2025年8月10日
ヨコハマ未来創造会議(神奈川県横浜市)は8月5日、日産自動車(同)、日本旅行(東京都中央区)などと共同で、豊島岡女子学園の学生を対象に、サステナビリティを楽しみながら学べる教育旅行プログラムのトライアルツアーを実施したと明かした。
同プログラムは、カードワークで生徒自らが選んだ職業視点で課題を考え、解決のヒントを横浜のまちで探し出すというもの。学生自身が、サステナブルな未来をつくるという視点を養うとともに、自分ごと化により意識・行動変容を促す設計となっている。
今回の試みは、開発中のプログラムの有用性を検証することを目的としており、探求的な活動・学習に力を入れる豊島岡女子学園の生徒を招き、脱炭素先行地域である「みなとみらい21地区」を中心にトライアルツアーを実施した。
参加者は、「将来住みたいサステナブルな未来のまち」の実現に向け、地球・環境に優しい「宿泊」「ビル・建物」「イベント」などのテーマのごとに分かれ、自身が未来を創る担い手となって職業を選び、それぞれの探究ミッションと課題を設定。フィールドワークでは、職業目線のまち巡りを通じて、課題解決につながるヒント探しを行い、ワーク後には、体験プログラムの振り返りとともに、課題解決アイデアや共生するために自身ができる日常でのサステナブルなアクションを各自が発表した。
フィールドワークでは、日産自動車本社のほか、「三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア」「横浜アイマークプレイス」「横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)」「象の鼻テラス」など、サステナブルな取り組みを実践する企業や運営する施設を訪問した。
このうち日産自動車では、日産グローバル本社ギャラリーで、EVの説明・見学・充電体験を実施。日々の環境負荷低減効果だけでなく、災害時には『走る蓄電池』として活用できることなどのレクチャーを受けた。
そのほか、学生たちは「ボトルtoボトル」や「食品ロス削減SDGsロッカー」などを巡り、楽しみながら横浜の取り組みについての学びを深めた。
今回のトライアルツアー実施により、コンテンツの充実化や時間配分などの改善点や運営上の課題などがみつかったという。ヨコハマ未来創造会議は今後、参加者や教師からの意見を踏まえ、プログラムのブラッシュアップを進め、9月に2回目のトライアルツアーを実施し、11月をめどにプログラムの商品化する予定だ。また、1都3県を中心に教育旅行を誘致し、修学旅行のプログラムとして展開することを目指すとともに、「GREEN×EXPO 2027」の誘客にもつなげる。
ヨコハマ未来創造会議は、「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」の開催を契機に、これからの社会を担う若者が、環境に配慮した生活や社会の実現に向けて、議論しアクションを起こすきっかけとなる会議体として発足した。横浜に集う多様なステークホルダーと連携しながら、若者たちのアイデアと感性を活かしたアクションを共創している。
記事内容へ
2025年8月9日
住友不動産(東京都新宿区)は8月6日、グループ会社の住友不動産ハウジング(同)、東京電力エナジーパートナー(同・千代田区)、TEPCOホームテック(同・墨田区)と共同で、戸建住宅に薄型太陽光パネルを設置する実証実験を開始すると発表した。この実証は、「すみふ×エネカリ」の新商品提供に向けたもので、戸建住宅への接着工法を試行し、商品化への実現性を検証する。
実証で使用する太陽光パネルは、電巧社(東京都港区)提供の「フレキシブルソーラーG+」。1m2当たりの重さは3〜4キログラム、薄さ2.5〜4mmと、超軽量・超薄型が特徴だ。
これをTEPCOホームテックが、住友不動産グループが運営・管理する東京都武蔵野市の「住友不動産の注文住宅 J・レジデンスモデルハウス」および千葉県成田市の「住友不動産の注文住宅 J・アーバンコートモデルハウス」の屋根に設置。太陽光パネルの施工性や耐久性、変換効率や防眩性、また戸建住宅屋根との相性やデザイン性を検証する。
住友不動産グループと東京電力グループは、検証を踏まえ、2026年6月の商品化を目指す。
住友不動産グループによると、既存戸建住宅への太陽光パネルの設置には、設置場所の制約や耐震補強などの初期コストが障壁だという。今回の実証により、超軽量で薄型な太陽光パネルを住宅へ設置することの実現性が確認されることで、新商品の訴求につながるとしている。
2050年カーボンニュートラル達成に向けては、家庭部門での脱炭素化が重要であるとし、国や自治体による太陽光パネル設置の普及促進・義務化が進んでいる。
住友不動産と東京電力EPは2021年に、脱炭素リードプロジェクト協定を締結。これに基づき、新築戸建住宅および既存戸建住宅のまるごとリフォーム「新築そっくりさん」において、太陽光発電設備および蓄電池の普及を促進する太陽光発電サービス「すみふ×エネカリ」を提供している。
「すみふ×エネカリ」は、住友不動産が施工する新築戸建住宅・既存戸建住宅向けのサービスで、初期費用なし・定額料金だけで太陽光発電設備と蓄電池が利用できる。これまでに約4000件が利用している。
記事内容へ