2026年5月14日
みずほリース(東京都港区)は5月7日、100%子会社のエムエル・パワー(同)が、森トラスト(同)が滋賀県守山市で推進する系統用蓄電所事業「琵琶湖蓄電所プロジェクト」への出資参画を発表した。
みずほリースは、社会課題の解決を担う「マルチソリューション・プラットフォーマー」を掲げ、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー関連事業を展開。これまでも、エムエル・パワーを通じて複数のパートナー企業と系統用蓄電池事業に参画し、事業ノウハウを蓄積してきた。
エムエル・パワーは4月23日、北陸電力(富山県富山市)と舟橋蓄電所合同会社(東京都中央区)を設立し、系統用蓄電池事業に参入した。2027年4月をめどに、富山県舟橋村で蓄電所(出力1.99MW、容量8.01MWh)の運転開始を目指している。
みずほリースとエムエル・パワーは、今回の琵琶湖蓄電所プロジェクトへの参画を通じ、再エネ・蓄電池事業への取り組みをさらに強化する方針だ。
エムエル・パワーは2020年設立の企業。2024年4月に、環境エネルギー関連ビジネスを手がけるグリーンパワーマネジメント(GPM/東京都港区)から商号を変更した。
同蓄電所は、森トラストにとって初の系統用蓄電所事業で、同社が設立する特別目的会社(SPC)を通じて事業運営を行う。
出力は8.7MW、容量は19.7MWh。蓄電池には、パワーエックス(岡山県玉野市)製のリチウムイオン電池を採用する。敷地面積は約1万6,000m2で、2026年夏に着工し、2027年下期の運転開始を予定している。
同社はこれまで、蓄電池関連領域について、技術動向の把握や知見を蓄積するため、次世代蓄電池の研究開発・製造・量産を行う米国のテラワットテクノロジー(神奈川県横浜市)や、蓄電システムの量産を手がけるパワーエックスへ出資してきた。
また、東京都蓄電所投資事業有限責任組合へも出資を行い、系統用蓄電所事業への参入可能性について検討を重ねてきた。
再エネ導入が進み、太陽光による電気などの需給バランスを常時維持する「調整力」の確保が求められる。一方で、生成AIやクラウドサービスの普及による一時的な電力不足により、都市機能が停止するリスクが顕在化している。こうした昨今の課題や状況を踏まえ、同社は系統用蓄電所事業に参入することで社会インフラの持続性に貢献する考えだ。
不動産デベロッパーとして、オフィスビルや都心・地方でのホテル開発を手がける同社では、賃貸物件として保有するオフィスビルに再エネを導入する取り組みや、太陽光発電事業を推進するなど、グリーンインフラへの投資にも注力している。
再生可能エネルギーの主力電源化を見据え、電力需給の調整を担う蓄電所事業に、エネルギー関連企業にとどまらず多様な業界からの参入が相次ぐ。国内事業者だけでなく、4月1日にはフランス再エネ大手のネオエン(パリ)による日本国内における系統用蓄電池市場への参入が発表され、海外大手による日本の系統用蓄電池市場への本格参入事例として注目される。
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2026年5月13日
電機メーカーのダイヘン(大阪府大阪市)は4月27日、サンヴィレッジ(栃木県足利市)が推進する系統用蓄電所事業において、高圧接続を中心に、全国の蓄電所250カ所、総容量2.4GWh規模の系統用蓄電所への機器供給契約を締結したと報告した。
2025年度までに高圧接続蓄電池システム(2MW×8MWh)を6カ所に納入済で、2026年度は70カ所超への納入を予定している。
このプロジェクトにおいて、サンヴィレッジは、蓄電所の開発、EPC(設計・調達・建設)、運用、保守、販売を行う。ダイヘンは蓄電池システムとエネルギーマネジメントシステムを開発・提供する。
サンヴィレッジが採用した、ダイヘンの系統用蓄電所向け蓄電池パッケージは、パワーコンディショナー、蓄電池、変圧器、連系設備とエネルギーマネジメントシステム(EMS)を含む主要機器を自社開発した国産製品で、経済産業省が主導する「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」で、「JC-STAR ★1(レベル1)」認証を取得している。
この認証は、サイバーセキュリティと運用面の信頼性を評価する制度であり、2027年4月以降は系統連系の要件となる予定。このシステムの採用により、将来的な制度対応を見据えた高い信頼性と継続性を確保する。さらに、この蓄電池システムは低騒音性能を特長としており、周辺環境への影響を最小限に抑えた運用が可能であるとともに、コンパクト設計による搬入・設置の容易性も兼ね備えている。これにより防音対策コストの低減だけでなく、住宅地近接エリアを含む蓄電所候補地の拡大に寄与し、開発の加速を実現する。
サンヴィレッジは、北関東を中心に太陽光発電所の開発・建設を進めてきた。再エネをより広く普及させるためには、電力系統の安定運用を確保する「調整力」としての蓄電池の導入が、重要な課題となっている。サンヴィレッジは、北関東にとどまらず、全国各地において系統用蓄電所の開発・建設を推進している。
系統用蓄電池は、再エネの主力電源化に向けて、電力系統全体の調整力として期待が高まっており、各種補助金の支援強化などにより国内各地導入が進められている。政府は2030年の系統用蓄電池の導入容量について、累計14.1~23.8GWhに達するとの見通しを示している。蓄電ビジネスへの参入する事業者も増えている。
ダイヘンは、需要が拡大する蓄電所市場において蓄電池システム関連機器の普及拡大を推進している。同社は、系統用蓄電池向けの蓄電池パッケージを2024年に市場投入し、その製品の特長である低騒音、搬入・設置の容易性などが評価されている。また、2025年10月に「JCーSTAR ★1」認証を取得した。
2025年8月には、蓄電池メーカー世界最大手のContemporary Amperex Technology(CATL社)およびCATL社国内正規代理店のVOLT販売(東京都中央区)と、定置用蓄電池に関する供給契約を締結している。契約容量は300MWhで、今回の契約により、同社の2025年度EMS事業は、高圧系統用蓄電池案件で30件超、売上高は100億円を上回る見通しだ。
また、2025年10月には、日本蓄電池(東京都千代田区)が開発を進める「NC唐津市相知町蓄電所」(佐賀県唐津市)に、蓄電池パッケージを納入している。この蓄電所の定格出力は約2MW、定格容量は約8MWhで、72時間で約470世帯分の電力供給を可能だ。日本蓄電池は、デジタルグリッド(東京都港区)、九電工(福岡県福岡市)、サンヴィレッジなどと連携し、系統用蓄電所開発を進めている。2025年度設置予定の複数カ所の蓄電所において、ダイヘン製蓄電池パッケージの採用を決定している。
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