2026年7月24日
カンロ(東京都新宿区)は7月9日、カンロR&D豊洲研究所(同・江東区)に、電巧社(同・港区)が提供する超軽量・フレキシブル太陽光発電システム「フレキシブルソーラーG+(Sunport Power SPP370QHES)」を採用した完全自家消費型の太陽光発電設備を導入し、6月から運用を開始したと発表した。
事業期間は2046年5月までで、事業費850万円のうち210万円には東京都の補助金を活用した。
採用した太陽光発電システムは、ペロブスカイト太陽電池と同様に、薄型でフレキシブルかつ軽量という特性を備える一方、材料やセル構造は異なる。
発電材料は従来のシリコン系だが、重さは3.0kg/m2、従来の太陽光発電パネルに比べ、重量は約1/4と軽量。厚さは2.5mmと薄く、耐荷重不足の屋根や、曲面・特殊形状の屋根、建物の壁面などへも設置できる。
今回は研究所壁面に、フレキシブルモジュール(Sunport Power SPP370QHES)を60枚設置(出力22.20kW)し、パワーコンディショナー3台(14.85kW)を導入した。
同シリーズの太陽光パネルは防眩性が高く、近隣への光害対策にも配慮している。入射角が85度の場合、一般的なガラスパネルの反射率は50%であるのに対し、同製品は5%と低く、眩しさを軽減する。
この取り組みにより、初年度は約6.24tのCO2排出量削減を見込む。また、災害時には自家発電を行い、BCP対策にも活用する。
カンロは、当該設備で創出した再エネ電気を研究所内に供給し、自家消費することで、同研究所内で使用する電力の5.4%を太陽光発電で賄い、地産地消型再エネ発電推進事業を推進する。
今回、太陽光発電設備導入にあたっては、三井住友銀行(同・千代田区)がコーディネートを担った。
同社が活用した東京都の補助金「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業(都内設置・蓄電池単独設置、都外設置)」はクール・ネット東京が審査窓口となり、2026年度の公募を4月1日より開始した。申請期間は2027年3月31日までで、予算額に達し次第終了する。
なお、東京都は6月25日、脱炭素や省エネルギー、再エネ導入などに活用できる補助制度や支援制度を分野別にまとめたガイドブック2026年度版「エコサポート」を公開した。企業や自治体、住宅所有者など幅広い対象に向けた約100件の制度を掲載している。
カンロは、「事業を通じた環境負荷削減」を掲げ、2030年までにスコープ1・2の温室効果ガス排出量を1万トン、スコープ3を11万トンまで削減し、2050年までのカーボンニュートラル達成を目標としている。また、省エネ施策として、研究所で空調設備の温度管理を最適化し、不要なエネルギー使用の削減に取り組むほか、全社でCO2フリー電力への切り替えなどの取り組みを進めている。
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2026年7月23日
大阪ガス(大阪府大阪市)と大阪ガスマーケティング(同)は7月10日、新築の太陽光発電設置住宅向けに家庭用蓄電池を電力取引市場で活用する新サービス「スマイ電池EX」の実現に向け、京セラ(京都府京都市)製家庭用蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)PlusⅡ」の販売を開始したと発表した。
同サービスは、住宅に設置した家庭用蓄電池を遠隔制御し、需給調整市場や容量市場などの電力取引市場へ調整力を供出する仕組み。新築の太陽光発電設置住宅を対象に、家庭用蓄電池を市場取引へ活用する取り組みとして日本初を掲げる。
「スマイ電池EX」は、家庭用蓄電池を遠隔で制御し、多数の住宅設備を束ねて一つの発電所のように機能させるアグリゲーション技術を活用したサービス。
各家庭の蓄電池を統合的に制御し、需給調整市場や容量市場へ調整力を提供。その対価として得られる市場収益の一部を利用者へ還元する仕組みを想定している。
利用者は通常時には太陽光発電の余剰電力を蓄電し、停電時には非常用電源として利用できる従来の機能に加え、蓄電池を市場取引へ活用することで新たな経済的メリットを得られる可能性がある。
近年は再エネ比率の上昇に伴い、天候によって変動する発電量を柔軟に調整できるリソースの重要性が高まっている。一方で、大規模蓄電池だけでなく家庭用蓄電池など分散型設備を活用する動きも広がっており、電力会社やアグリゲーターによるVPP(仮想発電所)の構築が進んでいる。今回の取り組みは、こうした市場環境の変化を背景に、新築住宅に設置される家庭用蓄電池をエネルギーマネジメントへ組み込み、住宅設備の付加価値向上につなげる狙いがある。
同サービスは早ければ2026年内に提供が開始される予定。
京セラの「Enerezza PlusⅡ」は、京セラ独自のクレイ型リチウムイオン蓄電池を採用し、高い安全性と長寿命を両立したことが特徴。約2万回の充放電サイクルに対応し、長期間にわたり性能を維持できるという。
LTE通信機能を標準搭載しており、家庭内の通信環境に依存せず遠隔制御やデータ取得が可能となる。各蓄電池を個別に制御・監視できるため、市場取引に必要な高精度な制御にも対応する。
加えて、太陽光発電設備との連携や停電時のバックアップ機能も備えており、平常時の自家消費拡大と災害時のレジリエンス向上を両立する仕様となっている。
政府は住宅分野の脱炭素化を進めるため、高断熱化や太陽光発電、蓄電池を組み合わせたGX ZEHの普及を後押ししている。こうした流れを受け、住宅に設置される蓄電池にも、非常用電源や自家消費設備としての役割に加え、電力系統を支える分散型エネルギーリソース(DER)としての機能が期待されている。
大阪ガスは、家庭用蓄電池を電力市場へ参加させることで、住宅そのものが電力システムを支える社会インフラとして新たな価値を創出していく。今後は住宅メーカーなどとの連携を進め、新築住宅への導入拡大を図る方針だ。
Daigasグループは長期経営ビジョン「エネルギートランジション2050」の下、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めている。蓄電池事業を再エネの導入拡大と電力系統の安定化を支える重要分野と位置付け、系統用蓄電池と再エネ併設型蓄電池を合わせて2030年度までに1,000MWの運用規模を目指す。今回の「スマイ電池EX」もその戦略の一環であり、家庭用の制御可能な蓄電池を拡大し、DER活用を通じて電力需給の安定化につなげるとしている。
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