2026年1月6日
ヤマハ発電機(静岡県磐田市)は12月25日、サクラ工業(同・浜松市)、JCCL(福岡県福岡市)、東洋製罐グループホールディングス(東京都品川区)、三井物産プラスチック(同・千代田区)と共同で、CO2回収装置の技術開発およびビジネスモデルの構築に向けた検討を開始したと発表した。プラントのコンパクト化やほかのソリューションとの組み合わせを考慮することで、中小企業にも導入しやすいモデルの構築を目指すとしている。
九州大学発のスタートアップ企業で、2種類のCO2分離回収技術を有するJCCLは2025年4月から、東洋製罐グループHD・三井物産プラスチックとともに省エネ型CO2回収装置の開発を開始している。ここに、ヤマハ発動機とサクラ工業が新たに加わった。
異業種5社連携で開発に取り組む「CO2回収装置」は、工場の燃焼排ガスなど比較的高濃度の気体からCO2を回収するアミン含有ゲル技術に、排熱を利用した省エネ運転やNOX(窒素酸化物)/SOX(硫黄酸化物)の除去前処理を融合させた点に特徴があるという。
CO2回収装置は、静岡県森町にあるヤマハ発動機の水素関連実証実験施設「ZERO BLUE LAB 未森」を拠点に開発を行い、2027年7月末に大型装置の完成と、フィージビリティスタディ(FS)の完了を予定している。
その後は、実証試験で得た知見を継続的にビジネスモデルにフィードバックし、検証を経てヤマハ発動機グループ各拠点への段階的な展開を進める計画だ。
「ZERO BLUE LAB 未森」は2025年11月に稼働を開始した実証施設で、水素ガスに対応した溶解炉および熱処理炉を導入。2026年以降には、グリーン水素を製造設備や排ガス中のCO2を合成メタンに変換するメタネーション装置の導入も検討されている。
ヤマハ発電機は、今回の取り組みを通じて、CO2のさらなる活用を進め、2035年のカーボンニュートラル達成につなげたい考えだ。
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2026年1月5日
富士通(神奈川県川崎市)と東京大学は1月5日、ワット・ビット連携の技術開発と社会実装に向けた実証実験を開始した。
東京大学は2025年10月、東京電力パワーグリッド(東京都千代田区)と、ワット・ビット最適化モデル構築に向けたプロジェクトを始動。今回の実証はこの一環で、データセンター(DC)間で計算処理の負荷を他拠点に移動させるワークロードシフト技術を検証する。期間は3月31日までの約3カ月間。
同実証は、東京大学柏キャンパスの情報基盤センターと、富士通の国内DC向けのソブリンクラウドサービス「Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloy」の計算環境を接続し、アプリケーションと実行環境をパッケージ化する仮想技術を用いて、ロケーションに依存せずに計算処理できるかを検証する。
また、両者は電力会社と連携し、電力需給バランスや電力市場価格などの電力系統状況と連動した地域間でのワークロードシフトの有効性とその技術検証を行う。さらに、NTT(東京都千代田区)が提唱するIOWNの次世代通信インフラであるAPN活用による追加検証も実施する。
なお社会実装に向け、クラウド環境に接続し計算処理をシフトする実証は、国内初の取り組みとなる。
ソブリンクラウドとは、データ主権(データの所有権・管理権)を確保し、自国の法律・規制に準拠してデータを国内で保存・処理できるクラウド環境を指す。経産省は、経済安全保障の一環としてクラウドプログラムを推進している。
富士通は、今回の実証において、ソブリンクラウド技術を提供し、ワット・ビット連携の社会実装に貢献するとともに、再エネ電源周辺地域を中心としたデータ主権や運用主権を担保したソブリン性のある分散型DC実現に必要な技術の開発を目指す。
経産省と総務省は2025年6月、DC電力ニーズ増加への対応として、ワット・ビット連携を強化する方針を示した。一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA/東京都千代田区)が発表した最新データによると、国内データセンター市場は2030年に5.6兆円規模に成長するという予測もある。
一方で、従来のDCは都市部に多く、立地の偏在による電力需給の逼迫や大規模災害時のリスクなどが課題となっている。また、世界的なエネルギーサプライチェーンリスクの高まりやエネルギー安全保障の観点から、再エネ電源が集中するエリア一体における電力需要の最適化が注目されている。
【参考】
・東京大学―東京大学と富士通、ワット・ビット連携の社会実装に向けて、国内初の電力系統状況と連動したクラウド接続による地域間ワークロードシフト技術の検証に関する実証実験を開始
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