2026年6月21日
環境省は6月13日、地域脱炭素の推進に向け、地方公共団体と民間事業者を対象とした「地域脱炭素マッチングイベント」の参加者募集を開始した。自治体が抱える脱炭素課題と、企業が持つ技術やサービスを結び付けることで、再エネ導入や地域新電力、資源循環などの事業創出を後押しする。
イベントは10月23日に「ベルサール秋葉原」(東京都千代田区)で開催する。参加費は無料。参加規模は地方公共団体20団体程度、民間事業者40社程度を予定している。参加申し込み期限は、自治体は7月20日、企業は6月30日まで。
同イベントでは、自治体が地域課題や事業構想を提示し、企業が技術やサービス、事業スキームを提案する。
自治体にとっては、再エネ導入や脱炭素事業の実現に向けて、技術やノウハウを持つ企業との接点を得られることがメリットとなる。構想段階のテーマについても相談できるため、事業化に向けた具体的な検討を進めやすい。
一方、企業側は自治体のニーズを直接把握できるほか、実証事業や共同事業、地域展開に向けた提案機会を得られる。自治体とのネットワーク構築や新たな事業創出につながる場として活用できる。
地域脱炭素を進める自治体では、公共施設への再エネ導入や地域新電力の設立、J-クレジット創出、地域資源を活用した循環型事業の構築などを進める一方、事業パートナーや専門人材の不足が課題となっている。
昨年度参加の自治体は、公共施設への太陽光発電設備導入、地域マイクログリッド構築、水素利活用、ペロブスカイト太陽電池の実証、ブルーカーボン創出、地域資源循環、中小企業向け脱炭素経営支援など、多様なテーマを提案した。
たとえば、千葉県柏市はペロブスカイト太陽電池を含む太陽光発電設備の導入やソーラーシェアリング、香川県坂出市は水素やブルーカーボン、Jブルークレジットの活用、鹿児島県志布志市は農林水産業と再エネを組み合わせた地域循環型事業について連携先を募集した。
企業からは、再エネ事業者やエネルギー会社、コンサルティング企業、建設会社、GX支援事業者など81社が参加。東京ガス(東京都港区)やe-dash(同)、エナリス(同・千代田区)、日本ガイシ(愛知県名古屋市)などが名を連ねた。
参加企業の分野は、再エネ導入支援、PPA、地域新電力、排出量可視化、J-クレジット、資源循環、EV・水素、ZEB化支援など多岐にわたる。自治体にとっては地域課題に応じた連携先を探す機会となり、企業にとっては自治体との協業や地域展開の足がかりとなる。
昨年度に参加した自治体および事業者は以下の通り。
青森県
秋田県
岩手県
山形県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
新潟県
富山県
石川県
福井県
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
鳥取県
島根県
アイチューザー(東京都港区)
アクシスITパートナーズ(鳥取県鳥取市)
アグリツリー(福岡県那珂川市)
アジア航測(神奈川県川崎市麻生区)
イーエスジーテクノロジーズ
e-dash(東京都港区)
イクト(静岡県袋井市)
invox(東京都新宿区)
宇部興機(山口県宇部市)
exroad(東京都港区)
エコロミ(東京都千代田区)
エナリス
エヌ・ティ・ティエムイー(東京都新宿区)
NTT東日本(東京都新宿区)
ENEOSグローブ(東京都千代田区)
エネルギーソリューションジャパン(東京都千代田区)
エレビスタ(東京都中央区)
応用地質(東京都千代田区)
ALCA合同会社(東京都千代田区)
カナデビア(大阪府大阪市)
ガリレオ(福岡県福岡市)
グーン(神奈川県横浜市)
一般社団法人Green innovation(東京都港区)
建設技術研究所(東京都中央区)
Sustech(東京都港区)
JFE商事(東京都千代田区)
自然エネルギー市民ファンド
商船三井テクノトレード(東京都千代田区)
スキルアップNeXt
三井オートサービス(東京都新宿区)
ZEエナジー(東京都中央区)
大日本ダイヤコンサルタント(東京都千代田区)
大和リース(大阪府大阪市)
一般社団法人地球温暖化対策技術会(東京都港区)
ティーエムエルデ(滋賀県長浜市)
東京エネシス(東京都中央区)
東京ガス
東京理科大学インベストメント・マネジメント(東京都新宿区)
東芝(東京都港区)
道東電機(北海道帯広市)
東洋設計(石川県金沢市)
TOPPANエッジ(東京都港区)
西松建設(東京都港区)
日東工業(愛知県長久手市)
日本工営エナジーソリューションズ(東京都千代田区)
日本エヌ・ユー・エス(東京都新宿区)
日本ガイシ
日本工営都市空間(愛知県名古屋市)
日本再生エネリンク(東京都千代田区)
日本地下水開発(山形県山形市)
ノーリツ(兵庫県神戸市)
Permanent Planet(東京都中央区)
バイウィル(東京都中央区)
パシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)
パナソニック(東京都港区)
浜田(大阪府高槻市)
日比谷アメニス(東京都港区)
フィンテック グローバル(東京都品川区)
プロロジス(東京都千代田区)
HorizonXX(東京都渋谷区)
三井住友ファイナンス&リース(東京都千代田区)
三ッ輪ホールディングス(東京都新宿区)
みらい建設工業(東京都千代田区)
武蔵精密工業(愛知県豊橋市)
明治電機工業(愛知県名古屋市)
明電舎(東京都品川区)
メンバーズ(東京都中央区)
モノクローム(東京都中央区)
森のエネルギー研究所(東京都青梅市)
八千代エンジニヤリング(東京都台東区)
山下PMC(東京都中央区)
ヤマト運輸(東京都中央区)
ヤマハ発動機(静岡県磐田市)
ユニヴァ・ジャパン(東京都港区)
UNIVERGY(東京都港区)
横河ソリューションサービス(東京都武蔵野市)
リコージャパン(東京都港区)
リジェネス(東京都千代田区)
菱機工業(石川県金沢市)
レジル(東京都千代田区)
一般社団法人ローカルグッド創成支援機構(福岡県北九州市)
同省ウェブサイトでは、昨年度参加者が提示したマッチング企業と取り組みたい事業や、地方公共団体の脱炭素の目標や課題に対する提供可能なソリューションなどが確認できる。
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2026年6月20日
リコーPFUコンピューティング(神奈川県海老名市)は6月11日、生産拠点である鳥取事業所(鳥取県鳥取市)の従業員駐車場に、約1.2MWメガソーラー規模のソーラーカーポートを導入し、運用を開始したと発表した。
広大な平置き駐車場という未利用スペースを活用することで、建屋屋根の重量制限や将来の増築を見据えた用地確保などの課題に対応し、オンサイトPPAの仕組みで同拠点へ再エネを導入した。
同生産拠点の消費電力の約2割が太陽光発電による電力で賄われる。年間発電量は1,407MWhで、一般家庭約230世帯分の消費電力量に相当する。この取り組みによる初年度のCO2排出量の削減効果は、年間で約727tを見込む。
また、災害時に近隣住民が利用できる「防災拠点」としての機能を持たせた。災害などで停電した際、近隣住民にカーポート下のスペースを一時避難場所として開放するとともに、蓄電池に貯めた電力でスマートフォンの充電を行うなど、緊急時の連絡手段確保を支援する。
社員にとっては、大規模なカーポート設置により、雨天や降雪時の駐車場から工場棟への移動が安全で快適なものとなるほか、夏季は日差しを遮ることで車内温度上昇の抑制効果もある。
同社は、リコーグループにおいて産業向けコンピュータ製品の開発・製造を行う。同社グループは、2017年4月に日本企業では初の「RE100」への参加を皮切りに、再エネの使用率向上および質の確保を両立させるため取り組んできた。自社拠点スペースを活用したオンサイトフィジカルPPAや、オフサイトバーチャルPPAの運用実績を持つ。
今回のソーラーカーポート導入は、こうした取り組みの一環。オンサイトPPA方式を採用することで、カーポート型の太陽光発電設備としては稀少なメガソーラー規模となる。
川崎重工業(兵庫県神戸市)は5月25日、同市の西神工場にソーラーカーポートを導入し運用開始したと発表した。東京センチュリー(東京都千代田区)および京セラコミュニケーションシステム(KCCS/京都府京都市)との3社連携による「寄付型コーポレートPPA(自家発電サポートサービス)」により、東京センチュリーとKCCSが太陽光発電設備導入にかかる初期投資などのコストおよび手続きを引き受け、需要家である川崎重工業は初期コストの負担なく太陽光発電システムを導入する。年間約1,220MWhの発電量を見込む。
国は、脱炭素目標の達成に向けて再生可能エネルギーの導入拡大を進める一方、送電網の空き容量や発電設備の適地の不足が課題となる中、 送電網への負荷なく、かつ自然破壊に加担しない駐車場などの敷地内の遊休地を活用した自家消費型発電を後押ししている。
環境省が行う、駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備と、定置用蓄電池・車載型蓄電池・充放電設備・充電設備などの導入を支援する補助金(2026年度は公募終了)では、交付額は最大で1億円。ソーラーカーポート、垂直型ソーラー以外に、発電機能と舗装の路面機能を一体化させたソーラーロードも補助対象となる。PPAの仕組みで導入するソーラーカーポートも補助対象とされており、その場合PPA事業者が代表者となり、電力の需要家が共同事業者として申請が必要。
豪雪地域においては、積雪の影響を受けにくい垂直ソーラーの設置が望ましい。環境省補助金においてもこのタイプも補助対象となる。
エア・ウォーター(大阪府大阪市)は2025年12月2日、豪雪地帯の鳥取市に立地する日本郵政グループのコールセンター駐車場敷地に、オンサイトPPAサービスにより「垂直ソーラー」を設置し運転を開始した。積雪の影響を受けにくい垂直型ソーラー発電システム「VERPA」を用いた。山陰地方では初の導入事例だという。
神戸製鋼所(兵庫県神戸市)は2025年4月に、みずほ丸紅リース(東京都千代田区)とのオンサイトPPAにより神戸総合技術研究所にソーラーカーポート型太陽光発電設備を設置し運用開始。車路部分にも太陽光パネルを設置する車路一体型を採用し、年間発電量は約700MWh、CO2排出量を年間約300t削減する見込み(当時)と発表し、製鉄プロセスにおける大幅なCO2削減および事業所での再エネ利用により、グループ全体の脱炭素目標につなげていくとした。
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