2025年6月17日
積水化学工業(大阪府大阪市)は6月12日、同子会社の積水ソーラーフィルム(同)が、関西エアポート神戸(兵庫県神戸市)と連携し、神戸空港の制限区域内でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始すると発表した。空港特有の強風による影響などを検証する。
この実証では、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を神戸空港制限区域内の緑地帯にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を防草シート上(約50m2)に設置し、空港特有の耐風性能などの安全性や施工方法、耐久性・発電効率などを検証する。期間は、2025年6月から2027年3月までの予定。
空港制限区域内におけるフィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置は国内初の試みで、積水化学工業らは、軽量・薄型で柔軟性を有するペロブスカイト太陽電池の特性を生かすことで、空港機能を維持しながら将来的な再エネの導入拡大につなげたい考えだ。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再エネの導入拡大が求められる中、太陽光発電に関する取り組み、特にフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化が進められている。
積水化学グループでは、これまでに銀行店舗や学校体育館、新幹線の防音壁、風力発電タワーなどでの実証のほか、近年は静岡県内の湾岸施設や沖縄県宮古島市などより過酷な環境での検証を行っている。
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2025年6月16日
日本化薬(東京都千代田区)とJFEエンジニアリング(同)は6月9日、「多拠点一括エネルギーネットワークサービス(JFE-METS)」を導入したことを公表した。日本化薬の高崎工場(群馬県高崎市)に新設したガスコージェネレーションシステムにより、同工場に電力と熱を供給、余剰電力を日本化薬の国内12拠点に融通するもの。4月から稼働しており、医薬・化学業界でのJFE-METSの導入は業界初という。
このサービスは、JFEエンジニアリングが日本化薬の高崎工場内に新たに発電施設(ガスコージェネレーションシステム)を建設・運営し、「電力」と「熱」を長期間(15 年間)に渡り供給するもの。
今回、新たに設置したガスコージェネレーションシステムは、発電出力7800kWで、一般家庭の約1万7000世帯分に相当する。この発電時の熱を有効活用することで、製品製造に大量の熱を必要とする高崎工場におけるエネルギー使用量を18%削減(2021年度比)する。さらに、余剰電力を日本化薬グループの12拠点へ融通することにより、供給対象となる拠点のCO2排出量を約45%(2023年度比)削減する見通しだ。
日本化薬グループは、2019年度比で2030年度までにGHG排出量(スコープ1、2)を46%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げる。今後もCO2排出削減を進めるとともに、バリューチェーン全体での脱炭素化を目指す。
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