2025年12月12日
パシフィコ・エナジー(東京都港区)は12月9日、補助金に依存せず自己資金のみで開発したフルマーチャント型の系統用蓄電所「小金井蓄電所」(東京都内)の商業運転を開始した。
この稼働により同社は、北海道・九州に続き、3エリア目となる東京エリアの電力市場への参入を果たした。今後は高圧・特別高圧の系統用蓄電池に加え、太陽光発電所との併設型蓄電池の開発も全国的に拡大していく。
小金井蓄電所の出力は約2MW、容量は約10MWhで、5月に建設を開始した。開発から設計・調達・建設管理、市場取引方針の策定、アセットマネジメントに至るまで、一貫した自社体制で推進したのが特長。同社は、独自の市場分析とトレーディング手法と取引実績により、複雑で予測が難しい電力卸売市場において、補助金に依存しないフルマーチャント型での開発が実現したとし、今後は、さらなるスケールアップを図り、2030年までに約660MW/2.9GWh規模の導入を目指す。
同社は、2021年以降、系統用蓄電池事業の開発を本格化し、2023年に北海道札幌市と福岡県糸島市で、電力市場向け系統用蓄電所の商業運転を開始した。複数エリアでの事業展開を通じて、地域ごとの系統特性や市場構造に対応する知見を蓄積しており、今後の全国展開に活用していく。
なお、北海道と九州の系統用蓄電池事業は、資源エネルギー庁の補助金に採択されている。また、エナリス(東京都千代田区)が系統用蓄電池の制御支援サービスを提供している。
パシフィコ・エナジーは再生可能エネルギー発電所の開発会社で、2012年の設立以来、累計1293MW(直流ベース)の太陽光発電所を開発・竣工している。ゴルフ場跡地を再利用した太陽光発電所では、除草剤を一切使用せず、より豊かな自然環境を再生する取り組みを行っている。
同社は、日本国内での太陽光発電と蓄電池事業での経験に加え、海外における先行事例から得た知見を活かし、再エネ電源と蓄電池の相互補完によるグリッド・パリティの実現、地域共生型の電源開発、主力電源化を見据えた長期安定電源の運営を目指して、今後も取り組んでいく。
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2025年12月11日
不動産の賃貸・管理・開発事業を展開するSGリアルティ(京都府京都市)は12月8日、福岡県篠栗町で「(仮称)佐川急便九州中継センター」の新築工事を着工したと発表した。太陽光設備の採用をはじめ環境に配慮した計画が検討されており、ZEB readyなどの環境認証取得が見込まれる。竣工は2027年5月の予定。
新施設は、九州自動車道「福岡IC」から約2.6kmに位置し、福岡市内や九州全域へのスムーズなアクセスが期待される。地上2階建てで、敷地面積は6万6853.43m2、延床面積は3万4270.92m2。
施設の屋根には、自家消費型太陽光発電設備を設置。発電した電力を施設内で使用することで、CO2排出量の削減と電力コストの低減を図る。また、建物の省エネ性能を最大限に高めるとともに、エネルギー消費量の削減を目指すとしており、CASBEE Aランク・ZEB readyなどの環境認証の取得を目指す方針だ。
環境負荷低減に向け、Low-Eガラスや全館LED照明、雨水流出抑制施設を採用するほか、72時間の稼働を可能にする非常用発電設備を設置。災害時においても事業継続できる事業継続計画(BCP)とする。
SGホールディングス(京都府京都市)は現在、全国に25ある中継拠点を東京・関西・九州の3つの拠点に集約する大規模な再編計画を進めている。今回の建設プロジェクトもこの一環で、佐川急便(同)の既存の4拠点と2拠点の一部が新施設に集約されることとなる。
同社HDは、今回の拠点集約による中継業務の効率化で、積載効率の改善やトラック台数の適正化、それに伴うCO2排出量削減などの効果を見込む。
なお新施設には、最大117台の同時接車が可能なトラックバースや185台の大型駐車場が設けられるほか、充実した休憩スペースを確保する予定で、これにより、トラックの待機時間や荷物の積み降ろし時間の短縮、ドライバー・倉庫内のスタッフの労働環境の改善にもつながるとしている。
SGリアルティは今後も、顧客ニーズや社会課題に対応しながら、環境に配慮した物流不動産開発を推進していく。
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