2025年4月2日
九州旅客鉄道(JR九州/福岡県福岡市)は3月25日、三菱UFJ信託銀行(東京都千代田区)などと九州エリアの中小型太陽光発電所を取得・集約し、デジタル技術を活用した長期かつ安定的な発電所として運用する「百年ソーラー九州事業」を開始すると発表した。
同2社のほか、芙蓉総合リース(同)、ヒラソル・エナジー(同・文京区)と「百年ソーラー九州合同会社」を新設し、それぞれが出資する契約を締結した。
中小型太陽光発電の廃棄・放棄課題を解決するビジネス
百年ソーラー九州事業は、オーナーの高齢化や厳しい経営環境などにより、管理や修繕が行き届かない中小型太陽光発電所を取り巻く廃棄・放棄課題の解決と長期安定稼働による脱炭素化の推進を目的とする社会課題解決型ビジネスとなる。地方創生プロジェクトとして、地元金融機関である肥後銀行(熊本県熊本市)等からの融資による資金を調達する。
2027年までに10MWをリパワリング
百年ソーラー九州事業では、2027年までに合計10MWの九州エリアにある中小型太陽光発電所の取得を計画している。取得した太陽光発電所はアセットマネージャーを担うヒラソル・エナジーの技術を活用して性能評価・分析を実施し、必要に応じで本来期待される発電量に回復させるリパワリングを行う。
ヒラソル・エナジーは、独自に取得した気象データと30分単位の発電データを活用したモデリング技術により、発電所の性能の強弱や課題を特定し、確実な手法で太陽光発電所のリパワリングを実施する。
ヒラソル・エナジーの技術とノウハウを活用したリパワリングにより太陽光発電所の性能を再生し、発電所の長期安定的な運営を担うことで九州の再生可能エネルギー電源の比率を増加させ、九州におけるカーボンニュートラルの達成に貢献する。
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2025年4月1日
TREホールディングス(東京都千代田区)は3月24日、同子会社のリバー(同・墨田区)が、東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS/神奈川県川崎市)および東芝環境ソリューション(TESC/同・横浜市)と、使用済み太陽光発電パネルの有効性に関する共同実証を行うと発表した。
同実証では、2025年8月に開業予定の「リバー壬生事業所(仮称)」(栃木県壬生町)の屋根に新品の太陽光パネル(約178kW分)およびリユースパネル(約156kW分)を混合で設置する。発電した電力は自家消費する予定。
使用するリユースパネルはTESCが健全性を評価したもので、新品と同様の条件で稼働させ、東芝ESSが発電量などのデータを取得し、安全性と発電効率を評価する。これによりリユースパネルの有効性を実証する。
各社の役割は以下の通り。
太陽光発電パネルは、2030年頃から使用済みパネルの大量廃棄が予想されており、経済産業省や環境省は太陽光パネルの3R推進に向けリサイクル法の法制化を検討している。一方で、リユースパネルの活用はこれまで活用実績が少なく、有効性の実証が求められていた。
TREは、太陽光発電パネルのリサイクル事業を手がけている。また、東芝ESSは太陽光発電パネルの開発および太陽光発電所の建設・保守・運用を、TESCは太陽光発電パネルの健全性を評価する診断サービスの提供を展開している。3者はそれぞれの強みを持ち寄り同実証を行うことにより、リユースパネルの活用推進を加速する。
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