2026年6月27日
グッドフェローズ(東京都品川区)は6月23日、同社が運営する発電所投資・売買仲介サイト「タイナビ発電所」の新規会員登録データを分析した調査結果を公表した。
5月時点で、系統用蓄電所への関心率が70.5%となり、調査開始以来初めて太陽光発電所(57.4%)を上回った。4月の制度変更を契機に、個人投資家の参入も拡大傾向にあるという。
同社はこれまで、継続的に太陽光発電所と系統用蓄電所に対する関心率を調査・比較している。
2026年1月時点のそれぞれの関心率は太陽光発電所が76.9%・系統用蓄電所が60.0%だったが、3月以降、その差は徐々に縮まり、5月には系統用蓄電所への関心が太陽光発電所を逆転した。
これまで再エネ投資市場の中心は太陽光発電所だったが、投資家の関心が系統用蓄電所へ移行し始めていることが伺える結果となった。
2026年4月、50kW未満の低圧系統用蓄電所について、アグリゲーターを介する需給調整市場への参加が可能となった。そこで、同調査では、制度変更前後の変化を分析した。
その結果、系統用蓄電所に関心を示した会員数は、制度変更前の1~3月平均と比べて、4~5月は2.2倍に増加した。太陽光発電所への関心者数は増加したものの、増加率は1.37倍だった。
アグリゲーションによって複数の小規模リソースを束ねて市場参加できる環境が整備されたことで、低圧蓄電所にも新たな収益機会が広がった。特に個人投資家の増加が目立つ。
投資家属性別分析では、制度変更後の4~5月における、系統用蓄電所に関心を示した投資家に占める個人の割合は、制度変更前の43%から制度変更後は51%へ上昇。関心者数は制度変更前平均の2.6倍に増加した。法人投資家も増加傾向がみられたが、個人の伸び率が上回った。
これまで系統用蓄電所投資は法人が中心だったが、制度変更を契機に個人投資家の参入が進みつつあることが伺える。
系統用蓄電所への関心が高まる背景には、複数の電力市場で収益機会を得られる可能性があることが挙げられる。
蓄電池は、一般送配電事業者が調整力を調達する需給調整市場に加え、将来の供給力を取引する容量市場、日本卸電力取引所(JEPX)の卸電力市場などへの参入が可能だ。卸電力市場では、電力価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電することで価格差の収益化も期待できる。
近年は、これら複数の市場を組み合わせてマルチユース運用する取り組みが広がっており、系統用蓄電所の事業性向上につながっている。
今回の調査結果は、こうした市場環境の変化に加え、低圧系統用蓄電所の市場参加環境が整備されたことで、投資家の関心に変化が生じている可能性を示した。
同調査は、2026年1月1日から5月31日に実施し、一括見積もり比較サイト「タイナビ発電所」新規登録者データを基に、太陽光発電所と系統用蓄電所への関心をまとめたもの。
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2026年6月26日
環境省は6月19日、2026年度「製造業・資源循環産業の連携及び高度リサイクルを通じた高品質再生材供給実証事業」のうち、「太陽光パネルの再資源化施設の大規模集約化を見据えた効率的な収集運搬実証事業」の採択結果を公表した。
イー・アンド・イー ソリューションズ(東京都千代田区)、一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会(SP2RA/同・中央区)、リサイクルテック・ジャパン(愛知県名古屋市)の3者を採択し、使用済み太陽光発電パネルの回収・輸送の効率化に向けた実証を進める。
同省は、再資源化施設の大規模集約化を見据えた効率的な収集運搬モデルの構築を目指しており、将来的な太陽光発電パネル大量排出への対応や再資源化コストの低減につなげる。
同事業には6件の応募があり、申請書類による事前審査と有識者で構成する評価審査委員会による審査を経て3者を選定した。
今回採択された各者は、それぞれ異なるアプローチで使用済み太陽光発電パネルの収集運搬効率化を検証する。
SP2RAは主に九州地方で、再資源化施設の大規模集約化を見据えた資源循環ネットワークを実証する。具体的には、物流施設を「ハブ拠点」として活用し、排出場所から再資源化施設への搬入を効率的に結び付けるモデルを構築する。各地で発生する使用済みパネルを中継拠点に集約することで、輸送効率の向上や運搬回数の削減を図る。排出場所からの収集運搬に加え、ハブ拠点での中継・分別・保管、再資源化施設での処理、素材メーカーでの利用までを対象とし、コストや環境影響を比較検証する予定だ。
同協会は、発電事業者が主体的に適正処理やリサイクルを選択できる環境づくりを目指す。実証は会員企業をはじめとする共同実施者と連携して進める。実証は2026年度から2027年度にかけて行われる。
SP2RAは実証の目標として、収集運搬コスト20%以上削減、運搬回数・運搬距離20%以上削減、CO2排出量30%以上削減、再資源化施設の稼働率10%以上向上を掲げている。
これらの目標は、物流効率化によるコスト削減だけでなく、再資源化施設の安定稼働や資源循環システム全体の高度化を視野に入れたものだ。
太陽光発電パネルのリサイクルでは、再資源化技術の開発が進む一方で、使用済みパネルを効率的に集めて処理施設へ運ぶ仕組みづくりが課題となる。特に広域からパネルを回収する場合は、輸送コストやCO2排出量の増加が課題となるため、物流効率化は事業性を左右する重要な要素とされる。
同実証は、再資源化施設の稼働率向上と物流コスト削減を通じて、再資源化事業の事業性向上を図る取り組みと位置付けられる。
また、SP2RAは、太陽光発電設備のリサイクルを巡る法整備が進む中で、発電事業者が主体的に適正処理やリサイクルを選択できる環境整備が重要になると指摘する。
太陽光発電設備は全国に広く設置されている一方、再資源化施設は限られている。このため、発電事業者がリサイクルを実施しようとしても、回収や輸送に係るコストが障壁となるケースも想定される。
物流ハブを活用した回収モデルや輸送効率化の仕組みが確立されれば、発電事業者が再資源化を選択しやすくなり、資源循環の促進にもつながるとしている。
イー・アンド・イー ソリューションズは福島県内で中間集積モデルの事業性を評価。再資源化施設が存在しない地域を対象に、入荷、選別、保管、出荷を試行し、効率的な収集運搬の成立条件を整理する。また、県内外への展開を見据えた手引きの作成も行う。
リサイクルテック・ジャパンは愛知県内で、既存物流網への組み込みによる効率化を検証する。商品配送後に空車で戻る車両を活用し、帰路で使用済み太陽光発電パネルを回収するモデルを検討。効率性やCO2排出量の観点から従来方式と比較する。なお、同実証は、申請者が属する産官学のプロジェクトチームである「あいちサーキュラーエコノミー太陽光パネル循環利用プロジェクトチーム」と共同で進められる。
太陽光発電パネルを巡っては、今後使用済みパネルの排出量増加が見込まれる。こうした状況を踏まえ、国は再資源化制度の整備を進めており、回収から再資源化までを支えるインフラ構築が課題となっている。
これまで再資源化分野では、ガラスや金属などの回収技術に注目が集まってきた。しかし制度の実効性を高めるためには、排出現場と再資源化施設を結ぶ物流ネットワークの整備も欠かせない。
今回の実証は、再資源化施設の大規模集約化や安定稼働を支える物流基盤の構築に向けた取り組みであり、実証で得られる知見は、今後の回収ネットワークや資源循環システムの構築に活用される見通しだ。
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