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2025年10月1日

東北電力、農業由来クレジット活用 農業支援と脱炭素推進の地域モデルを提示

東北電力(宮城県仙台市)は9月24日より、東北6県・新潟県におけるサステナブル(持続可能)な農業の実現に貢献するため、農業由来カーボンクレジットを購入・活用を開始すると発表した。

この取り組みより、生産者は新たな収入源が確保され、就農者の確保や設備導入などにつながる。地域の生産者が創出したクレジットを地域企業が活用することで、農業の活性化を支援するとともに脱炭素を推進する。

 

エネルギーと農業が連携、共創モデルを発信

今回の取り組みでは、東北・新潟の生産者がJ-クレジット制度の「水稲栽培における中干し期間の延長」という方法論に基づき、温室効果ガス(メタン:CH4)の排出削減量として認証を受けたクレジットを同社が購入する。

購入したクレジットは、同社が主催・協賛するイベントや同社事業所の一部から排出される温室効果ガスのオフセットに活用する。また、顧客ニーズに応じた販売などを通じて、東北・新潟内で有効活用・循環を図ることで、経済的安定性と境保全性の両面から、サステナブルな農業の実現に貢献する。

 

プロジェクト管理のフェイガーと連携

この取り組みにあたっては、農業由来カーボンクレジットの生成から販売までを一貫して手がけるフェイガー(東京都千代田区)と連携する。クレジット創出を希望する地域・生産者は、東北電力がフェイガーに取り次ぎ、同社のプロジェクトに参加することになる。すでに秋田県の大潟村農業協同組合から賛同を得ており、同農協は2026年度からフェイガーのプロジェクトに参加し、クレジット創出に取り組む予定。

フェイガーは、「東北エリアにおけるカーボンクレジット地産地消推進協議体」を発足、東北銀行(岩手県盛岡市)とも連携した取り組みも進めている。

 

サステナブルな農業の実現に貢献へ

東北電力グループは創立以来、「地域社会との共栄」を経営理念に掲げている。東北・新潟において、農業は地域経済の根幹を担う重要な産業のひとつで、東北電力は、兼ねてより、事業と地域農業の共存を図る取り組みを進めてきた。たとえば、十和田発電所(⻘森県)では、十和田湖の⽔を活⽤して発電を⾏っており、発電後の⽔はかんがい⽤⽔として活⽤されている。

農業では、近年、収益性の低下、就農者の高齢化・後継者不足、異常気象による高温障害・生育不良などさまざまな課題が深刻化しており、サステナブルな農業の実現が求められている。東北電力では、その実現に向けた取り組みとして7月、エネルギー事業で培った知見をシイタケ栽培に活かすため、農事組合法人のENEX de AGRI(秋田県美郷町)と共同で、新会社「Agri-e」(同)を設立している。また、8月には営農型太陽光発電事業を展開するため、千葉エコ・エネルギー(千葉県千葉市)、Cyrinx(東京都渋谷区)と業務提携した。今回は新たな取り組みとして、農業由来カーボンクレジットの活用を開始する。この取り組みを推進するとともに、その社会的意義を発信していく。

 

水田由来カーボンクレジットについて

J-クレジット制度は、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用、適切な森林管理、農業での取り組みなどによって削減または吸収された温室効果ガスの量を、「クレジット」として国が認証する制度。

「水稲栽培における中干し期間の延長」では、出穂前に一度、水田の水を抜いて田面を乾かす中干し(水抜き)の期間を過去2カ年の平均より7日間以上延長することで、メタンの排出量を3割削減し、その削減量分を「クレジット」として認証を受けることができる。

同方法論によるJークレジット創出では、Green Carbon(東京都港区)は2023年4月に稲作コンソーシアムを発足させ、取り組んでいる。農家、農業関連機関、企業、自治体など参画者は保有する水田を、このコンソーシアムに登録すると、まとめてJ-クレジットに申請するもので、個々では登録・申請までの申請書作成や手続きなどの簡素化を図ることができる。なお、このコンソーシアムには、2024年5月時点で、合計4万ha以上の農家と、フェイガーを含む約300社以上の企業が参画している。

 

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2025年9月30日

シャープ、新FIT制度対応エネマネサービス開始 AI活用で2段階制対応

シャープ(大阪府堺市)は9月24日、同社のクラウドHEMSサービス「COCORO ENERGY」において、新FIT制度に対応したエネルギーマネジメントサービスを開始した。同社独自のAIを活用した蓄電池制御を提供し、新FIT制度下の再エネ利用を最適化する。

 

新FIT制度の「2段階制」に対応

FIT(固定価格買取制度)は、再エネの普及促進を目的に、太陽光発電システムなどで発電した電気を、電力会社が原則10年間、固定価格で買い取ることを国が保証する制度で、2012年7月に始まった。2019年11月以降には、前身の余剰電力買取制度において10年が経過し買取期間が満了を迎える、いわゆる「卒FIT電力」の活用も議論となった。

再エネ電力に関しては、今後も普及促進が見込まれることから、10月1日に制度改定が行われる。新制度では、従来の10年固定を改め、設置後4年間は初期投資を回収しやすくなるよう高単価で買い取り、5年目以降の6年間は市場価格相当での買取に移行する「2段階制」が採用される。

シャープは今回、新制度に合わせ、蓄電池のAI制御を開発。新制度開始日の10月1日から、「COCORO ENERGY」にて提供を開始する。

 

設置後4年間は、必要な分だけ充電・可能な限り売電するよう制御

新FIT制度では、設置後4年間は、余剰電力を24円/kWhの買取単価で売電できる。夜間の電気代単価が24円/kWhを下回る場合は、夜間電力で蓄電池を最大限充電し、電気代単価が割高な昼間はその時間帯に使い切るだけの余剰電力を充電して残りを売電するのが経済的となる。

同社独自のAIがユーザーの生活パターンを学習し、昼間の時間帯に必要な消費電力量を高い精度で予測。予測に基づき、蓄電池に充電する余剰電力量を制御することで効率的に売電を行い、安価な夜間電力を最大限活用して電気代を削減する。

 

2段階目移行後は、自動で自家消費を優先するモードに切り替え

4年経過後は2段階目に移行し、買取単価が市場価格相当まで低下する。同社では、買取単価の低下に合わせて、自動でモード切り替えを行う機能を搭載。ユーザーに代わって蓄電池を自家消費運転に切り替えることで、モード切り替えにかかる手間を省き、自動で最適な運転を実現する。

 

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