセスの実施主体を担っている。

 

応札価格を電力・ガス取引監視等委員会が監視

予備電源制度は、候補となる高経年火力の数が限られる。このため、応札容量が大規模な電源は募集量を満たすために落札が不可欠となり、価格つり上げが生じる可能性がある。こうした事情を踏まえ、応札価格については、電力・ガス取引監視等委員会がガイドラインに基づき応札後に監視する仕組みとなっている。

監視では、落札候補となる応札案件について、その案件を応札した事業者に対し、応札価格の算出方法と算出根拠についての説明を求め、事業者から提出された資料などに基づいて、応札価格に織り込まれた各コストがガイドラインで定められた算出ルールに則って算出されているかを確認する。

今回、電力広域的運営推進機関において2025年8月~9月に実施された「予備電源募集(2026年度・2027年度制度適用開始向け)」で落札候補となった応札案件(2社2電源)について、応札価格の監視を行った。その結果、応札価格に織り込むことが認められない金額を確認したことから、その事業者に対し、その旨の通知を行った。その後、通知を受けた事業者から、通知内容を反映して再算定された応札価格の提出があり、いずれも適切に算定されていることを確認した。

 

経年改修費と発電側課金の織り込む考え方の明記を

今回、電力・ガス取引監視等委員会は、予備電源制度ガイドラインにおいて、経年改修費(資本的支出)と発電側課金を応札価格に織り込むことの考え方について明記する必要があると考え、電気事業法に基づき、ガイドラインの改定について経済産業大臣に建議した。

 

経年改修費(資本的支出)について

・改定事項:立ち上げプロセスにおいて電源を稼働させるために、事前に修繕・経年改修工事などを実施しておくことが必要不可欠な場合、これらの費用について応札価格に織り込むことが妥当と考えられる。ガイドラインにおいて、休止状態を適切に維持し、立ち上げプロセスへの応札を行うという基本的なリクワイアメントを満たすために必要最小限の経年改修費(資本的支出)を応札価格に織り込むことが認められる旨を明記する。

・現行のガイドラインでの扱い:現行のガイドラインにおいて、応札価格に織り込むことが認められる主なコストとして、修繕費についての記載はあるが、経年改修費(資本的支出)についての記載はない。他方、「容量市場における入札ガイドライン」において、容量市場の応札価格に経年改修費(資本的支出)を織り込むことが認められると明記されている。

なお、現行のガイドライン上、経年改修費(資本的支出)を予備電源の応札価格に織り込むことが認められなくはないと解する余地もあることから、今年度の監視において、これらの費用の応札価格への算入を認めた。

 

発電側課金について

・改定事項:発電側課金(kW課金)は、電源の休止措置と休止状態の維持を図るという過程で、継続的に発生する費用と考えられる。ガイドラインにおいて休止措置期間中に発生する費用を応札価格に織り込むことが認められる旨を明記する。

・現行のガイドラインでの扱い:現行のガイドラインにおいて、予備電源の応札価格に織り込むことが認められるのは文理上「当該電源の休止状態の維持に係る発電側課金(kW課金)」に限定されている。そのため、「休止措置期間中に発生する発電側課金(kW課金)」についても、応札価格に織り込むことが認められると明記する必要があるとした。

なお、現行のガイドライン上、休止措置期間中に発生する発電側課金(kW課金)を予備電源の応札価格に織り込むことが認められると解する余地はないことから、今年度の監視においては、休止措置期間中に発生する費用の応札価格への算入は認めなかった。

 

2025年度予備電源募集の結果

電力広域的運営推進機関は3月10日、2025年度予備電源募集(2026年度・2027年度制度適用開始向け)の落札結果を公表した。東エリアは応札なしで、西エリアは2社が応札し、2社(2電源)が落札した。電力・ガス取引監視等委員会の監視結果による応札価格の修正を反映した落札結果だとしている。落札事業者数が3社未満のため、落札金額合計は非公表となっている。

 

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