2026年6月1日
川崎重工業(兵庫県神戸市)、東京センチュリー(東京都千代田区)と京セラコミュニケーションシステム(KCCS/京都府京都市)の3社は5月25日、川崎重工業の西神工場(兵庫県神戸市)において、ソーラーカーポート(駐車場設置型太陽光発電設備)を活用した「寄付型コーポレートPPA(自家発電サポートサービス)」を開始したと発表した。
工場の駐車場を再エネ電源として活用し、年間約1,220MWhの発電を見込む。
自家発電サポートサービスは、東京センチュリーとKCCSが太陽光発電設備導入にかかる初期投資などのコストおよび手続きを引き受け、需要家である川崎重工業は初期コストの負担なく太陽光発電システムを導入するPPAサービス。
NPO法⼈への寄付が組み込まれていることが特長で、ほかに、京セラの高品質な太陽光発電システム(40年以上にわたり高い出力で稼働する長期的な信頼性はメーカー実証済み)を使用することや、KCCSが実績あるO&M(運営・保守)を担うなどの導入メリットがある。
川崎重工は2023年から、兵庫県内の工場屋根を活用し、寄付型コーポレートPPAによる太陽光発電設備の導入を進めている。2023年3月には西神工場の屋根に715kW、同年10月には播磨工場(兵庫県加古郡播磨町)に772kW、2025年12月には播磨工場の別棟屋根に494kWの太陽光パネルを設置した。
西神工場への第2期の導入となる今回は、駐車場にソーラーカーポートとして1,049.535kWの太陽光パネルを新設した。同サービスでソーラーカーポートを導入するのは、川崎重工にとって初めて。これにより、同社の寄付型コーポレートPPAによる太陽光発電設備の導入は通算4件、合計約3.0MWとなる。
同社は再エネ電気を事業活動に活用するだけでなく、駐車場屋根の遮熱・遮光効果による車内温度の上昇抑制や、雨天時の利便性向上などを通じ、駐車場を利用する従業員の快適性向上にもつなげる。
同サービスは、SDGsを推進する公益法⼈やNPO法⼈への寄付が組み込まれているため、顧客である企業のサステナビリティ評価向上につながるほか、寄付金控除による法人税の軽減効果施策としての一面もある。
寄付先は需要家の顧客企業が選定でき、寄付金相当額は東京センチュリーが負担する。川崎重工は寄付先として、西神工場や播磨工場が立地する兵庫県内においてボランティアで森の保全活動を行っているNPO法人「ひょうご森の倶楽部」を選定し、寄付を行ってきた。今回の取り組みでも同団体に寄付する予定だ。
西神工場への第1期導入は、2023年3月23日に発表。工場屋根に設置した太陽光発電システムの想定年間発電量は818,973Whで、発電予定期間は2023年3月~2043年3月(20年間)としていた。
寄付型のコーポレートPPAは、東京センチュリーとKCCSが、京セラ(京都府京都市)とともに、SDGs達成に向けた新たな取り組みとして、2022年6月に提供を開始。2023年2月には、メニコン(愛知県名古屋市)が、各務原工場(岐阜県各務原市)において、同サービスを導入した。
国は、脱炭素の目標達成に向けて送電線の容量不足や適地不足が深刻化する中、送電網への負荷なく、かつ自然破壊に加担しない「敷地内の遊休地(駐車場など)」を活用した自家消費型発電を後押ししている。
環境省は4月24日、駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備と、定置用蓄電池・車載型蓄電池・充放電設備・充電設備などの導入を支援する補助金の公募を開始した。公募期間は6月11日正午(必着)まで。補助金の交付額は最大で1億円。ソーラーカーポート、垂直型ソーラー以外に、発電機能と舗装の路面機能を一体化させたソーラーロードも補助対象となる。
PPAの仕組みで導入するソーラーカーポートも補助対象とされており、その場合はPPA事業者が代表者となり、電力の需要家が共同事業者として申請する。
豪雪地域においては、積雪の影響を受けにくい垂直ソーラーの設置が望ましい。環境省補助金においてもこのタイプも補助対象となる。
エア・ウォーター(大阪府大阪市)は2025年12月2日、豪雪地帯の鳥取市に立地する日本郵政グループのコールセンター駐車場敷地に、オンサイトPPAサービスにより「垂直ソーラー」を設置した取り組みを紹介している。積雪の影響を受けにくい垂直型ソーラー発電システム「VERPA」を用いた。山陰地方では初の導入事例だという。
また、中部国際空港(愛知県常滑市)の貨物地区では、従業員用駐車場に412kWのカーポート一体型太陽光発電設備を設置し2027年4月から運用開始する予定。これは、中部電力ミライズ(同・名古屋市)のオンサイトPPAサービスにより同空港に約3.9MWの太陽光発電を導入する計画の一部だ。
神戸製鋼所(兵庫県神戸市)は2025年4月に、みずほ丸紅リース(東京都千代田区)とのオンサイトPPAにより神戸総合技術研究所にソーラーカーポート型太陽光発電設備を設置し運用開始。車路部分にも太陽光パネルを設置する車路一体型を採用し、年間発電量は約700MWh、CO2排出量を年間約300トン削減する見込み(当時)と発表し、製鉄プロセスにおける大幅なCO2削減および事業所での再エネ利用により、グループ全体の脱炭素目標につなげていくとした。
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2026年5月31日
西日本旅客鉄道(JR西日本/大阪府大阪市)は5月25日から、ハチドリソーラー(東京都新宿区)と共同で、住宅向け太陽光発電事業を本格展開する。
鉄道会社が沿線ネットワークや地域接点を活用し、住宅向け太陽光発電サービスを広域展開する国内初の取り組みとなる。
同サービスは、太陽光パネルや蓄電池、設置工事費を含め、初期費用0円で導入できる点が特徴。利用者は月額定額制でサービスを利用できる。
また、20kWhの大容量蓄電池を提供し、電力会社から購入する電力量を抑えた生活を提案する。電気料金の高騰対策に加え、停電時など災害時のレジリエンス強化にもつなげる。さらに、自然災害による故障時には、何度でも新品交換に対応する独自の自然災害補償を付帯する。
対象エリアは広島県、山口県、岡山県で、今後は沿線駅を起点としたプロモーションを通じ、地域住民への認知拡大を図る。
JR西日本はこれまで、鉄道を中心とした社会インフラを通じて、沿線住民の暮らしや地域経済を支えてきた。一方、人口減少やライフスタイルの変化が進む中、鉄道会社には「人を運ぶ」役割にとどまらず、沿線の暮らしそのものを支える存在への転換が求められている。
鉄道事業は大量の電力を消費する産業であることから、脱炭素社会の実現に向けては、エネルギーのあり方そのものに関与していく必要があるという。加えて、災害時の地域レジリエンス向上の観点からも、地域内で電力を創出・活用する分散型エネルギーの構築は、沿線価値の維持・向上につながる重要なテーマと、同社は位置付ける。
こうしたJR西日本の課題意識と、ハチドリソーラーが推進する分散型エネルギーの考え方が一致したことから、今回の連携に至った。
両社はこれまで、広島県と山口県で住宅向け太陽光発電事業の実証(PoC)を共同実施してきた。実証では、初期費用0円モデルによって導入ハードルを下げるとともに、JR西日本が持つ沿線ネットワークや地域からの信頼を生かすことで、短期間で導入検討が進むなど、分散型エネルギーの社会実装に向けた有効性を確認した。こうした成果を踏まえ、今回の事業化を決定した。
両社は、広島県・山口県・岡山県での本格展開を起点に、住宅向け太陽光発電の普及拡大を図る。今後は住宅単位での導入にとどまらず、エネルギーを起点としたまちづくりへの展開も視野に入れる。
その一環として、環境省の「脱炭素先行地域」に選定されている兵庫県豊岡市での展開も検討する。地域全体でエネルギーを創出・活用する分散型エネルギーモデルの構築を目指す。
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