2025年4月11日
田技研工業(ホンダ/東京都港区)は4月4日、子会社の本田技術研究所(埼玉県和光市)が、循環型再生エネルギーシステムのコア部品の試験を国際宇宙ステーション(ISS)で実施すると発表した。同システムは宇宙(月面)での使用を想定し開発しているもので、日中に太陽光を用いて酸素と水素を製造し貯蔵。夜間にそれらを使って発電し、居住スペースに電力を供給する。
本田技術研究所は2002年に、世界で初めて燃料電池自動車のリース販売を開始。また高圧水電解システムを使ったスマート水素ステーションの開発・設置を行っている。今回の循環型再生エネルギーシステムにも、これらの技術が活用されている。
ホンダによると、同社の高圧水電解システムは通常必要とされる水素を圧縮するためのコンプレッサーが不要、また循環型再生エネルギーシステムは蓄電池よりも質量当たりのエネルギー密度が高く、同量のエネルギーを蓄えておくために必要な質量が蓄電池より小さいため、宇宙輸送で課題となる積載容量・質量に関して優位性があるという。
今回の実証では、ISSの微小重力環境下で、同システムのコア部品である水電解セルの試験を実施し、重力環境が水電解セルの反応に与える影響を検証する。なお、この試験は、米国の宇宙関連のスタートアップ米国の航空宇宙関連企業であるSierra Space社およびTec-Masters社のサポートを受けて進められる。
本田技術研究所は2024年、米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーター内に、Space Development Divisionを新設した。同社は、米国の宇宙関連企業・機関とHondaの研究開発部門とのパートナーシップの締結・プロジェクトマネジメントを担っており、今回のプロジェクトにおいてもプロジェクトマネジメントを担当する。
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2025年4月10日
神戸製鋼所(兵庫県神戸市)は4月4日、神戸総合技術研究所にソーラーカーポート型太陽光発電設備を設置し、稼働を開始したと明かした。みずほ丸紅リース(東京都千代田区)とのオンサイトPPA契約締結に基づき実施する。
設置にあたっては、車路部分にも太陽光パネルを設置する車路一体型を採用した。これにより、土地を最大限活用し、発電量を高めたという。
年間発電量は約700MWhで、CO2排出量は年間約300トン削減できる見込みだ。なお、神戸製鋼所がオンサイトPPAにより再エネ電力を活用するのは今回が初めての取り組みとなる。
KOBELCOグループは、自社の生産プロセスにおいて、2030年までにCO2排出量を2013年比で30〜40%削減、2050年にカーボンニュートラル達成という目標を掲げている。この目標達成には、製鉄プロセスにおける大幅なCO2削減とともに、事業所での再エネ利用が不可欠としている。今回の取り組みもこの一環である。
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