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2026年5月28日

ニチコン、家庭用蓄電池のCO2削減量をJークレジット化 年1200円還元

ニチコン(京都市中京区)は5月25日、同社の家庭用蓄電システムを設置しているユーザーを対象に、太陽光発電システムと蓄電システムによるCO削2減量をJークレジット化する新サービスを開始すると発表した。

対象家庭の削減量を同社が集約し、企業のカーボン・オフセットなどに活用できる環境価値にする。Jークレジット化に参加した家庭には、デジタルギフトで還元する。

 

家庭の自家消費分を環境価値に、オーナーズ倶楽部会員などが対象

この「環境価値サービス」では、各家庭が太陽光発電の電力を自家消費し、蓄電システムを活用することで生じたCO2削減量を、同社が集約しJークレジット化する。家庭ごとの電力データを自動的に集計することで、CO2削減量を算出する仕組みとした。

 

対象は、同社製の蓄電システムを設置済みで、ニチコンオーナーズ倶楽部の会員および見守りサービスに加入しているユーザー。設置から2年以内などの条件があり、設置時に利用した補助金の種類によっては入会できない場合がある。

同サービスの利用は、サービス申込日から原則8年間。創出されたクレジットをもとに、ユーザーには年間1200円分のデジタルギフトを提供する。

 

先着1000人に記念キャンペーンも

Jークレジット制度は、省エネ設備の導入や再エネ利用によるCO2削減量を国が認証する制度。創出されたクレジットは、企業のカーボン・オフセットや経団連カーボンニュートラル行動計画の目標達成などに活用できる。

サービス開始に合わせ、同社は記念キャンペーンも実施する。5月25日14時から8月31日23時59分までの期間中に申し込んだ先着1000人に、環境価値サービスとは別途でデジタルギフト2000円分を進呈する(発行は2027年春頃)。

 

小規模な環境価値のまとめて活用へ、近年の動向

家庭用太陽光発電や蓄電池を利用した環境価値活用では、住宅ごとに生じる小規模なCO2削減量を事業者が集約し、Jークレジット化する取り組みが広がっている。家庭内に埋もれがちな規模な環境価値を、企業のカーボン・オフセットなどに使える形にする取り組みで、住宅設備メーカーやエネルギー事業者が、会員制度や補助事業などと組み合わせて展開。当メディアでは、LIXIL(東京都品川区)ミサワホーム(同・新宿区)東京ガス(同・港区)などの取り組み事例を紹介している。

また、中小企業などで活用されずにいた再エネ由来の環境価値を収益化する仕組みとして、バイウィル(同・中央区)が4月23日、香川県内の中小企業の太陽光発電によるCO2削減効果を取りまとめてクレジット化する取り組みを発表した

 

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2026年5月27日

次世代太陽電池を量産しPPA適地拡大 東京センチュリー、PXPに追加出資

東京センチュリー(東京都千代田区)は5月21日、次世代太陽電池の開発・製造を行うPXP(神奈川県相模原市)に対し、量産工場の建設を支援するため追加出資を行うとともに、製品の優先供給を見据えた業務提携契約を締結したと発表した。

PXPの技術により太陽光発電によるコーポレートPPAビジネス事業の拡大を図る。あわせて、EV車両への搭載による「移動体でのエネルギー自給自足」など新事業領域の開拓を推進する。

 

製品供給と導入エリアの両面でPPA事業にメリット

PXPは、カルコパイライト太陽電池の開発・製造とともに、カルコパイライト型とペロブスカイト型を組み合わせたタンデム型太陽電池などの開発を推進。タンデム型では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業にも採択されている。

東京センチュリーは、今回の出資と業務提携契約を脱炭素社会への貢献に向けた重点施策の一つと位置付ける。今回の提携により、東京センチュリーが注力するコーポレートPPAは、製品供給と導入エリアの両面で進化するとしている。

 

設置困難なエリアへの導入拡大

現在、国内の再エネの導入を阻む大きな要因の一つに、従来の重い太陽光パネルでは「設置できる場所が限られる」という適地不足の課題がある。同社はこの課題を解決するため、PXP社が開発する軽くて曲がるカルコパイライトの革新的な技術を支援する。

カルコパイライト太陽電池は、従来のパネルに比べ1/10以下の重さを実現する。建物の耐荷重制限により導入を諦めていた古い工場や倉庫、さらにはカーポートなどの屋根を有効活用した脱炭素ソリューションを顧客企業へ提供する。これまで活用されてこなかった場所を「発電拠点」に変えることで、クリーンエネルギーの普及を加速させてる。

 

安定的な調達体制の構築に向けた協力

PXPとの提携を通じて、量産後の製品確保に向けた協力関係を構築する。PPA事業では安定稼働が求められるが、PXPが開発するカルコパイライト太陽電池は⾧期の耐久性に優れている。信頼性の高い製品を早期に確保することで、顧客企業の脱炭素ニーズに確実に応えるとしている。

今後、東京センチュリーの強みであるモビリティ部門と連携し、EV車両への搭載など、新事業領域の開拓に取り組む。将来的には、PXP社が開発を進めるペロブスカイト・タンデム型太陽電池の活用も視野に入れる。

 

多くの企業がPXPに注目、出資

東京センチュリーは今回、PXPに対して、シリーズBラウンドにおける追加出資を行うことを決定した。また、5月14日には新明和工業(兵庫県宝塚市)がPXPに対し出資したことを明らかにしている。

PXPが注視する市場として、人工衛星、モビリティ(EV向け)、携帯基地局、デジタルサイネージなど、産業屋根(耐荷重性能が低い建物)、アウトドア・防災の5つを挙げていることを紹介。これら市場成長性への期待に加え、自社主力製品との親和性、量産時の自社真空成膜装置の活用を見据え、出資を決めた。PXPでは、ドライ製法(真空成膜)を用いた低コストの量産製造プロセスを確立しており、その過程において、新明和工業の真空成膜装置の適用が検討されている。

シリーズAラウンドでは、ソフトバンク(東京都港区)をリードインベスターとして、既存株主のSOLABLE(同・千代田区)、三菱HCキャピタル(同)、豊田通商(愛知県名古屋市)など、計9社が参加し、総額15億円の資金調達を実施した。ソフトバンクは約10億円の出資を行い、PXPの株式の約29.9%を取得。東京センチュリーは、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)との共同投資ビークルである合同会社J&TC Frontierを通じて出資している。

 

バスや自動販売機、宇宙で活用に向けた実証を展開

PXPは、さまざまな企業と連携し、「カルコパイライト太陽電池」の実証を進めている。

神奈川中央交通(同・平塚市)、豊田通商とは路線バスに、サントリーホールディングス(大阪府大阪市)は自動販売機に、東プレ(東京都中央区)と低温物流車に、名古屋電機工業(愛知県あま市)とは道路付帯設備に活用する実証を展開する。

三菱電機(東京都千代田区)が行う、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金事業では、太陽電池セルの開発で、PXPと連携するほか、神奈川県と連携し、次世代型タンデム太陽電池の社会実装に向けた実証を進めている。

 

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