2026年1月1日
経済産業省は12月23日、脱炭素社会の実現と経済成長の両立を目指す「GX戦略地域制度」の募集を開始した。
同制度は、産業資源であるコンビナートや地域に偏在する脱炭素電源などを核とした「新たな産業クラスター」の創出に向け、自治体・企業による先進的かつ意欲的な取り組みを支援することを目的としている。選定にあたっては3つの枠組みを用意し、地域の特性に合った計画を進める。
「GX戦略地域制度」募集では、
・コンビナートなど再生型
・データセンター集積型
・脱炭素電源活用型(GX産業団地)
の3つの類型を設け、各類型で異なる取り組みや計画を広く募集する。
コンビナートなど再生型
全国各地に存在するコンビナートや工業地域は、電力やガス、熱、水、道路など多様なインフラが高度に統合されているが、国際競争の激化やGX対応などを理由に、事業転換が必要とされるケースがある。
そこで、地域のコンビナート跡地や空きスペースなど、いわゆるブラウンフィールドを有効活用し、GX関連企業の生産拡大や競争力向上に向けた取り組みを後押しし、新たなGX型の産業クラスター創出を促進する。
データセンター(DC)集積型
現在、DC需要が急増する中、電力インフラが逼迫し、系統接続に10年以上かかる場合もあると報告されている。こうした状況を打破しなければ、DC投資が海外に逃げる恐れがある。
この枠組みでは、電力・通信インフラ整備の効率性を踏まえたデータセンター集積を図り、それを核とした産業クラスターの形成を図る。
脱炭素電源活用型(GX産業団地)
経産省によると、一部の電源立地地域では、脱炭素電源を活用した工業団地の造成などの動きがあるが、「要家側からみて魅力が十分ではない」「自治体に余力がない」などの理由から、構想段階でとどまっている案件が多いという。
脱炭素電源の立地地域への産業集積を進め、供給増につなげていくという好循環の創出は、GX実現に向けた鍵となるものであり、こうした産業構造へのトランジションに向け、脱炭素電源を活用し新たな産業団地の整備をサポートし、投資の受け皿を整備する。
募集期間はいずれも2025年12月23日から2026年2月13日(17時)まで。
2月に閣議決定されたGX2040ビジョンでは、「革新技術を活用し新たなGX事業が次々と生まれ、日本の強みである素材から製品に至るフルセットのサプライチェーンが、脱炭素エネルギーの利用やDXによって高度化された産業構造を目指す」という方針が示された。
4月からは、目指すべきGX産業構造とその実現に向けたGX産業立地政策の実行に向け、「GX産業立地ワーキンググループ(WG)」による議論を開始。8月には、自治体・事業者から寄せられた合計199件の提案を踏まえ、GX産業立地政策の具体的な措置として「GX戦略地域制度」を創設した。制度設計では、地域選定を行う3類型とともに、事業者選定を行う「脱炭素電源地域貢献型」に区分けし整理された。
【参考】
・経済産業省―GX戦略地域の選定に関する公募を開始します
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2025年12月31日
関西電力(大阪府大阪市)とBIPROGY(東京都江東区)は12月22日、再エネの発電量と電力消費量がリアルタイムで一致していることを証明する「アワリーマッチングシステム」の実証を開始すると発表した。同システムの実用化を見据え、データ管理技術を構築と有用性を検証する。
同システムは、コーポレートPPAに基づく再エネ設備の発電データと需要地点における電力消費データを用いて、発電量と消費量を1時間単位で照合する。これらのデータを改ざん困難なブロックチェーン上で管理することで、発電された再エネ電力がリアルタイムで消費されていることを証明する仕組みだ。
今回の実証では、真正性をデータ管理技術を構築し、実証の一部でCO2排出係数の可視化も行うという。具体的には、関西電力が立案およびシステム全体の評価を担い、BIPROGYが実証システムの開発と技術的課題の解決に向けた支援を行う。実証期間は2026年3月までを予定している。
近年、24時間365日ゼロカーボン電力を100%使用することを目指す「24/7 Carbon Free Energy」への関心が高まっている。あわせて、GHGプロトコルの改定に向けた検討においても、アワリーマッチングが論点の一つとなっており、再エネ電力と消費電力がリアルタイムで一致していることを担保する仕組みへのニーズが高まっている。
こうした背景から、関西電力はアワリーマッチングについて日清食品との実証や大阪関西万博における実証などを実施。今回の取り組みは、アワリーマッチングシステムの実用化を見据えたものだ。両社は、今回の取り組みを通じ、再エネのさらなる導入拡大に貢献するとしている。
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