2025年12月21日
東京ガス(東京都港区)は12月16日、飯田グループホールディングス(同・武蔵野市)、マクニカ(神奈川県横浜市)、麗光(京都府京都市)と共同で取り組む、住宅施設におけるフィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入実証が、東京都の事業に採択されたと発表した。建物の壁面やバルコニーに次世代太陽電池を設置し、施工性・発電性能を評価する。
同実証は、2026年1月から12月までの約1年間、飯田GHDが提供する日野市のモデルハウスを使って行う。マクニカと麗光が開発・製造するAirソーラーを、東京ガスが開発する施工方法にて、垂直壁面(擬似壁面)・バルコニー・室内壁・窓に設置。場所ごとの発電性能の評価、施工方法の信頼性を評価する。窓での検証では、接着工法・窓枠固定工法を検証するという。
取り組みにおいて、全体統括や現地施工を担う東京ガスは、これまでの太陽光発電に関する研究や事業で培ってきた施工・解析技術を実証に転用する。
マクニカは、これまでのペロブスカイト太陽電池に関する実証事業で培った豊富なノウハウを活かし、技術力を提供 。飯田GHDは、実証フィールド提供を、麗光はAirソーラー製造を担う。
「第7次エネルギー基本計画」では、再エネの主力電源化と最大限の導入が掲げられ、2040年の電源構成に占める太陽光発電の割合を23~29%とする方針が示された。
都は、2035年までに都内に太陽光発電設備を350万キロワット導入するという政策目標を設定。電力のHTT「(H)へらす・(T)つくる・(T)ためる」をキーワードに、脱炭素社会の実現とエネルギーの安定確保に向けた取り組みを推進する。その1つとして、「薄く、軽く、曲がる」という特徴を持った日本生まれの太陽電池を「Airソーラー」と命名し、実用化を目指す開発事業者に対し実証費用の一部を助成する「Airソーラー社会実装推進事業」を実施している。今回の東京ガスの取り組みもこの一環である。
同推進事業は、Airソーラーの早期実用化に向け、開発事業者が実施する実証事業の経費の一部を助成することで、社会実装の加速化を図ることが目的。
要件として、都の地域特性を踏まえ、都内でのAirソーラーの普及に向けた課題抽出及び効果検証を行うものであることや助成対象事業の成果を都内で活用することなどが求められる。助成額は最大4000万円(予算は1億2000万円)で、申請総額が予算額に達した時点で申し込みは終了となる。
東京ガスらは今後、同実証を通じて、住宅におけるAirソーラーの社会実装を加速し、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に貢献していきたい考えだ。
【参考】
・東京都―東京都、Airソーラー開発支援の対象事業者を採択しました!
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2025年12月20日
グローバル・インフラ・マネジメント(東京都千代田区)、東急(同・渋谷区)、クリーンエナジーコネクト(同・千代田区)は12月17日、東急グループ向け70MW分のオフサイトコーポレートPPAサービスに関する共同事業を開始すると発表した。
3社共同出資による発電合同会社が非FIT低圧太陽光発電所で発電した電力を東急グループの各施設に供給する。2026年3月から2027年度末にかけて順次供給を開始する。
今回の取り組みでは、発電合同会社が国内にて約70MW-DCの非FIT低圧太陽光発電所を約800カ所開発・運営し、東急グループの小売電気事業者である東急パワーサプライ(東京都世田谷区)を通じて各施設に供給する。電力供給量は、年間7300万kWhを予定しており、これは東急グループ全体の年間使用電力量の約8%に相当する。
東急は9月に策定した「環境ビジョン2040」において、「環境と調和する街」の実現を目指して環境目標を更新・新設し、2050年までに「再エネ比率100%」という目標を掲げている。その達成に向け、アクション11にて「再エネを創る」を推進している。今回の取り組みはその具体的施策の一つとなる。
今回の取り組みは、異なる立ち位置と強みを持った3社が共同事業として参画し、それぞれの知見を活かして連携することで相乗効果を発揮することを狙いとしている。
グローバル・インフラ・マネジメントは、国管理空港初の民間運営事業である仙台空港特定運営事業で協働する、当時の東京急行電鉄と前田建設工業(東京都千代田区)により、設立された。インフラ投資への豊富な知見を有している。今回の共同事業について、脱炭素社会の実現に向けた重要なモデルケースとして大きな意義を持つと考えている。
クリーンエナジーコネクトは、オフサイトコーポレートPPAサービスをはじめとする脱炭素ソリューションを提供している。発電所の開発・運営とオフサイトコーポレートPPAサービスの提供のノウハウと実績(2025年11月現在2500カ所)を有する。これまでに、Amazon(アメリカ)、第一生命保険(東京都千代田区)、NTTドコモ(同)などNTTグループ、スギホールディング(愛知県大府市)、Google(アメリカ)、三菱地所(東京都千代田区)、千葉大学などと、顧客専用の太陽光発電所による生グリーン電力と環境価値の提供についてオフサイトコーポレートPPAサービスなどの長期契約を締結している。
12月5日には、オフサイトコーポレートPPAのプロジェクトにおける25MW-DCの非FIT低圧太陽光発電所の開発のため、横浜銀行(神奈川県横浜市)、山陰合同銀行(島根県松江市)、脱炭素化支援機構(JICN)から、プロジェクトファイナンスにより総額36.7億円の資金調達を実施したことを報告している。これにより、累計資金調達額は611億円になる。
東急は、電力小売り事業やインフラ運営への知見を有する。今後も様々なステークホルダーとの連携を通じて、グループの脱炭素化に向けた取り組みを推進していくとしている。
東急グループの東急建設(東京都渋谷区)は、クリーンエナジーコネクトと連携し、2024年にオフサイトPPA事業に参入している。また、東急建設はスタートアップを対象とした投資ファンドを通じてクリーンエナジーコネクトに出資している。
再生可能エネルギーを活用したオフサイトコーポレートPPAサービスは、需要家が長期的かつ安定的に再エネを調達できる手法として、また、再エネ発電総量増加に直接寄与する「追加性」のある取り組みとしても注目されている。分散型電源を活用するモデルは、環境負荷の低減や地域との共生にも貢献することが期待されている。なお、非FIT(Non-FIT)とは、FIT(固定価格買取制度)を利用しない太陽光発電の売電方式をいう。
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