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2026年7月26日

国内初、原子力発電を活用したPPA・水力も 関西電力が問い合わせ受付開始

関西電力(大阪府大阪市)は7月9日、既設の原子力・水力発電所を活用したオフサイト型コーポレートPPA(フィジカルPPA)の提供に向け、需要家・小売電気事業者を対象とした問い合わせ窓口を開設した。

国内のフィジカルPPAは、太陽光や風力発電を活用したものが中心だったが、既設の原子力・水力発電所を組み合わせることで、季節・天候・時間帯に左右されにくい安定的な脱炭素電力を供給する新たなスキームの実現を図る。

 

多様な脱炭素電源を最大限活用へ

原子力を活用したフィジカルPPAは、国内初の取り組み。フィジカルPPAによる電気そのものの脱炭素化と価格変動リスクの抑制に、原子力・水力による安定調達と電源の多様化を組み合わせる。

企業による安定した脱炭素電力の需要が高まる中、多様な電源ポートフォリオを構築し、顧客の多様なニーズに応える方針。専用の問い合わせ窓口を設置することで、関心を持つ需要家や小売電気事業者からの相談を受け付け、同PPAの実現を目指す。

GXの進展や国際情勢の不安定化に伴う燃料価格の変動などを背景に、企業の脱炭素化や電力価格の安定化に対するニーズが高まっている。フィジカルPPAは、遠隔地にある発電設備の電気と環境価値を、需要家が体的に購入する仕組みで、顧客の脱炭素化に貢献するとともに、燃料価格や市場価格の変動リスクの低減にも寄与することが期待される。

 

全国600地点以上でフィジカルPPAの採用実績

関西電力はこれまで、新規追加性のある再エネ電力を、初期費用ゼロ、標準20年間の長期の契約期間にわたって安定した価格で利用できるサービスとして、フィジカルPPAを提供。全国600地点以上でフィジカルPPAの採用実績を有する。

3月には東京地下鉄(東京メトロ/東京都台東区)と、国内の地下鉄初のフィジカルPPAを締結。この契約に基づき、関西電力らが設立した合同会社が太陽光発電設備(約990kW)を開発・運営し、4月から、関西電力が小売事業者として、東京メトロの15カ所の商業施設などへ再エネ由来の電力の供給と環境価値の提供を開始している。

公益財団法人自然エネルギー財団(東京都港区)が公表した「コーポレートPPA 日本の最新動向 2026年版」によると、CO2の削減につながる追加性のある電力を調達する手段として、コーポレートPPAを選択する動きが企業や自治体の間で活発化。日本では太陽光発電が主流だが、風力などを対象にしたオフサイトPPAのニーズも高まってきている。一方で、コーポレートPPAを加速させるための課題の一つとして、建設用地の確保を挙げる。

 

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2026年7月25日

阿蘇「おらが村」地熱発電所がFIP制度へ移行、環境価値を複数カ所へ供給

ふるさと熱電(熊本県小国町)は7月10日、出資・運営する「わいた第2地熱発電所」(同)について、FIT制度からFIP制度へ移行し、その環境価値について、複数の需要家に約15年間の長期環境価値取引契約に基づき提供を開始したと発表した。

この取引に関する業務委託先として、デジタルグリッド(東京都港区)が参画する。FIP制度下では、発電事業者が発電した電力を自由に取引することができるようになる。

 

希少なグリーンなベースロード電源

脱炭素経営を推進する半導体・化学・鉄鋼などの製造業や、データセンターを展開する企業の間で、再生可能エネルギーの環境価値に対する需要が急速に高まりつつある。特に、太陽光では対応できない夜間を含めた「24時間CO2フリー」を実現できるグリーンなベースロード電源である地熱発電から生み出される電力と環境価値は市場において希少であり、経済的にも社会的にも期待が高まっている。

この発電所においても、株主・投資家・需要家からの環境価値の市場活用ニーズを受け、FIP制度への移行を実施した。

 

環境価値を複数カ所に、デジタルグリッド初

デジタルグリッドは、その環境価値(非化石証書)について、NTTアノードエナジー(東京都港区)、肥後銀行(熊本県熊本市)、ジャパンセミコンダクター(岩手県北上市)を含む複数の需要家への供給を支援する。

これは、デジタルグリッドが取り扱う初の地熱発電所の電力購入契約(PPA)であり、1カ所の発電所から生まれる環境価値を複数企業で活用する取り組みも同社としては初めてとなる。同社は、今後も多様なサービスを提供し、顧客が脱炭素方針やコストに応じた電力調達を選択できるよう支援していく考え。

 

FIP制度移行の2つの目的

「わいた第2地熱発電所」は、「わいた第1地熱発電所」に続き、地域住民で構成する合同会社わいた会(熊本県小国町)と、ふるさと熱電が連携して建設・運営している。「おらが村発電所」の概念で、「地域共生型モデル」として、地域資源である地熱を活用した持続可能な発電事業と地域活性化の両立を目指している。

設備容量は4,995kWで、年間想定発電量は約3500万kWh/年(一般家庭約8,950世帯分相当)。3月14日の商用運転開始以降、FIT制度にて稼働してきたが、6月1日付でFIP制度へ移行した。また、6月1日より、その環境価値の供給を開始した。

同社は、今回のFIP制度へ移行の目的として、以下の2つを挙げている。

・「地域創生」推進:非化石証書のオフテイカー(購入者)である需要家企業と地域との連携による新たな「地域創生」を推進する。需要家企業と小国町やわいた地区との継続的な関係構築と、地域の力と企業のノウハウの融合を通じて、地域のさらなる活性化を目指す。

・地熱発電の特性を活かした事業価値の最大化:地熱発電は、希少な「ベースロード電源」であり、FIP制度に移行しこの環境価値を需要家と取引することで、24時間365日の平均売電単価(市場価格+プレミアム)をFIT単価より高く維持できる。市場連動型スキームへの移行を通じて、電力の需給調整に貢献しつつ、事業価値の最大化と発電事業の安定化、そしてさらなる地域活性化を目指す。

 

「地域共生型地熱発電事業(わいたモデル)」を展開へ

ふるさと熱電は、熊本県小国町わいた地区において、「わいた第1地熱発電所」を2015年5月に運転を開始。地熱発電を通じて、需要家と地域との新たな接点を創出し、地域住民が主体的に関わる「地域共生型地熱発電事業(わいたモデル)」を推進してきた。

2025年7月には、ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズやGoogleが出資する地熱専業投資会社ベースロードキャピタルと戦略的パートナーシップを締結している。

今後、国内外のパートナー企業の知見や資金を活用させてしながら、日本全国の地熱資源を有する地域にとっての共創パートナーとして、地熱の持続可能な有効利用を通じた地域課題解決や地域活性化を支援するため、「わいたモデル」を全国展開していく。

また、24時間365日、消費するエネルギーをCO2フリーで賄う「24/7カーボンフリーエネルギー」の実現を今後の世界的潮流として見据え、地熱発電に対する社会的期待とオフテイクニーズに応えるため、地熱発電事業のさらなる発展に寄与していく。

 

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