2026年2月26日
ブルースカイエナジー(東京都中央区)は2月18日、リミックスポイント(東京都港区)と同社子会社であるシールエンジニアリング(同)と共同で、低圧太陽光発電所のFIP制度移行に向けた事業性検証プロジェクトを開始すると改めて発表した。
この検証では、低圧太陽光発電所において、蓄電システムの併設と、FIT制度からFIP制度への移行を見据えた発電・蓄電・売電を含むシステム全体の運用最適化を図る。
具体的には、ブルースカイエナジーが保有する鹿児島県志布志市の低圧太陽光発電所10区画と、リミックスポイントが保有する熊本県菊池市の10区画において、Tensor Energy(福岡市中央区)が提供する再生可能エネルギー発電事業プラットフォーム「Tensor Cloud」をアグリゲーション運用システムとして採用し、蓄電システムの併設とFIT制度からFIP制度への移行を見据えた運用の最適化を図る。これにより収益向上と低圧アグリゲーションの事業性確立を検証することを目的としている。
リミックスポイントは、アグリゲーターとして最適な蓄電システムの設計・提案・導入を担う。蓄電池事業を展開するシールエンジニアリングは太陽光発電所と蓄電システムの運用最適化を担う。ブルースカイエナジーは太陽光発電設備の改修・運営・管理を担う。また、Tensor Energyは、アグリゲーション運用システムとして、最先端のAIとデジタル技術を駆使した「Tensor Cloud」を提供する。
事業用太陽光発電の導入件数において、低圧の太陽光発電所は全体の9割を占める大きな市場規模を持つ一方、発電効率や手続き面の負担から採算性に課題があり、参入障壁の高い事業環境となっている。また、政府は2027年度以降、FIT/FIP支援制度の対象を見直す方針を示している。今回の取り組みでは、システム全体の運用最適化と蓄電池を活用して売電タイミングを最適化し、低圧太陽光発電事業の新たな可能性を検証する。
FIT制度からFIP制度移行を見据えたプロジェクトは、リミックスポイントが保有する10区画のリュミエ菊池発電所(熊本県菊池市)と、ブルースカイエナジーが保有する10区画の志布志発電所(鹿児島県志布志市)で実施する。両発電所において、2026年春頃に蓄電システム増設などの設置工事を開始、2026年秋頃にFIP制度への移行手続き開始、2026年冬頃にFIP制度への移行を完了、運転を開始する予定。
・所有者:リミックスポイント
・発電出力:約500kW(1区画当たり低圧49.5kW)
・年間想定発電量:約594,000kWh(10区画)
・主な追加設備:蓄電池(定格容量)約2,090kWh(1区画当たり約209kWh)
・所有者:ブルースカイエナジー
・発電出力:約500kW(1区画当たり低圧49.5kW)
・年間想定発電量:約744,000kWh(10区画)
・主な追加設備:蓄電池(定格容量)約2,610kWh(1区画当たり約261kWh)
今回の検証は、FIT制度からFIP制度移行を見据えた、リミックスポイントとブルースカイエナジーによる協業の第1号プロジェクトとして実施する。今回実施する2カ所にとどまらず、今後も協業範囲を順次拡大していく予定。
リミックスポイントとシールエンジニアリングは、FIP制度下における低圧太陽光発電所の最適な運用を通じた事業性の検証を目的に、ブルースカイグループとの協業を開始した。2025年12月に、太陽光発電所の開発から運営・保守(O&M)に至るまでを一貫して手がける、ブルースカイグループ傘下のブルースカイソーラー(東京都港区)と、1月に、ブルースカイグループ傘下で、太陽光発電所・蓄電所の開発から運営・管理までを手がけるブルースカイエナジーと業務提携契約を締結している。
ブルースカイエナジーは、主に大規模開発を伴わない太陽光発電所のリパワリング工事や蓄電所に関するEPC事業や開発事業を行っている。全国に24カ所の拠点を有しており、土地の調達から発電所や蓄電所の開発・施工のほか、草刈りや除雪、日常の修繕といった管理業務を担っている。現在は、リパワリングと蓄電所の開発に注力しており、リパワリングは全国100カ所、150MW以上の実績があり、蓄電所については2027年までに全国50カ所以上の系統用蓄電所の開発、太陽光発電所併設型蓄電池の開発も進めている。
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2026年2月25日
東京大学発スタートアップのヒラソル・エナジー(東京都文京区)は2月19日、FIT制度の既設太陽光発電所をFIP制度へ移行し、発電所の運用最適化を図る取り組みを、イースト・エンジニアリング(同・港区)と開始したと発表した。
対象となった発電所は、出力1.5MWの「福岡飯塚第一太陽光発電所」。両社は今後、同発電所の持続可能な運用と収益拡大を目指す。
イースト・エンジニアリングは、発電所のEPC(設計・調達・建設)の豊富な知見・実績を、ヒラソル・エナジーは、太陽光発電量の高精度予測技術や独自開発のエネルギー制御システム(EMS)を用いた蓄電池制御の実績を有している。このプロジェクトにおいて、同社は、既設のFIT太陽光発電所の選定や設備のメンテナンスを行う。
ヒラソル・エナジーは、アグリゲーターとして、高精度な太陽光発電量予測技術および独自開発のエネルギー制御システム「J-EMS」を活用し、発電量予測やインバランス低減に向けた対応、発電計画の策定・電力広域的運営推進機関(OCCTO)への提出、非化石価値の取り扱いを含む日々のオペレーション業務を担う。
再エネの安定的活用に向けては、需給バランスに応じた電力市場の変動を考慮し発電量を調整し、再エネを主力電源化することが求められる。2022年度からFIT制度に加えて、市場連動型のFIP制度が導入された。
FIP制度は、固定価格での買取を行うFIT制度と異なり、市場価格と連動して変動するため、市場の動向に応じて発電収入も変動する。売電する際には、電力市場の需要と供給のバランスを保つために、事前に発電量の予測に基づく発電計画の提出や、実際の発電実績値と乖離がある場合は、「インバランス料金」としてペナルティの支払いが要求される。
これまではFIT制度により、再エネが急速に拡大した。しかし、FIT制度では電力市場の影響を受けず固定価格での電力の買取が保証されているため、電力の需給バランスを考慮する必要がなく、結果として、電力供給が需要を上回るなどバランスを崩す一因となっている。
ヒラソル・エナジーは、経済産業大臣に対し、特定卸供給事業制度に定められた特定卸供給事業者(アグリゲーター)の届出を行い、2024年に特定卸供給事業者一覧に掲載された。
特定卸供給事業者は、分散型電源を有する者やリソースアグリゲーターなど電気の供給能力を有する他の者(発電事業者を除く)から、1MWを超えて電気を集約・統合制御し、一般送配電事業者や小売電気事業者、特定送配電事業者、配電事業者に電気を供給する事業者をいう。
ヒラソル・エナジーは、今後は、アグリゲーターとして、このプロジェクトで得られた知見を活かし、既設のFIT太陽光発電所を対象に、FIP制度移行後の効率的な発電所運用を支援していく。
なお同社の太陽光発電量の予測技術は、2023年に開催された第1回「太陽光発電量予測AIコンペティション」にて、短期予測賞を受賞。これまで積み重ねてきた独自のシミュレーション技術により、発電量の予測精度を向上、正確な発電予測により、予測発電量と実績発電量の差異を最小限に抑えることができ、収益に影響するインバランス料金を削減・最適化を実現している。
このほか、米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ発電所(山梨県甲府市)にて、開発したエネルギー制御システム「ぷらマネリンク」を用いた複数台の蓄電池制御を行っている。
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