2025年6月1日
エナリス(東京都千代田区)は5月26日、同社が正会員として所属する「EVワイヤレス給電協議会」において、新たなワーキンググループ(WG)「EVワイヤレス給電を活用した新たなサービス検討」を立ち上げたと発表した。
今後構築されていくワイヤレス給電の仕組みにエネルギー・リソース・アグリゲーションの仕組みを融合し、調整力と経済的メリットを生み出すビジネスモデルの検討を進める。
エネルギー・リソース・アグリゲーションとは、蓄電池や電気自動車(EV)などの分散型エネルギーリソースを束ねて制御することによって、電力の需要と供給のバランスを調整すること。再生可能エネルギーの主力電源化で必須となる調整力が確保できるほか、リソース提供側への経済的メリットや、最適な制御による電気料金の削減などに繋がる。
エナリスでは、分散型エネルギーリソースの中でも、家庭用蓄電池やEVなどの低圧リソースを中心に活用したアグリゲーション技術・スキームの開発に取り組んできた。同社は、これまで実施してきた実証事業から、EVは、充電設備に接続された状態であればレスポンス良く対応できるリソースであり、今後の普及次第では主力の調整力として活用できる可能性があると考える。その一方で、充電ケーブルが接続されている状態でなければ制御が不可能であるため、応動率が50%~70%と低くなる傾向にあることや、調整力として活用するためには、車両の場所や状態を常に把握できる状態にしておく必要があることなどの課題も見つけ出したという。
物理的に充電ケーブルを接続させることなく電気エネルギーを伝送するワイヤレス給電でEVに給電できれば、「移動する蓄電池」であるEVを調整力として活用できる可能性がさらに広がり、課題解決策の一つとなることが見込まれる。
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2025年5月31日
東京ガス(東京都港区)と東京都は5月26日、「カーボンニュートラルの実現に向けた取組の加速に関する協定書」を締結した。両者は、2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、エネルギーの安定供給や再生可能エネルギーの拡大、グリーン水素の活用促進などにおいて、相互に連携・協力して取り組む。
協定に盛り込まれた具体的な連携項目は以下の通り。
東京都は、2050年代に目指す東京の姿「ビジョン」を実現するため、2035年に向けて取り組む政策を取りまとめた都政の新たな羅針盤として「2050東京戦略~東京 もっとよくなる~」を2025年3月に策定。脱炭素社会の実現を掲げ、世界的なネットゼロへの貢献を目指している。
具体的には、水素ステーションの拡充、燃料電池商用車の導入新目標(2035年までに約1万台導入)、グリーン水素実装のための補助金、合成燃料のモビリティ提供などへの支援策などを発表し、脱炭素に向けた施策を強化している。
東京ガスとは5月7日に、東京都と共同で、再エネ由来のグリーン水素と下水汚泥由来のCO2を活用して都市ガスの主成分である「e-methane(e-メタン)」を製造する実証を実施すると発表している。
今回のカーボンニュートラルの実現に向けた協定は、両者の取り組みをさらに加速する見通しだ。小池百合子東京都知事は、「今回の協定をベースに連携・協力を深化させ、様々な分野での取組を加速さてし、共に世界のモデルとなる『脱炭素都市』の実現を目指したい」とコメントしている。
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