2026年1月28日
ヒラソル・エナジー(東京都文京区)は1月22日、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が同月20日に公表した2029年度実需給に向けた容量市場メインオークションの約定結果において、同社が管理・運用する複数の系統用蓄電池が落札されたと明らかにした。今回の落札により、単一の市場だけでなく、複数の市場機会を組み合わせた収益の多層化による系統用蓄電池事業の運用体制が整った。
ヒラソル・エナジーは、蓄電所事業の計画立案から、資材調達、工事、運用に至るまでを一気通貫で手がけている。運用フェーズにおいては、アグリゲーターとして、これまで他の電力市場を中心に運用を行ってきたが、今回、容量市場へも参画が加わったことで、将来的な供給力としての価値についても、収益源として確保できるようになる。
容量市場とは、電力量(kWh)ではなく、将来の供給力(kW)を取引する市場。今回の容量市場メインオークション(対象実需給年度:2029年度)では、ヒラソル・エナジーが開発・運用する案件を含む合計6件・約8MWの供給力が落札された。すでに運用中の蓄電所に加え、同社が開発を進める複数拠点の系統用蓄電池案件も含まれている。
ヒラソル・エナジーは、同社の蓄電所事業の強みとして、独自開発のエネルギーマネジメントシステム「JーEMS」(商標登録出願中)と一気通貫体制を挙げている。JーEMSは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の支援を受け、技術検証と高精度化を進めてきたもの。JーEMSは、複雑化する電力市場において最適な収益を上げるため、クラウドとエッジの両面から高度な制御を実現する。
クラウド側(市場連携・予測)では、データ分析に基づく同社独自開発のソフトウェアの予測技術を活用し、発電量・需要・市場価格を予測し、卸電力市場、需給調整市場、容量市場といった複数の市場に対し、最適な充放電計画の立案と入札を行う。エッジ側(セキュアな制御)では、独自開発のハードウェアにより、セキュリティ要件に対応した安全性の確保と共に、クラウドからの指令に基づいたミリ秒単位での正確な蓄電池制御(充放電実行)を行う。
ヒラソル・エナジーはJーEMSを基盤に、ワンストップで完結させる開発能力を組み合わせることで、系統用蓄電池の普及と電力系統の安定化への貢献を目指す。
ヒラソル・エナジーは、百年続く太陽光発電の実現を目指す東京大学発スタートアップ。先端技術とデジタルソリューションの提供により、太陽光発電所の事業的価値と社会的価値を最大限引き出すことを目指している。発電所の性能再生事業、発電所の集約化運営を推進する百年ソーラー事業、太陽光発電関連のDXソリューションの提供などを行っている。
このうち百年ソーラー事業は、山梨県で初の取り組みを実施し、2025年3月には九州エリアでも同様の取り組みを開始した。このほか、太陽光発電関連では、イースト・エンジニアリング(東京都文京区)と、FIP制度への移行と最適に制御支援する共同プロジェクトなどに取り組んでいる。
【参考】
・電力広域的運営推進機関―容量市場メインオークション約定結果(対象実需給年度:2029年度)の公表について
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2026年1月27日
富士経済(東京都中央区)は1月22日、社会実装が近づいているペロブスカイト太陽電池(PSC)の主要部材について調査し、その結果をとりまとめ公表した。同太陽電池を構成する主要部材のうち、バリアフィルムの2040年の世界市場は8877億円、TCO基板については5642億円規模に拡大すると予測している。
同調査は、PSCを構成する主要部材7品目(バリアフィルム・TCO基板・ペロブスカイト材・電子輸送材・正孔輸送材・背面電極材・封止材)を対象に、市場動向や参入企業の開発動向、課題などについて分析したもの。
これら主要部材は、PSC市場の普及に伴い成長するものであり、市場の立ち上がりは2025年以降、本格的な成長は2030年以降と見込まれる。中でも、単価の高いバリアフィルムやTCO基板が大きく拡大すると同社は予測する。
将来的には、価格の高い部材のコストダウンが予想されることから、市場は出荷数量ベースと比べて緩やかな伸びになるとしている。
バリアフィルムは、水や酸素に極めて弱いペロブスカイト層を守るために必要な保護フィルムで、極めて高い防水・防湿性能を持つ。PSCは現在、フィルム基板型とより堅牢なガラス基板型の2つのタイプの開発が進められているが、バリアフィルムはフィルム基板型にのみ使用される(そのほかは双方のタイプで使用)。
一般的に多積層であるほどバリア性が高まるが、それに比例してコストも増す。そのため、材料や構成・製造方法などの最適化が課題となっている。将来的には、「現状の半額程度まで価格が下がる」と期待される。
TCO基板は、基材(ガラス/フィルム)上に、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜やITO(酸化インジウムスズ)膜などをコーティングした導電性を持つ基板で、光入射面側の電極として用いられている。PSCの変換効率や耐久性に直結するペロブスカイト太陽電池の「土台」となる材料であり、高い品質が求められる。
ITOの原材料であるインジウムはレアメタルの一種で、現在は、ディスプレイや半導体アプリケーションの需要増などから価格が高騰し、国内外では代替材料の模索が続く。各素材には課題があるものの、安価な代替材料の研究が進むことなどで、TCO基板のコストダウンが期待されると、同社は解説している。
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