2026年1月14日
資源エネルギー庁は1月7日、第110回調達価格等算定委員会を開催し、事業用の地上設置(野立て)型太陽光発電に関して、2027年度以降、固定価格買取制度(FIT)およびフィード・イン・プレミアム(FIP)制度による支援を終了する方向を固めた。屋根設置型の太陽光発電は引き続き、支援対象として残る見通し。
事業用の地上設置型の太陽光については、
・FIT制度開始以降、認定量・導入量が大幅に拡大した
・すべての規模において、技術革新などにより着実なコスト低減が実現された
・入札上限価格を下回る落札が継続的に見られている
・PPAによる収益確保などにより、FIT/FIP制度によらない案件の形成が進んでいる
・自然環境・安全・景観などの地域共生上の課題が顕在化している
などの背景を上げ、「2027年度以降、FIT/FIP制度における支援の対象外とする」とする事務局案を公表。委員会はこれを了承した。
2026年度の地上設置型の太陽光調達価格・基準価格は「10kW以上50kW未満」、「50kW以上」の区分について、以下とする案が示された。
50kW以上に関しては、これまで複数年にわたり、実際のコストデータが想定値を上回っていたものの、効率的な事業の実施を促す観点から想定値を据え置いてきた。効率的な事業の実施を促すことは重要であるものの、今後は、コストデータの上昇分を調達価格・基準価格に適切に反映するという方向性が示された。具体的な価格については、今後の委員会で示される予定。
屋根設置型(10kW以上)の太陽光発電は、2027年度以降もFIT/FIPによる支援が継続される見通しとなった。2026・2027年度の調達価格・基準価格は、昨年に設定した2026年の想定値が据え置きとなる方針だ。
同委員会では、事業用・住宅用(10kW未満)に適用する「初期投資支援スキーム」や、ペロブスカイト太陽電池の新区分についても議論された。
初期投資支援スキームは、想定ほど活用が進んでおらず、住宅用については、「『階段型の価格』を採用してFIT期間後期に低価格での支援を受けるよりも、買取メニューによる売電を行ったほうが、より大きな収益を確保できる」との意見もあり、制度変更を含めた検討が行われてきた。
その後、階段型の価格設定については、FIT制度に依らない事業モデルの構築に一定の時間を要することや、事業者の予見可能性が担保されるよう、2026年度まで一定の猶予期間を設定。2027年度以降については同委員会で議論することとして意見がとりまとめられていた。
一方で、一般社団法人太陽光発電協会からはPPA事業におけるFIT制度を前提としないビジネスモデルの構築に向けた協議が金融機関との間で行われているものの、結論を得るまでに一定の期間を要することや、FIT制度による支援終了後に単年度契約となる点に対する懸念に関する要望が同委員会に届いており、今後はFIT制度を前提としないビジネスモデルの構築や自立化に向けた業界団体による取り組みの継続を前提としつつ、卒FIT後のビジネスモデルが成熟するまでの猶予期間として、さらに2年程度の準備期間を設け、2029年度に支援期間短縮の適用を開始することを基本とすることとした。
次世代型太陽電池の早期社会実装に向けては、量産技術の確立、生産体制整備、需要の創出を三位一体で進め、2030年を待たずにGW級の生産体制の構築、2040年には約20GWの導入を目指す。全国各地でのペロブスカイト太陽電池の社会実証や量産化に向けた3000億円規模の設備投資が進められているほか、今年度から予算による需要家向けの補助が開始するなど、社会実装に向けた取組みも進んでいる。
ただし、委員会は、ペロブスカイト太陽電池について「国産エネルギーとして重要であり、早期の社会実装を進めることが必要不可欠である」としつつも、FIT・FIP制度による支援については「国民負担の抑制や、将来的に自立化する見込みがあることを前提とする必要がある」として、引き続き、「発電コストが電気料金水準未満になる時点を目安に、新区分による支援を開始する方向で検討を継続」するとした。
FIT制度開始以降、太陽光発電の認定量・導入量は大幅に拡大し、PPAによる導入も増加している。民間調査によれば、国内におけるオフサイトコーポレートPPAの年間締結容量は2021年以降増加傾向にあり、2024年における年間オフサイトコーポレートPPA締結容量のうち約75%が太陽光発電となっている。
しかし、導入拡大に伴い大規模太陽光発電事業(メガソーラー)における地域共生上の課題も顕在化している。政府は昨年12月23日に「大規模太陽光発電事業に関する関係閣僚会議」を開催し、「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」を決定。環境アセスメントの対象の見直しや実行性強化、再エネ地域共生連絡会議の設置などに加え、2027年度以降の事業用太陽光(地上設置)のFIT・FIP制度からの廃止を含めた検討を方針として示していた。
今回の委員会では、この方針に沿った形で支援打ち切りの最終判断が下されたことになる。
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2026年1月13日
エナリス(東京都千代田区)は4月から、太陽光発電に併設運用する系統用蓄電池事業をワンストップで支援するサービスの提供を開始する。
太陽光発電に併設された蓄電池(特別高圧・高圧)を対象に、蓄電池や太陽光発電設備を制御するシステムの提供から運用業務までを一括し、非FIT、特にFIP再エネ発電事業者の収益向上を図る。契約は拠点単位で、契約容量は原則1MW以上。サービス期間は最大3年間。
新たに提供するサービス名は「再エネ併設蓄電池 制御支援サービス」。エナリスの強みを活かしたサービスの特徴として以下の3つを挙げる。
サービスの対象は、太陽光発電設備に併設される特別高圧・高圧の蓄電池で、沖縄・離島を除く全国で提供を開始する。
再エネ併設蓄電池は、発電量の不安定性や出力制御による機会損失など、再エネが持つ課題を解消する手段として注目される。
これまで出力制御の対象となっていた時間帯に発電し、電力を系統への直接送電や蓄電池への充電に最大限活用することで、市場価格に応じた最適なタイミングでの取引が可能となる。一方で、FIP電源をはじめとする再エネ併設蓄電池の制御・運用には、日々の発電量予測、市場価格の変動を見越した充放電計画の作成、複雑な入札業務など、高度な運用スキルが欠かせない。
そこで、エナリスは、再エネ併設蓄電池事業に特化したサービスに着手した。同社は、再エネ併設蓄電池の運用支援については、すでに実事業としての提供実績もある。サーラエナジー(愛知県豊橋市)が2025年10月に運用を開始した「サーラ東三河太陽光併設蓄電所」において、エナリスはアグリゲーターとして参画している。
太陽光発電などの再エネ設備に蓄電池を併設して運用する事業者は増加傾向にある。西部ガス(福岡県福岡市)のグループ会社であるエネ・シード(同)は2025年10月、太陽光発電所(長崎県長崎市)に蓄電池を導入し運用を開始。同発電所では、東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS/神奈川県川崎市)がアグリゲーターとして電力を運用している。
また今後は、FITからFIPへ移行する太陽光発電設備に蓄電池を併設する事業者が増えるとみられる。FIP電源は早ければ2026年度から、優先給電ルールの変更により出力制御の順番がFIT電源よりも後になる予定。経産省は、一定の電源がFIP電源に移行するまでの間、集中的に、FIP電源に係る蓄電池の活用や発電予測などへの支援を強化し、FIP電源への移行を支援する方針を示している。
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