2025年7月30日

サントリーホールディングス(大阪府大阪市)は7月24日、PXP(神奈川県相模原市)と共同で、カルコパイライト太陽電池で稼働する自動販売機の実証実験を開始すると発表した。期間は1年間で、自販機における同太陽電池の実用性や電力供給能力を検証する。同太陽電池を使用した太陽光パネルの自販機への活用は、世界初の試み(サントリー・PXP調べ)となる。
従来のシリコン太陽電池を用いた太陽光パネルは、結晶型シリコンやそれを覆う強化ガラスなど重量のある部材で構成され、自販機への設置には架台や屋根などの付帯設備が必要だった。また付帯設備は、設置場所や自販機1台に設置できる太陽光パネル数に制約があった。
カルコパイライト太陽電池は、薄い・軽い・曲がるに加え、屋外耐久性や耐衝撃性に優れるという特長がある次世代型太陽電池。
今回の実証では、PXPが開発したカルコパイライト太陽電池をモジュール化した太陽光パネルを使用し、追加設備なく自販機本体に太陽光パネルを直接設置する。太陽光パネルの設置箇所は、自動販売機の両側面、背面、上面の4面で、従来型の太陽光パネルを搭載した自動販売機に比べて、発電量が大きくなる見込みだ。

この取り組みにおいて、サントリーは、自動販売機の提供や実証用地(相模原市立相模原麻溝公園)への設置、実用性の確認・検証を担当する。PXPは、カルコパイライト太陽電池の技術提供や電力供給能力の検証を行う。なお、実証では、カルコパイライト太陽電池のほかに副電源も使用予定だ。
両社は、今回の実証結果を踏まえ、今後は工場や建物など自動販売機以外での活用先拡大も検討していく。また、将来的には、これまで自動販売機が設置できなかった電源のない場所への設置や災害時の電源としての利用なども目指す。
カルコパイライト太陽電池は、無機化合物半導体系の次世代型太陽電池。同ジャンルでは、有機物半導体系のペロブスカイト太陽電池などがある。
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2025年7月29日

太陽光発電協会(JPEA/東京都港区)は11月5日~12日にかけて、「ソーラーウィーク2025」を開催する。同イベントは太陽光発電の主力電源化に向け、事業者や自治体、需要家などの多くの関係者とともに克服すべき課題や解決策を議論するもので、期間中、「ソーラーウィーク大賞」表彰式やシンポジウム・セミナー・ワークショップなどが行われる。
「ソーラーウィーク2025」は、第7次エネルギー基本計画の最終目標年である2040年に向けた課題解決の道筋を議論し、多くの関係者に太陽光発電の本当の良さ、将来のあるべき姿を理解してもらうことを目指している。太陽光発電をすでに導入している人だけでなく、今後取り組む人を含め、多くの参加者を募ることで、国と地域に大きな便益をもたらす自立した基幹エネルギーとなるためのきっかけとするのが狙いだ。
11月5日には、「ソーラーウィーク大賞」表彰式を実施。表彰者による簡単なプレゼンや審査員からのコメント発表を行う。
そのほかの主なイベントは以下の通り。
同賞は、地域に貢献し他のモデルともなる太陽光発電の普及拡大に資する取り組みなどを表彰するもので、2023年に創設された。2025年度の公募エントリー期間は8月31日まで。大賞の結果公表は10月の予定。
応募資格は、対象となる事業・取り組みに関わる法人・組織(複数の法人・組織の共同申請も可)で、太陽光発電事業(普及拡大に資する取り組み・事業を含む)を実施する法人・組織が含まれることが要件。
2023年度は、ワタミオーガニックランド(岩手県陸前高田市)が、ぶどう栽培を行っている農地の上部空間を有効活用したソーラーシェアリング事業で、2024年度は、市民エネルギーちば(千葉県匝瑳市)が、ソーラーシェアリングによる市⺠共同発電所で、地域農業を支援する仕組みなどを構築した取り組みで大賞を受賞した。
参加申し込みは、JPEAのウェブサイトで後日開始する。
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