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2026年5月11日

太陽光発電パネルのガラス、粉砕せずにリサイクル可能に 高度化法で認定

浜田(大阪府高槻市)は5月7日、使用済み太陽光発電パネルを剥離・選別処理しガラスを水平リサイクルする事業について、資源循環社会の実現に向けた国の新制度「再資源化事業等高度化法」の高度分離・回収事業(類型2)において、国内第1号となる認定を取得したと発表した。

認定事業者は、廃棄物処理法上の許可不要や法人税優遇などの特例対象となり、技術革新や設備投資を通じた効率的な資源循環を推進することが期待される。

 

ウォータージェット工法を開発

浜田は、産業廃棄物の分別処理やゼロエミッションリサイクルを手掛ける。今回の再資源化事業等高度化法の類型2(高度分離・回収事業)は、4月30日に取得した。

浜田は、今回の認定の取得について、今後本格化する使用済み太陽光発電パネルの大量排出に対し、従来主流であった埋め立て処理から、カバーガラスを再び板ガラス原料として活用する「水平リサイクル」への転換を推進し、サーキュラーエコノミー実現に向けての重要な一歩となるものと位置付けている。

使用済み太陽光発電パネルは、ガラス、セル、封止材(EVAなど)、バックシートなど複数素材が強固に一体化した複合材である。なかでも、カバーガラスを板ガラス原料として再利用するうえで、ガラス表面に残る樹脂成分が大きな障壁となっている。これまで実施されてきた一次分離のみでは、この残存樹脂を十分に除去することが難しく、ガラスメーカーが求める品質基準を満たせないという課題があった。

そこで、浜田は、ホットナイフによる分離後の二次処理として、表面処理技術に着目したウォータージェット工法を開発した。水圧条件の最適化を重ねることで、ガラスを損傷させることなく、残存樹脂を高精度に除去するプロセスを確立した。

この技術により、従来のような低位利用(ダウンサイクル)ではなく、太陽光発電パネルのカバーガラスを再び板ガラス原料として活用する「Glass to Glass」の水平リサイクルが可能になった。

 

動静脈連携で実装可能な資源循環システムを構築

浜田は、自社単独の技術開発だけでなく、太陽光発電パネル由来のガラスカレット活用に前向きなガラスメーカーとの対話を重ね、求められる品質基準を踏まえながらプロセスのブラッシュアップを図ってきた。

その結果、浜田で再資源化したガラスは、大手ガラスメーカー各社より「原料として実用可能」との高い評価を得ている。これは、技術がラボレベルに留まらず、実用性と経済性を兼ね備えた「社会実装できるレベル」にあることを証明するものだとしている。

また、輸入原料に依存する従来のサプライチェーンに対し、この素材は輸送や溶融過程における温室効果ガス(GHG)排出を抑制できるため、メーカー側の脱炭素戦略とも合致している。これにより、排出事業者から回収、処理、再資源化、そして再利用先であるメーカーまでを強固につなぐ、「実装可能な資源循環システム」を構築できたと考えている。 今後は、処理能力の拡大、回収ネットワークの整備、動静脈連携のさらなる強化を進めるとともに、浜田が培ってきた知見を広く業界へ還元していく。

 

ガラス原料として循環させる仕組みの構築が課題

2012年のFIT制度開始以降、日本国内では太陽光発電設備の導入が急速に進んだ。今後は耐用年数を迎える太陽光発電パネルの大量廃棄が本格化すると見込まれている。これまでの太陽光発電パネル処理では、アルミフレームなど一部素材を回収した後、パネル重量の60%以上を占めるカバーガラスを含む大半が埋め立て処分されるケースも少なくなかった。単なる破砕・埋め立てではなく、再びガラス原料として循環させる仕組みの構築が、これからの資源循環における重要課題となっている。

日本板硝子(東京都港区)は4月、使用済太陽光発電パネルのカバーガラスを原料としてフロート板ガラスを製造する水平リサイクルの実証実験に成功したことを報告している。この取り組みでは、トクヤマ(同・千代田区)が、独自の低温熱分解法を用いて太陽光発電パネル用カバーガラスから分離処理した再生ガラスを原料として供給した。

セントラル硝子プロダクツ(三重県松阪市)は2月より、圧縮破砕方式による太陽光発電パネルカバーガラスの水平リサイクルを開始している。圧縮破砕方式は、ロール破砕機により圧縮を加えて太陽光発電パネルを分離する技術をいう。この取り組でみは、ウム・ヴェルト・ジャパン(埼玉県大里郡寄居町)において、圧縮破砕方式で分離・回収されたカバーガラス約2トンを原料の一部に使用した網入り磨き板ガラスの試験生産に成功している。

これまで、太陽光発電パネルのカバーガラスを板ガラスとして再資源化するリサイクルでは、熱処理方式やホットナイフ方式による分離が一般的で、圧縮破砕方式を用いた水平リサイクルは国内で初めての取り組みとなるという。

 

「再資源化事業等高度化法」による認定制度について

温室効果ガス削減効果の高い資源循環を促す再資源化事業等高度化法は、2024年3月15日に閣議決定し、2025年11月21日に全面施行された。再資源化のための廃棄物の収集・運搬・処分の事業の過程の高度化を促進するための措置などを講じており、そのひとつとして、再資源化事業などの高度化事業に対して国が認定を行い、各種手続きなどに特例を設けた制度を設けている。

この認定制度では、事業の特性に応じ、類型1(高度再資源化事業)、類型2(高度分離・回収事業)、類型3(再資源化工程の高度化)の3つに区分されている。高度再資源化事業(類型1)では、4月30日に、石坂産業(埼玉県入間郡三芳町)、DINS関西(大阪府堺市)が国内初の認定を取得している。

 

 

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2026年5月10日

中部電力のバイオマス発電PPA、2社に導入 年3,085tのCO2削減へ

中部電力ミライズ(愛知県名古屋市)は5月1日、同社のオフサイト型バーチャルPPAサービスを通じ、日本トムソン(東京都港区)とすかいらーくホールディングス(同・武蔵野市)への環境価値の提供を開始した。岐阜県美濃加茂市のバイオマス発電所由来の環境価値を活用し、日本トムソンは年間約2,055t、すかいらーくHDは中部エリア12店舗で年間約1,030tのCO2削減を見込む。

 

日本トムソン、地産地消の環境価値で年間2,000t超のCO2削減へ

ニードルベアリングや直動案内機器を手がける国内大手の日本トムソン(東京都港区)は、美濃加茂バイオマス発電所(岐阜県美濃加茂市)から創出される「環境価値」を17年間にわたり長期調達し、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速させる。この取り組みでは、同発電所が地域の未利用間伐材などを燃料に発電した電気の環境価値(非化石証書)を、中部電力ミライズを通じて日本トムソンが調達する。

日本トムソンは今回の契約により、年間約50GWh相当の環境価値を約17年間にわたって安定的に取得する計画だ。これにより、同社グループ全体で年間約2055tのCO2排出削減が可能となる見込み。同社の2022年度実績に対して排出量を約6.4%削減し、使用電力の再エネ化率を約8.1ポイント上げる効果がある。

 

「追加性」ある再エネと森林保全への貢献

日本トムソンが今回、バイオマス発電を選択した背景には、環境負荷低減への強いこだわりがある。同社は経営理念に「社会に貢献する技術開発型企業」を掲げ、単なる排出量削減にとどまらない、社会に新たな再エネ設備を増やす効果を重視した調達を推進している。

燃料として活用される未利用間伐材は、製材に適さない細い木や枝葉など本来は廃棄される予定の木材。これらを燃料チップとして有効活用することにより、森林整備の促進や森林保全に直結するとみている。

日本トムソンは岐阜県内に主要な国内生産拠点を構えており、同県内の資源を活用した「地産地消型」の環境価値利用を実現した点も、地域林業の活性化を後押しする狙いがある。

 

エネルギー・製品両面で推進する脱炭素

日本トムソンは2030年度までにスコープ1・2の温室効果ガス排出量を42%以上削減(2022年度比)し、グループ全体の使用電力の約50%を再エネ化するという目標を掲げている。

同社はエネルギー調達の変革に加え、製品開発においても脱炭素を追求している。同社はすでに、植物由来原料を用いたバイオマス度90%のグリースを封入した直動案内機器などの「エコプロダクツ」を市場投入している。

従来のバイオマス潤滑剤は耐久性が課題とされていたが、同社は合成炭化水素油を基油とすることで、従来品と同等の2万km以上の走行距離を実現し、製品ライフサイクル全体での環境負荷低減を図っている。

今回のバーチャルPPA導入によって、エネルギー源のクリーン化という側面からも環境経営の基盤を強固にする狙いがある。日本トムソンは今後も再生可能エネルギーを軸とした調達と環境配慮型の製品開発によって、地域社会と共生する持続可能な社会の実現を目指す。

 

すかいらーくHD、中部エリアの12店舗に導入

一方、すかいらーくホールディングスは、中部エリアの12店舗に導入した。対象店舗では電力のCO2排出量が実質ゼロとなり、年間約1,030tのCO2削減を見込む。同社は、電気・ガスのCO2排出量を実質ゼロでの店舗運営にも乗り出しており、同社の「環境配慮型店舗」は計13店舗に拡大した。

今回の「美濃加茂バイオマス発電所」を活用したPPAでは、環境価値(非化石証書)を調達し、再エネの普及と、地域の再エネに由来する環境価値の活用を通じた地域社会への貢献を目指す。

 

すかいらーくグループ、2024年からオフサイトPPA導入拡大

すかいらーくは近年、オフサイトPPAの仕組みを活用した再エネ導入を拡大している。

2024年11月に東北エリア84店舗で、2025年4月には関西エリア85店舗で、9月11日からは関東エリア24店舗への導入を開始。さらに12月12日には、CDエナジーダイレクト(東京都中央区)が提供する太陽光発電を活用したオフサイトPPAサービスを関東エリア34店舗に導入した。この取り組みにより、年間約1407MWhの電力が再エネで賄われ、CO2排出量は年間約453t削減できる見込み。

 

2023年にCO2排出量実質ゼロのファレスをオープン

すかいらーくホールディングスは2023年8月、環境配慮モデル店舗として、CO2排出量実質ゼロのファミリーレストラン「ガスト東村山市役所前店」をオープンした。

同店舗では、太陽光発電設備とCO2フリー電力を導入し電力を100%再エネ化。また、カーボンニュートラル都市ガスを導入し、年間約88tのCO2削減を実現する。CO2フリー電力には、CDエナジーダイレクト提供の実質再エネ100%メニューを活用している。

 

2023年10月に運転を開始した「美濃加茂バイオマス発電所」

中部電力(愛知県名古屋市)と三菱HCキャピタル(東京都千代田区)は2021年5月12日、佐合木材(岐阜県美濃加茂市)が設立した「合同会社美濃加茂バイオマス発電所」への出資と「美濃加茂バイオマス発電所」の開発に合意したと発表した。岐阜県美濃加茂市において、主に岐阜県産の未利用間伐材等を燃料とする、発電出力7,100kWの木質専焼のバイオマス発電所を建設。2023年10月に運転を開始し、年間約50GWhを発電している。

 

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