2026年5月22日
大和証券グループ本社(東京都千代田区)は5月19日、北海道千歳市で開発を進める系統用蓄電池事業で、あおぞら銀行(同)からプロジェクトファイナンスによる資金調達を実施したと発表した。
同蓄電所は出力38MW、蓄電池容量は160.32MWh。固定価格契約に頼らないフルマーチャント型で、2027年10月に稼働予定。事業主体は子会社の大和エナジー・インフラ(同)が出資する千歳蓄電所合同会社(同・港区)。
系統用蓄電池は、主に電力系統における需給調整機能として、太陽光や風力などの再エネをはじめとする各発電所の出力変動の平準化と、電力の安定供給に寄与するもので、千歳蓄電所合同会社は、この需給調整機能を収益化する。
具体的には、卸電力市場での売電に加え、需給調整市場での調整力提供、容量市場での容量提供などを通じて収益を得る計画で、これらの収益は固定化されたものではなく、固定価格契約に頼らないフルマーチャント型を前提とした。
大和エナジー・インフラとあおぞら銀行は、大和エナジー・インフラの豊富な電源開発経験やプロジェクト投資実績と、あおぞら銀行のこれまでプロジェクトファイナンスで培った経験やノウハウを掛け合わせ協議。フルマーチャント型の市場収益を返済原資とするプロジェクトファイナンススキームを構築し、今回の契約締結に至った 。
また、この系統用蓄電池事業では、伊藤忠商事(東京都港区)が蓄電システムを提供し、京セラコミュニケーションシステム(京都府京都市)が蓄電所の設計・調達・建設、大阪ガス(大阪府大阪市)が蓄電池の運用・電力市場での取引、大和証券グループの大和リアル・エステート・アセットマネジメント(東京都中央区)が蓄電所の運営管理を行う。
大和証券グループは今後も、社会課題の解決や国内産業の育成と持続的な成長に貢献する、エネルギー・インフラ分野での投資・ファイナンス分野での先駆的な開発を進める。
大和エナジー・インフラは、国内外の太陽光発電事業を中心に、各種再エネ発電事業への継続的な投資を行ってきたが、蓄電池を再エネの普及を促進する重要なアセットタイプと位置付け、幅広く先駆的な投資活動を展開してきた。
2023年には北海道で系統用蓄電池事業への投資を実行し、翌年2月に太陽光発電所併設の蓄電所の運転を開始した。また2025年6月に米国と欧州で、同年11月にドイツで、2026年1月には米国で系統用蓄電池プロジェクトに参加している。
国内太陽光発電事業に関しては、すでに大和証券グループの機能を活用して金融商品を開発し販売している。国内外の蓄電池事業についても、最終的には金融商品化し、機関・個人投資家に投資機会を提供することを目指している。また、証券グループの投資会社として、「皆で使うインフラ資産に、皆で資金を提供する仕組みを整える」という目標の達成を向けて取り組む。
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2026年5月21日
ウエストホールディングス(広島県広島市)は5月12日、同社初となる特別高圧系統用蓄電所「ウエスト ニュージーランド村系統用蓄電所」(同・安芸高田市)の設置工事が完了し、受電を開始したことを公表した。
日本卸電力取引所での取引から運用を開始する予定で、将来的には発電した電力を夜間利用や地域のBCP拠点としての活用などに活用することも視野に入れる。
受電は4月1日から開始。蓄電所の出力は10.8MW、蓄電容量は34.569MWhで、蓄電池はTMEIC(東京都中央区)社製を採用。アグリゲーターは東芝(神奈川県川崎市)。ウエストHDによると、中国電力管内で受電を開始した蓄電所では最大級となる。
同蓄電所は、保有するメガソーラー「ウエストニュージーランド村ソーラーパーク」内に設置した。このメガソーラーは、2008年8月31日に閉園した「広島ニュージーランド村」の跡地に建設された。太陽電池モジュール38,472枚、出力9,618kWの太陽光発電所として2016年3月に運転を開始。太陽光発電所は固定価格買取制度(FIT制度)に基づき売電を行う。
系統用蓄電池は、電力系統の安定化や再エネの変動緩和・有効活用など、多様な導入効果が期待されており、今後の市場形成が見込まれている。ウエストグループは、2030年度までに、6カ所・770MWhの特別高圧蓄電所を開発する予定で、系統用蓄電池事業の加速に向けて、他社との連携を強化している。
2025年4月には、TMEICと系統用蓄電池事業の開発に向けて業務提携した。ウエストグループは、TMEICが提供する蓄電システムとエネルギーマネジメントシステムを標準採用し、中規模案件(2MW/8MWh)の開発を全国各地20カ所(計160MWh)で展開するとともに、特別高圧等の大規模案件2カ所(計130MWh)について共同で開発を進めていくこととしている。
2025年11月には、東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS/神奈川県川崎市)と、再エネと蓄電池の分野における協業推進を目的に業務提携した。この中で、蓄電池関連事業における協業では、ウエストグループが開発・建設する系統用蓄電所、あるいはFIT太陽光発電所をFIP転換し、発電所に併設した蓄電池を対象に、東芝ESSがアグリゲーターとして運用し、需要家には電⼒と環境価値を提供することとしている。なお、東芝ESSは、4月1日付けで東芝に経営統合された。
さらに、ウエストグループは4月、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と連携し、約70億円規模の系統用蓄電所ファンドの運用を開始した。このファンドは、ウエストグループが開発・建設と保守メンテナンスを担う複数の高圧連系型系統用蓄電所への投資を目的とする。蓄電システムにはTMEIC製を採用し、運用面では東芝がアグリゲーターを務める。
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