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2026年7月28日

デジタルグリッド、複数太陽光束ねバーチャルPPA ダイセルへ環境価値供給

デジタルグリッド(東京都港区)は7月15日、ダイセル(大阪府大阪市)と地域電力が締結したバーチャルPPAにおいて、需給管理や市場への売電を担うと発表した。

全国に分散する約80カ所の小規模太陽光発電所を組み合わせて環境価値を提供する仕組みを採用し、ダイセルの再エネ調達を支援する。太陽光発電所は7月から順次運転を開始する予定。

 

約80カ所の小規模太陽光を集約

この取り組みでは、地域電力が全国でダイセル専用の太陽光発電所を開発・設置する。各発電所の運営管理はヘキサ・エネルギーサービス合同会社(東京都千代田区)が担当し、デジタルグリッドは需給管理や市場での売電、環境価値の集約を担う。

発電した電力は市場で売電し、再エネ由来の環境価値をダイセルへ供給するバーチャルPPAの仕組みを採用する。発電設備を需要家の敷地内や近隣に設置するオンサイト・オフサイトPPAとは異なり、電力そのものではなく環境価値を取引することで、需要家は再エネ利用に伴う環境価値を取得できる。

また、全国各地に点在する約80件の小規模太陽光発電所を一つの案件として運用する点も特徴だ。一般に、小規模発電所は発電量が限られるため、大口需要家向けの再エネ調達には活用しづらいケースがあるが、複数の発電所を束ねて運用することで供給規模を確保し、企業の再エネ需要に対応しやすくなる。

デジタルグリッドは、こうした発電所群の需給管理を一元的に担うことで、大規模な再エネ供給を実現するとしている。

 

FIP制度を活用した独自スキーム

今回採用したのは、FIP制度を活用したデジタルグリッド独自のバーチャルPPA「Green Purchase Agreement(GPA)」である。

FIP制度は、再エネ発電事業者が卸電力市場などで売電した際、市場価格に一定のプレミアムを上乗せして支給する制度。FIT制度のような固定価格での買い取りとは異なり、市場取引を前提としていることから、発電事業者には市場価格を踏まえた運用が求められる。

同社のGPAは、FIP制度を活用して環境価値を需要家へ直接提供するサービスで、精算方法を工夫することで、需要家が購入する環境価値価格の変動を抑える設計としている。企業は価格変動リスクを一定程度抑えながら、再エネ由来の環境価値を調達できる。

デジタルグリッドは今後も、電力・環境価値取引プラットフォームや分散型電源アグリゲーション事業を通じ、多様なエネルギーサービスを展開し、持続可能でエネルギー制約のない社会の実現を目指す考えだ。

 

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2026年7月27日

「垂直懸下式」太陽光発電パネルを実証 JFE商事、いちご栽培ハウスに導入

JFE商事(東京都千代田区)は7月15日、いちご栽培ハウス内で太陽光発電を行う実証試験を開始したと発表した。

茨城県鉾田市のいちご農園「hiko farm」の協力の下、ハウス内に軽量で柔軟性のある太陽光発電パネルを吊り下げる独自の「垂直懸下式」を採用し、施設園芸における再エネの活用可能性を検証する。

具体的には、既存の栽培ハウスを活用して発電設備を設置することで、大規模な改修を伴わずに再エネを導入できるかを確認する。発電した電力はハウス内の冷暖房設備や環境制御設備などで自家消費し、電力の地産地消や電力コスト削減、脱炭素化への効果を検証する。

 

独自の「垂直懸下式」でハウス内発電

今回の実証では、JFE商事が開発した独自構造「垂直懸下式」を採用した。

一般的な営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)は、農地上部に架台を設置して太陽光発電パネルを配置する方式が主流となっている。同社の構造は、既存の栽培ハウスの構造体を活用できるため、追加の架台を必要としない。軽量で柔軟性のある発電パネルを吊り下げて設置する。さらに、パネルの角度は調整が可能で、作物に適した日射条件を確保しながら発電できるという。

実証では、発電性能に加え、発電パネルの影を活用した高温対策や日射調整の有効性についても評価する。

施設園芸では、夏季を中心に日射量が過剰となることでハウス内温度が上昇し、作物の生育環境や空調負荷に影響を及ぼす。このため、遮光カーテンなどを利用して日射量を調整するケースも多い。垂直懸下式は、太陽光発電パネルが発電設備として機能するだけでなく、高温対策や日射調整への活用が期待される。

 

発電した電力を自家消費 冷暖房や環境制御に活用

同実証では、太陽光発電で得られた電力をハウス内で自家消費する。活用先は、栽培環境を維持するために欠かせない冷暖房設備や環境制御設備などを想定している。

検証では、発電量と消費電力量のバランスに加え、実際の運用における自家消費の有効性や設備運用への影響を確認する。

 

施設園芸のエネルギーコスト削減へ実用性を検証

今回の実証は、発電設備としての性能評価だけでなく、施設園芸における実用性の検証にも重点を置く。

ハウス内に設置した太陽光発電パネルによる発電性能に加え、作物の生育への影響や、発電パネルの影を活用した高温対策・日射調整の有効性などを総合的に検証する。

近年は農業分野でも脱炭素化への対応が求められる一方、資材価格やエネルギー価格の上昇が経営を圧迫している。特に施設園芸は電力使用量が大きいことから、再エネの導入は環境負荷低減だけでなく、経営安定化の観点からも関心が高まっている。

JFE商事は、今回の実証を通じて施設園芸への適用性や運用性を検証し、得られた知見を今後の展開につなげる考えだ。

 

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