2026年4月22日
オリックス銀行(東京都港区)は4月17日、みずほ証券(同・千代田区)およびCHC Japan(同)と共同で、系統用蓄電所の開発資金を対象とする総額100億円のプロジェクトボンドを組成したと発表した。
この取り組みは、CHC Japanが開発を進める系統用蓄電所プロジェクトに対し、資本市場から資金を調達する仕組みで、オリックス銀行とみずほ証券が組成に関与した。系統用蓄電所の開発資金を使途とするプロジェクトボンドは国内初となる。
同プロジェクトボンドの対象は、新潟県小千谷市に建設する出力49MWの系統用蓄電所で、運転開始は2029年の予定。商業運転開始後は、東京ガス(東京都港区)がオフテイク契約に基づき、20年間にわたり電力の引き取りを行う計画だ。
この事業は、着工時点でプロジェクトボンドにより開発資金を確保した点が特徴。系統連系手続きの長期化などを背景に、開発事業者の間で高まる早期のキャピタルリサイクルニーズに対応する。また、金利上昇局面において資金調達環境の不確実性が増す状況を踏まえ、インフラ事業に求められる超長期資金の確保に向け、エクイティ出資者とプロジェクトボンド投資家の双方が参画しやすいスキームを採用した。
この取り組みにおけるスキームは、下図のようにCHC Japanが開発およびアセットマネジメント、みずほ証券が投資家招聘を含むボンド組成、オリックス銀行が信託受託者および信託貸付人をそれぞれ担う体制だ。
なお、同プロジェクトボンドは、第三者評価機関である格付投資情報センター(R&I/東京都千代田区)から信用格付け「A-」を取得している。
CHC(シンガポール)は、中国の大手電池メーカーCATL(中国・福建省)、エネルギー・コモディティ取引や電力市場対応に強みを持つHartree(米国・ニューヨーク)、中国系の鉱物・新エネルギー・新材料に関する投資会社CFC(中国・上海)の3社が共同で設立した蓄電事業の合弁会社。
プロジェクトボンドは、発電所などのインフラプロジェクトに要する資金について、当該プロジェクトから生じる将来のキャッシュフローを返済原資とする債券を発行して資本市場から調達する手法。太陽光発電事業など再エネ分野で活用がされている。
また、事業資金を金融機関からの借り入れではなく、投資家から調達する有価証券としての性格を持ち、環境配慮型事業に用途を限定したグリーンプロジェクトボンドへの関心も高まっている。
3月には、野村證券(東京都中央区)と野村キャピタル・インベストメント(同)が、台湾の再エネ事業者HD Renewable Energy(HDRE)が札幌市で開発する系統用蓄電池プロジェクト(日本・北海道Helios 50MW蓄電所)を対象に、54億円のグリーンプロジェクトボンドの組成を支援した。系統用蓄電池事業を裏付けとするグリーンプロジェクトボンドの組成は国内初の事例である。
当メディアでは、ゴールドマン・サックス担当者によるグリーンプロジェクトボンドの解説記事も掲載している。
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