2025年6月19日
YKK AP(東京都千代田区)は6月16日、エネルギー庁が実施する「事業者クラス分け評価制度」(2024年度提出分)において、最高評価の優良事業者(Sクラス)を、今年も取得したと発表した。スマートファクトリー化やエネルギーマネジメントシステム導入などを行い、制度が創設された2016年度から10年連続でSランクを取得した。
YKK APは、2024年度に努力目標である「エネルギー原単位の年1.0%低減」を上回る2.1%低減を実現した。
具体的な施策としては、製造拠点において生産設備の更新やスマートファクトリー化、エネルギーマネジメントシステムの導入、照明のLED化、工場建屋の屋根断熱強化などを行った。また太陽光発電設備を積極的に導入し、自家消費として活用する取り組みを進め、2025年3月末時点で再エネ総発電容量は16.2MWとなった。
このほか、2024年10月竣工した「YKK AP30ビル」では、風や光など自然エネルギーを活かしたパッシブデザインを採用しZEBを達成したほか、定期報告書の情報開示制度への参加宣言し、資源エネルギー庁ウェブサイトでの関連情報の公開やアクセス向上に取り組んでいる。
「事業者クラス分け評価制度」は、「エネルギー使用の合理化および非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(省エネ法)に基づき、一定規模以上の事業者を、S・A・B・Cにクラス分けを行う制度。
評価方法は、5年間平均で「エネルギー原単位または平均電気需要最適化評価原単位」を年1.0%以上低減する努力目標と、ベンチマーク目標の2種類がある。
資源エネルギー庁は3月、省エネ法における特定事業者による2023年度実績(2024年度提出)のエネルギー使用状況に基づく省エネ優良者(Sクラス事業者)を公表。Sクラスは前年度から0.7ポイント増の52.7%だった。
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2025年6月18日
三菱地所コミュニティ(東京都千代田区)は6月12日、レジル(同)と共同開発した新たな防災サービス「Solares+LiNK(ソラレスプラスリンク)」を埼玉県内のマンションに初導入したと発表した。
「Solares+LiNK」は、レジルの「マンション防災サービス」と、三菱地所コミュニティが管理マンション向けに展開している防災コンセプト「そなえLiNK」をかけ合わせた商品。防災対策を講じながら、同時にマンション1棟の電力をまるごと脱炭素化を実現する。
「マンション防災サービス」は、マンション一括受電サービスとともに、太陽光発電設備や蓄電池を設置し、災害時・平時の再エネ利用により脱炭素化を図るというもので、利用者は初期投資なしで災害時の非常用電源を確保できる。「そなえLiNK」では、三菱地所コミュニティが管理組合に代わって防災訓練や防災マニュアル作成などを代行する。
「Solares+LiNK」導入1号物件となる埼玉県内のマンションは、レジルの「マンション一括受電サービス」をすでに導入済みで、三菱地所コミュニティが培ってきたナレッジに加え、新設置する太陽光発電設備や蓄電池に関する情報を含めた拡充版の防災マニュアルが提供される。
同マンションの管理組合は、近年増加傾向にある大規模災害を背景に災害対策を検討していた。「Solares+LiNK」導入に際しては、以下の点を評価した。
同マンションでは、今秋をめどに各種設備の工事を行い、サービスの運用を開始する予定だ。
三菱地所コミュニティとレジルは2024年8月、業務提携に向け基本合意書を締結し、マンションのレジリエンス向上と脱炭素化推進につながるサービスの共同開発を決定した。翌9月に同サービスを開発。三菱地所コミュニティの管理物件に対し営業展開を始めた。
両社は今後も、災害に強く環境に優しいマンションの実現に向け連携を強化していく。
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