2025年4月22日
関西電力(大阪府大阪市)は4月1日から、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場へ太陽光発電、水力発電、原子力発電、水素発電を組み合わせたゼロカーボン電力の供給を開始した。
非化石証書などの活用に加えて、太陽光発電による供給では、発電量と大阪・関西万博会場での電力消費量がリアルタイムで一致していることを証明するアワリーマッチングの実証も行う。
この取り組みでは、関西エリアに点在する太陽光発電による発電量データを集約し、電力消費量データと照合した後、ブロックチェーンに記帳することで、太陽光発電による電力が30分単位で消費されていることを証明する。
近年、24時間365日、再生可能エネルギーを中心とするゼロカーボン電力100%使用を目指す「24/7CFE(24/7CarbonFreeEnegy)」の取り組みに関心が高まっており、今回の実証では、リアルタイムで発電量と電力消費量の一致を担保するアワリーマッチングの仕組みつくりに取り組む。
なお、2021年9月に国連主導で発足したイニシアティブ「24/7 CFE Compact」は、24/7 CFEの普及を促進している。米国連邦政府やGoogle・Microsoft、スタンフォード大学など、エネルギー会社、政府、システムオペレーター、ソリューションプロバイダー、投資家・金融機関等が171者が加盟しており、日本からは北九州市や大阪ガスなど11者が加盟している(2025年4月時点)。
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2025年4月21日
企業のオープンイノベーションや新規事業開発を支援するゼロワンブースター(東京都千代田区)は4月7日、波力発電装置に関する実証実験を実施し、海洋の波エネルギーを利用してクリーンエネルギーを生成することに成功したと発表した。実証では、Yellow Duck(兵庫県神戸市)が開発した波力発電設備を港湾施設に設置し、発電量や稼働時間などを検証した。
この取り組みは、海洋再生可能エネルギーの有効性確認と実用化に向けた課題抽出を目的としたもので、2社のほか、日本海ガス絆ホールディングス(富山県富山市)、同子会社の日本海ラボ(同)が参画した。
実証は、富山県土木部港湾課および富山新港管理局の承諾・許可を経て、同県射水市にある伏木富山港新湊地区で、2024年12月12日〜14日の3日間に行った。
その結果、太陽光発電の出力が低下する雨天・曇天時および夜間にも発電することから、波力は天候や時間帯における変動を補完する新たな再エネ電源として期待できることを確認したという。
実証における各社の役割は以下の通り。
Yellow Duckは2024年度に伏木富山港・博多漁港・大阪南港での実証実験を行い、シードステージの技術開発が完了した。今後は、沖合での運用に向けた「浮体型波力発電装置」の開発を進める。
日本海ガス絆HDは、北陸地域への新たな価値提供を目的とした事業創造プログラム「NGAS-Accelerator Program」を主催し、スタートアップ企業との共創を進めている。日本海ラボとゼロワンブースターは運営として参加、Yellow Duckは採択企業の1社である。
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