2025年7月10日
ダイヘン(大阪府大阪市)は7月4日、太陽光発電併設型「蓄電池パッケージ」を開発し、販売を開始したと明かした。コンパクトかつ分割搬送が可能な設計で、余剰スペースの少ない施設にも設置しやすい製品となっている。
同製品は、業界初のコンパクトなユニット型のパワコンとキャビネットタイプの蓄電池を採用。狭隘道路や重量制限のある橋梁などを経路とする太陽光発電所への搬入、余剰スペースが限られる太陽光発電所において優位性を発揮するという。
また、パワコン・蓄電池・連系設備・変圧器のパッケージを構成する全機器を合わせても重量は6トン未満で、6トントラックによる分割搬送が行える。これにより、山間部の道路幅員の制限や橋梁の耐荷重にも対応する。このほか、同社独自のEMS「Synergy Link(シナジーリンク)」を搭載。出力抑制が行われる昼間に発電した電気を蓄電池に貯め、市場価格が高い時間帯に売るなど効率的な売電収入が期待できる。
なお、同製品は複数台の組み合わせが可能。同社では、設置環境や必要容量に応じたシステムの構築から、FIP制度活用のための機器・システムを一括で提案する。
再エネ導入促進には需給バランス調整が必要であり、政府は、従来のFIT制度からFIP制度への移行を促している。FIP制度では、事業者は市場価格が高い時に蓄電池に貯めた電力を売電することで収益増加が見込める。
一方で、既設太陽光発電所は、設計当初は蓄電池の設置を想定しておらず、稼働のためのスペースがないことや、搬入が困難といった課題があり、導入が進んでいないのが実情である。特に搬入では、従来のコンテナ型蓄電池はパワコン・蓄電池・連系設備・変圧器が一体構造かつ大型であるため、山間部の施設には搬送できず、また運搬に使用する車両重量は40トン以上となるケースもあり、耐荷重超過のため橋梁を走行できないなどのトラブルがあるという。
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2025年7月9日
新電力のイーネットワークシステムズ(東京都新宿区)は7月3日、宮城県涌谷町で、町有地に新設する太陽光発電所を活用し、再エネ100%の電気をふるさと納税の返礼品として提供するプロジェクトを始動すると発表した。域外からの資金流入を促進し、涌谷町の持続的な発展に役立てる。
このプロジェクトには、イーネットワークシステムズ、涌谷町のほか、太陽光システム販売・施工を手がける日本エコテック(福島県郡山市)、ハンファジャパン(東京都港区)が参加する。
具体的には、涌谷町が日本エコテックに町有地などを貸し出し、日本エコテックが太陽光発電所「涌谷町かがやき発電所」を建設し、管理・運営までを担う。イーネットワークシステムズは、太陽光由来の再エネ電力と環境価値を調達し、「涌谷町産再エネ100%の電気」として供給する。
また、再エネ電力は町内の温泉施設や研修施設などの公共施設に供給し、地産地消として地域で消費する。さらに、災害時には非常用電源としても活用する計画だ。
なお、ハンファジャパンは主催するSDGSパートナーシップ制度「グリーンアライアンス」の太陽光発電システム寄贈プロジェクト「グリーンギフト」を通じて、太陽光モジュール240枚を寄贈した。
涌谷町ふるさと納税でんきの受付開始は今秋の予定。

遠藤 釈雄涌谷町長は、今回の取り組みについて、「これまでになかった革新的な企画である」とし、「関係人口の創出や町政運営の進展につなげたい」と抱負を述べた。また、日本エコテックの木下 繁雄代表取締役は、「今回の取り組みは今後の全国自治体のモデルケースになる」と取り組みの意義を強調した。
ハンファジャパンの「グリーンアライアンス」は2024年6月の発足以来、再エネや住宅関連企業であるパートナー企業と協働し、クリーンエネルギーの供給を中核に、地域貢献やグローバル連携など社会課題の解決に取り組んでいる。6月に開始した第2期では、38社のパートナー企業とともに、太陽光発電システムを無償提供する「グリーンギフト」やマングローブの植林活動などに取り組んでいる。
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