2026年5月1日
大阪ガス(大阪府大阪市)と神戸製鋼所(兵庫県神戸市)は4月24日、関西エリアの製鉄・火力発電由来のCO2を回収し、海外で地層貯留することを想定した大規模CCS(CO2回収・貯留)の実現可能性に関する予備調査(プレFS)を実施したと発表した。
実施期間は2025年6月から2026年3月までで、関西エリアを起点としたCCSバリューチェーンの全体像を俯瞰し、今後の検討に向け主要な課題を整理した。
大阪ガスは、日本国内の工場などのCO2排出源からCO2を回収し、海外の貯留地に圧入することを目指し、2023年5月より英石油大手シェルとCCSバリューチェーン構築に関する共同検討を行ってきた。
今回、大阪ガスと神戸製鋼は、シェルと共同で予備調査を実施した。
神戸製鋼所の加古川製鉄所を対象に、製鉄所を排出源とするCO2回収、回収したCO2の液化・貯蔵・出荷、海外への船舶輸送、主に技術的実現可能性や各工程の概算コスト、制度面の論点を整理し、初期段階の事業性評価を行った。
また、大阪ガスがCCUなどを検討してきた泉北天然ガス発電所(出力110万kw)から回収した排ガス中のCO2との共同輸送も含め検討が行われた。
これらの検討を通じて、関西エリアを起点としたCCSバリューチェーンについて、想定条件の下で要点となる構造を策定し、コスト、政策的支援、規制・制度、関係者連携など、今後の検討に向けた主要課題を整理した。
今後も大阪ガスと神戸製鋼所は、中長期的な視点でCCSの可能性について検討を継続していく方針だ。
日本の産業分野では再エネ導入や天然ガスへの燃料転換などによる脱炭素化が進められるが、鉄鋼・セメント・化学などの製造業では製造工程で排出されるCO2を削減することが困難だ。特に鉄鋼業は製造業が排出するGHGの4割近くを占める排出源となっているため脱炭素化が急務とされるが、製鉄のプロセスで石炭は必要不可欠であることが脱炭素化を阻む。CCSは、こうした分野において中長期的な排出削減につながる技術の一つとして期待され、国内外で検討が進められている。
CO2を地下に貯留するためには、地表面や海底面から1000m以上深い地質であることや、多孔質の地層(貯留層)が存在し貯留岩が泥岩などの不浸透性の地層で覆われていること、十分な貯留容積を有していることという3つの地質条件が必須とされる。
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2026年4月30日
日本ゼオン(東京都千代田区)は4月24日、山口県周南市の徳山工場で製造している単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を増産に向け、同工場敷地内に新たに建屋を建設し、生産ラインを整備することを発表した。
リチウムイオン電池向けに需要が拡大するSWCNT市場におけるシェア拡大を図るのが目的。2026年秋に工事を開始し、2028年に本格稼働する。
同社は新しい生産ラインを整備することにより、安定供給が可能な体制を強化し、生産能力を数十倍に増強する。また、これまでの製法をベースとした独自製法の開発にも成功しており、増設ラインでは新製法により生産効率・品質の向上を図る方針。
なお、この取り組みは2月17日、経済安全保障推進法に基づいた経済産業省が実施する助成金「蓄電池に係る供給確保計画」の認定を受け、最大助成額は約51億円が助成される。
カーボンナノチューブは、電気・熱の導電性が高く軽量という特長を持ち、多様な用途が期待されている日本発の材料だ。特にSWCNTは、電池のエネルギー密度とサイクル寿命を大幅に向上させる材料として需要が高まっている。EV、ドローン、eVTOL航空機などの民生用途だけでなく、AIサーバーBBU、再生可能エネルギー ESS、自動化ロボティクスなどの産業分野で需要が急増するリチウムイオン電池への活用が期待される。
産業技術総合研究所の畠賢治博士らによって見出された単層カーボンナノチューブの効率的な合成法「スーパーグロース法」により、生産性が従来の1000倍以上に向上し、高品位かつ製造コストを大幅削減しつつ単層カーボンナノチューブが合成できるようになった。
日本ゼオンは、このスーパーグロース法をさらに発展させ量産に成功し、2016年に商業生産を開始。「ZEONANO®」ブランドで、高純度(電気・熱の伝導性が高い)・高比表面積(軽量だが表面積は大きい)・高アスペクト比(長尺)を特長とするSWCNTを製造・販売している。
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