2025年8月17日
川崎重工業(東京都港区)、三井化学(同・中央区)および大阪大学は2月20日、CO2を原料としたメタノールおよびパラキシレンの合成に関する実証試験に成功したと発表した。石油資源を原料とする製造法と比べて、CO2排出量の大幅削減が期待される。
今回の取り組みは、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、工場などから排出されるCO2を有効に利用するための技術開発を目的に行われた。
CO2と水素からメタノールを経由してパラキシレンを製造する試験を実施した結果、各要素技術の確立と、CO2から合成されたメタノールを用いてパラキシレンを合成する技術を実証した。
大気中から回収したCO2や工場排出のCO2をメタノール・パラキシレンに変換・活用することで、CO2排出削減および固定化に貢献できるという。3者は今後も、さらなる技術開発を進めるとともに、早期の事業化を目指す。
なお、今回の取り組みは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業」における「カーボンリサイクルを志向した化成品選択合成技術の研究開発」の一環として実施されたもの。
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2025年8月16日
大阪ガス(大阪府大阪市)は2月25日、大阪・関西万博において、経済産業省が出展する「日本館」を活用しメタネーションの実証を行うと発表した。施設に併設されたバイオガスプラントでCO2を回収し、e-methane(e-メタン)の原料にリサイクルする。
この取り組みは、環境省の「既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築実証事業」の一環として行われる。
今回の実証では、会場内で発生する生ごみ由来のバイオガスに含まれるCO2に加え、「直接空気回収(DAC)実証装置・CO2回収装置・日本館のバイオガスプラントで回収したCO2と、再エネ由来のグリーン水素を原料に、メタネーション装置により、e-メタンを製造する実験を行う。
製造量は一般家庭約170世帯分に相当する7Nm3を想定しており、生成したe-メタンは、迎賓館厨房およびガスコージェネレーション設備に利用する。
日本館は、バイオガスプラントを用いて生ごみを微生物の力で分解しエネルギーを生み出す。施設の電力はバイオガスによって賄われる。
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