2025年8月8日
JERA(東京都中央区)は8月4日、エネルギー世界大手の英bpとの折半による洋上風力発電事業会社「JERA Nex bp」を発足したと発表した。両社の開発中案件を含む持分設備容量13GW規模の洋上風力発電案件が移管され、世界最大規模の風力発電企業となる見込みだ。
新たな洋上風力発電事業会社は、2024年12月の基本合意を踏まえ、関係当局からの承認など必要な許認可取得などの手続きを経て設立された。
JERA Nex bpは、英国ロンドンに本社を置く。両社から経営陣を派遣し、ナタリー・オースターリンク氏がCEOに就任する。また同日、日本国内における洋上風力発電事業の開発と運営を行う子会社「JERA Nex bp Japan合同会社」が設立。JERAの執行役員として国内洋上風力発電事業を担当していた山田 正人氏がCEOを務める。
JERA Nex bpが保有するポートフォリオ(13GW)の内訳は、現在運転中の洋上風力発電案件(持分容量1GW)、開発中の洋上風力発電案件(持分容量7.5GW)、海域リース権獲得済みの案件(持分容量4.5GW)。
同社は今後、グローバルで洋上風力発電事業の開発、所有、運営を行う。洋上風力発電開発では、JERAと英bpがこれまで両社が検討してきた取り組みを加速させ、競争力のある資金調達の強化に寄与していく。
JERAは、JERA Nex bp発足を機に、高い競争力を有する洋上風力開発事業のプラットフォーム形成を目指す。
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2025年8月7日
住友電気工業(大阪府大阪市)は8月1日、住友電装グループのSWS西日本(同・松阪市)の松坂工場に、住友電工製レドックスフロー電池(RF電池)やエネマネシステム「sEMSA(セムザ)」を導入したと発表した。これにより、同工場は、住友電工グループ初のネットゼロ工場となった。
住友電工グループでは、「年間のGHG排出量がゼロ以下かつ省エネ・創エネを規範となるレベルで進めている工場」を、ネットゼロ工場と定義している。
SWS西日本松坂工場のネットゼロ工場化に向けては、工場屋根に出力450kWの太陽光パネルを設置するとともに、太陽光発電所による再エネを活用したオフサイトPPAを導入した。また、工場における電力使用量と発電量のバランスを維持するため、住友電工の独自技術「sEMSA」を用いて、RF電池による充放電を最適制御し、余剰電力を住友電装の四日市製作所に託送している。
「sEMSA」とは、「Sumitomo Energy Management System Architecture」の略称で、住友電工独自のアーキテクチャを搭載したエネマネシステムのこと。
同システムを導入することで、導入企業は、太陽光発電やコジェネシステム、蓄電池などの分散電源を最適制御し、電力コストを低減できる。また、アグリゲーターなどの電力サービス事業者は、需要家を束ねエネルギーを一括管理することで、バーチャルパワープラント(VPP)などで電力需要を調整し対価が得られるシステムの構築も可能だという。
住友電工グループは、2030年度までのGHG排出量削減目標として、2018年度対比でスコープ1・2を30%削減、スコープ3に関しては15%削減を掲げ、再エネ導入などに注力している。今回の取り組みもこの一環である。
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