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2026年3月5日

YKKAP×パナソニックのペロブスカイト実証 建材一体型内窓で配線も検証

パナソニックホールディングス(大阪府門真市)は3月2日、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の製品化に向けた実装段階の実証として、同社技術部門「西門真新棟」窓部で実証実験を開始することを明らかにした。

 

意匠・透過性の異なる3種類のサンプルを使って検証

「西門真新棟」は同社の技術開発拠点で、4月に本格稼働を予定している。ガラス型ペロブスカイト太陽電池の実証は、稼働開始を見据えた先行的な取り組みとして位置付けられる。

実証では、建材としての取り付け方法や太陽電池としての配線方法など、実装段階における技術検証を進めるとともに、意匠や透過性の異なる複数サンプルを用いて外観・性能の比較検証を行う。

実証で使用するガラス型ペロブスカイト太陽電池は、6mm+6mmの合わせガラス構成とし、サイズ・グラフィックパターン・透過性の異なる5枚を設置する。

意匠性および発電性能の比較検証を行うサンプル3種のサイズ・パターンの詳細(単位:mm)は以下の通り。

・W1673xH1000:リーフパターン(1枚)

・W670xH1392:グラデーション(2枚)

・W670xH1392:透過性比較用サンプル(2枚)

施工は、既設サッシを残した状態でガラスのみを撤去し、配線対応の新規サッシを後施工で増設。その内側にガラス型ペロブスカイト太陽電池を組み込む方式とする。 実装検証を行う場所にBIPV内窓を設置する。

 

YKKAPとガラス型ペロブスカイトの共同実証

パナソニックHDは2025年11月から、YKK AP(東京都千代田区)と、 ガラス型ペロブスカイト太陽電池をYKK APの建材一体型太陽光発電(BIPV)の内窓に設置する実装検証を開始している。検証は、YKK APが入居する「谷町YFビル」(大阪府大阪市)8階の室内における4窓で、約1年間行われる予定。

この実装検証では、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の内窓への据え付け方法を検討するとともに、施工性、透過性、意匠性、視認性について検証を行う。

BIPV内窓(4窓)はYKK APが製作・設置を行い、賃貸物件など既設窓に設置する方法である木枠(高耐候化木材)による施工方法を採用し、これについて検討する。また、今回の実装検証では、回路接続はされていないため発電性能の検証は行わないが、配線の取り回しまでを想定し施工している。

この内窓には、4種類の異なるデザインで製作したガラス型ペロブスカイト太陽電池の試作品を取り付ける。

試作品4種類のデザインは、デザイン+文字入り、グラデーション柄、透過性(2パターン)。透過性は、ペロブスカイト太陽電池層にレーザー加工を施すことで、光を通す領域を形成した。加工の度合いに応じて透過性が変化し、それに伴い発電性能も変化するため、建築用途や設置環境に応じ柔軟な選択ができる仕様だという。

 

実用化に向け技術開発と実証が進むYKK APのBIPV内窓

BIPV内窓は、太陽電池に適したサッシ枠を独自開発し、内窓と太陽電池を一体化させたものを1つの製品として、YKK APが技術開発を進めている。「窓で断熱(省エネ)」、「窓で発電(創エネ)」の2つの機能を持ちながら、施工性・メンテナンス性にも優れる内窓として社会実装に向けた実証が行われており、2025年8月から東京都港湾局、関電工(東京都・港区)、東芝エネルギーシステム(神奈川県川崎市)と共同でテレコムセンタービル(東京都江東区)にフィルム型モジュールの次世代型ソーラーセルを活用したBIPVを設置し、創エネ効果などを検証する実証が開始された。また、同年10月28日からは今回の実証場所である谷町YFビルの6・7階(計27窓)においても、系統連系し運用した場合の実装検証を開始している。

 

国のペロブスカイト太陽電池導入目標は「2040年までに20GW」

2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」において、太陽光発電の電源構成比率(2022年度実績で9.8%)を2040年までに23~26%に引き上げる方針が示され、ペロブスカイト太陽電池を2040年までに20GW導入するという目標が明記された。

形状や施工性についてフレキシブルな特徴を持つペロブスカイト太陽電池は、建物の窓や壁面などに施工できることから、国内の平地面積が限られた地域での再エネ導入手段として期待される。

ビルの窓などに設置する場合などは透過性や意匠性も重視されるが、パナソニックHDが開発中のガラス型ペロブスカイト太陽電池は、サイズや透過性、描画の自由度が高いことから、こうした状況への対応を見込む。独自の材料技術やインクジェット塗布製法、レーザー加工技術を組み合わせることで、これらの特長を実現した。

 

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2026年3月4日

アイ・グリッド、堺市で再エネ地産地消モデル始動 分散型太陽光をAIで集約

アイ・グリッド・ソリューションズ(東京都港区)は2月26日、大阪府堺市内にある複数の民間施設の屋根上に設置された太陽光発電設備の余剰電力を集約し、堺市役所本庁舎(本館・高層館)へ供給する取り組みを本格始動したと発表した。

このプロジェクトは、自治体と連携し、地域内で発電した再エネを地域内で消費する「地産地消」を実現するもの。「再エネ発電の適地不足」という都市部企業の課題に対し、AIによる需給最適化技術で対応を図る点が特徴だ。分散した屋根上太陽光の余剰電力を集約し需要側へ供給することで、単独企業では難しい再エネ拡張の可能性を広げるモデルといえる。

 

分散電源をAIで制御、余剰電力を有効活用

同社はこれまで、スーパーマーケットや工場など法人施設の屋根を活用した太陽光発電設備の導入を促進し、全国46都府県で約1300カ所を開発してきた。既存建物の屋根を活用することで、新たな土地造成を伴わない分散型電源の拡大を実現している。

企業や施設の屋根上などに設置された分散型太陽光発電設備で生じる、自施設では使い切れない余剰電力を、同社独自のAIを活用したアグリゲーション技術で集約・制御する。発電量や需要量を施設ごとに解析・調整することで、発電施設単体では活用しきれなかった電力を他施設へ融通し、安定供給を可能にする仕組みだ。

 

堺市モデルを横展開へ、再エネ地産地消を軸に地域GX推進

堺市での取り組みでは、地域との共生に配慮し、地元の民間事業者による太陽光発電設備の設置から電力供給、堺市役所本庁舎での利用まで一貫した枠組みとして進め、再エネ活用を最大化する。

エネルギー価格の高騰や過疎地域における若年層の流出、都市部での再エネ適地不足など地域課題が顕在化する中、再エネを「つくる」だけでなく、地域内で循環させ価値を地域に還元する取り組みの重要性が高まっている。

同社は、分散型再エネの地産地消を起点に、脱炭素化やレジリエンス強化、地域経済の活性化、暮らしの質の向上を自治体や地域企業とともに実現する都市モデル「GX City構想」を掲げており、堺市の取り組みを実装モデルと位置付ける。今後は自治体や地域企業と連携し、持続可能な地域GXの実現を目指す考えだ。

 

地域金融と連携、脱炭素投資を支援

また同社は2023年、栃木銀行(栃木県宇都宮市)と、再エネ事業を手がける新会社「クリーンエナジー・ソリューションズ」を設立した。

地域自治体や中小事業者にとって、再エネ導入や脱炭素経営への転換に伴う費用負担は依然として課題である。新会社では、地域特性を活かした再エネ事業を展開し、地元自治体や企業の脱炭素化を後押ししている。

 

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