2026年8月25日
宣伝会議(東京都港区)は8月26日、「工場の省エネ・創エネ・蓄エネ実践プロセス解説講座」をオンラインで開催する。
工場のエネルギーコスト削減と脱炭素化をテーマに、エネルギーデータを活用した運用改善、高効率設備への更新、太陽光発電や蓄電池の導入、スマートファクトリー化までを体系的に解説する。
対象は、施設・設備管理、生産技術、研究開発、環境・サステナビリティ、経営企画、管理、営業部門の担当者など。
燃料費や電気料金の高騰、取引先からの脱炭素対応への要請を受け、工場ではさらなるコスト削減と環境負荷低減が求められている。一方、工場の規模や稼働状況、既存設備によって、優先すべき対策や投資効果は異なる。
同講座では、省エネによってエネルギーの無駄を削減した上で、創エネや蓄エネによってエネルギー利用の仕組みを変えるための実践プロセスを紹介する。削減効果と投資価値を整理し、経営層や関係部門への説明に活用できる判断基準や、工場ごとのロードマップの策定方法を学ぶ。
第1部では、エネルギーデータを活用した数値管理を基礎に、運用の見直しから設備の高効率化、創エネ・蓄エネまで、工場のエネルギー改善を段階的に解説する。
第2部では、スマートファクトリーによる工場GXをテーマに、施策の優先順位を判断する方法やロードマップの策定、国内外の導入事例などを取り上げる。
講師を務めるのは、一般社団法人東京環境経営研究所理事の田村 健人氏と、アビームコンサルティング サステナブルSCM戦略ユニット マネージャーの大塚 優介氏。
カリキュラムの詳細は以下の通り。
・「乾いたぞうきんを絞るのはムダ・数値管理による省エネ」
・環境対策を、利益を生む「カイゼン投資」へ変えるマインド
・単なるデータ収集で終わらせない。整理整頓から運用の見直し(最適化)へのステップ
・kWh(電力量)とkW(瞬時電力)の違いを正しく理解し、省エネや契約電力の低減につなげる基礎
・エネルギーデータの収集と数値管理事例・ 「省エネ施策の立案と運用改善」・
・ 運用方法の改善・集中制御の導入
・省エネ効果の定量評価とモニタリング
・省エネ・創エネ・蓄エネ実践ステップ:「Step1:運用の見直し(投資ゼロ~低コスト)」→「Step2:ユーティリティ設備の高効率化(中~高コスト・高効果)」→「Step3:生産プロセスの改善・創エネ(高コスト・抜本的改革)」
・「省エネ施策の立案と運用改善」
・機械別、省エネに対する具体的な取り組み方
・生産ユーティリティ領域:コンプレッサー系統(エア漏れ対策など)/空調・換気設備/ボイラー・蒸気系統/ポンプ・ファン系統
・生産プロセス領域:エネルギー管理・運用領域
・生産ラインの稼働最適化:FEMS(工場エネルギー管理システム)の導入/運用ルールの徹底と意識改革
・「創エネ(太陽光)と蓄エネのシステム」
・太陽光発電の設置方法(自己資金、PPAなど)
・発電・需要シミュレーションと容量
・蓄電池の活用・「省エネを目的とするのではなく、社会全体のCO2削減が必要」
・サプライチェーンから見るスコープ 1・2・3とCFP(カーボンフットプリント)
・仕組みを変えてCO2を削減
・「工場GXの成熟度レベル」
・工場のGX到達段階を把握:Lv1 見える化、Lv2 省エネ、Lv3 電化・再エネ化、Lv4 脱炭素燃料への転換・「工場GXを実現する改善施策」※Lv1 見える化は第1部で解説
・Lv2 省エネ:設備・ユーティリティの改善(製造ライン・システムの改善・更新)、製造プロセスの改善(歩留まり向上、稼働率向上)
・Lv3 電化・再エネ化:蒸気、電気炉、PPA、蓄電池、DR/VPP
・Lv4 脱炭素燃料への転換:水素
・「GXを加速させるスマート工場」
・経済産業省の定義
・スマート工場の主要技術(IoT・AI・FEMS・デジタルツイン)
・スマート工場の最新動向(予知保全・物流無人化・品質管理のスマート化など)
・「工場GXロードマップ策定」
・Lv2~4の優先順位付け:MACカーブ(限界削減費用曲線)
・MACカーブの概念と活用のメリット
・「投資回収期間」だけでなく「1トンあたりの削減コスト」で比較する意義
・「今後の工場GX実現に向けた重要成功要因」
・スマート工場は、単なる見える化から、データを活用した最適な意思決定・運用へシフト
・Lv3~4の施策では、電力・エネルギー調達の観点から、部門横断(エネルギー管理、調達、運用)での取り組みが必要
・内部データだけでなく、外部データ(市場、気象データなど)を含めた意思決定が必要
・再エネ調達、自社小売、エネルギーコミュニティ
・「国内外事例解説」(国内)
・オンサイトPV+蓄電池による自家消費事例(Lv3)
・水素事例(Lv4)
・グループ会社での共同調達事例(Lv3)
・「国内外事例解説」(海外)
・デジタルツインによるCPPA、電化、稼働タイミングのコントロール事例(Lv3)
・EVへの再エネ電力供給、充電タイミングのコントロール事例(Lv3)
・e-boilerの事例(Lv3)
配信日時は8月26日10時~14時30分(Zoomによるライブ配信)。受講料は1人4万9500円(税込)。申し込み期限は8月24日12時まで。
燃料費や電気料金の高騰に加え、取引先からも脱炭素対応を求められる中、工場の実情に応じたエネルギー利用の効率化やGX施策を検討する上で役立つ内容となっている。
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2026年8月24日
東急不動産(東京都渋谷区)は8月4日、埼玉県熊谷市において、耕作放棄地が点在していた農地を集約し、麦の圃場として国内最大規模の営農型太陽光発電所を開発・竣工したと発表した。また、埼玉県東松山市において、運営する地域共生型施設「TENOHA東松山」に隣接する水田にて営農型太陽光発電所を開発・竣工した。
両発電所では、藤棚式の架台を採用し農業と発電を両立する。発電した電力は、オフサイトPPAにより同社保有施設へ供給し、売電収入の一部は農業協力金として営農家へ還元する。
麦を生育する圃場として、国内最大規模となる営農型太陽光発電所「リエネソーラーファーム熊谷」は、地域の農業法人である埼玉福興(埼玉県熊谷市)と開発・竣工し、4月1日より運転を開始した。発電出力は、DCが2,625kW、ACが1,990kW。
この発電所が立地する地域には、一部エリアで、すでに耕作放棄地が存在していた。他の農地においても後継者不足による耕作放棄地の将来的な増加が懸念されており、地権者からも土地の効果的な活用を求める声が多く上がっていた。こうした状況を受け、埼玉福興と連携し、耕作放棄地を含む35筆(約4ha)に細かく分散していた農地を一団の土地に集約した。農地を大区画で整形することで、中長期的な農地保全だけでなく、機械作業の容易化による農作業の効率化・生産性向上も同時に実現した。
この発電所では藤棚式を採用し、農業機械の十分な作業空間を確保することで、パネル下部でも麦の適切な生育を実現し、日本の食料自給率の向上に貢献する。また発電した電力は、東急不動産保有のオフィスビルや商業施設にオフサイトPPAを活用して供給する。また、売電収入の一部は埼玉福興に営農協力金として還元を行うほか、地域の自治会費として収めることで、農業経営や地域社会の安定化を後押しする。
さらに、この発電所では、埼玉福興による障がい者や就労困難者の就労支援と農業を融合させた農福連携モデルを組み合わせることで、再エネの導入拡大に加え、地域農業・地域コミュニティの持続可能性向上を目指す。
東急不動産は、東松山市において、2022年に「リエネソーラーファーム東松山」を開業し、営農型太陽光発電の実証実験を開始した。11社とともに共同実証にも取り組んできた。実証を通じて、発電した電力の自社保有施設への供給、売電収入の一部を農業協力金として営農家へ還元、収穫した農作物の近隣施設への提供による地産地消など、エネルギーと食・農業の課題を一体的に解決するモデルを構築してきた。
また、この敷地内にて、地域共生型施設「TENOHA東松山」を運営している。この施設では、カフェやコワーキングスペースのほか、同社の環境先進の取り組みや営農型太陽光発電の説明・展示スペースを備え、多くの視察者の受け入れ拠点として活用してきた。カフェでは近隣農家が収穫した農作物を使ったメニューを提供している。
今回、この施設に隣接する水田に、TERRA(千葉県匝瑳市)と協業し、営農型太陽光発電所「リエネソーラーファームTENOHA東松山太陽光発電所」を開発・竣工し、5月1日より運転を開始した。発電出力はDCが60.6kW、ACが50kW。
この発電所の施工は、営農型太陽光発電の豊富な開発実績を持つTERRAが担った。農作物の生育に適した設備設計により安定的な収量の確保を目指すとともに、通常のパネルと細型のパネルを併用し、農地に到達する日射条件の違いが作物の生育に与える影響を評価することで、今後の事業展開につなげる。また、太陽光パネル下部での営農については水稲の生育実績が豊富な地域の農家が担い、営農を通して採れた農作物は「TENOHA東松山」や近隣の「森林ホテル」に提供する予定。農作物の地産地消を行い地域への還元に取り組む。
この発電所の竣工を機に、5月には同社社員を対象とした田植え体験イベントを開催し、営農型太陽光発電事業や農業への理解を深める取り組みを行った。今後は、この発電所と一体となり、地域共生に向けた取り組みをさらに深めるとともに、営農型太陽光発電事業の発信拠点としての役割を強化していく。
TERRAは、営農型太陽光発電事業を展開する市民エネルギーちば(千葉県匝瑳市)のグループ会社で、営農型太陽光発電に特化して自社発電事業・EPC・コンサルティングなどを手がけている。
世界的にカーボンニュートラルの実現が求められるなか、再エネの導入拡大は社会共通の重要課題となっている。一方で農業分野においても、農業従事者の高齢化や後継者不足を背景とした耕作放棄地の増加が深刻化しており、エネルギー自給率と食料自給率がともに低い日本において、これら2つの課題を同時に解決する手段として「営農型太陽光発電」への注目が集まっている。
そこで、東急不動産は、農地を守りながら再エネを生み出し、地域と調和した持続可能な社会の実現に向けて営農型太陽光事業の拡大を進めている。
東急不動産は、「ReENE(リエネ)」という事業ブランドのもと、開発中事業を含め全国173件、定格容量2,082MW(2026年6月末現在)に及ぶ再生可能エネルギー事業を展開している。また、再エネ発電所や蓄電所の開発・AM・O&Mから電力供給・アグリゲーションまで、グループ一体で事業を推進している。今後の再エネ事業を取り巻く市況変化に迅速かつ戦略的に対応し、グループにおいて不動産事業と並ぶ新たな収益の柱として確立することを目指している。
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